#日刊よくできました 9

【アップルパイを買いに行って、食べる】

朝(私の朝は11:30くらい)起きてスマホをいじっていたら何故か急にアップルパイが食べたくなり、とりあえず1日の目標をアップルパイに設定した。家からスムーズに行けて、かつ味の保証されているアップルパイ屋さんを探し、適当なユニクロのスキニーと適当なセーター、適当なコートを着て適当なマスクをし、お財布だけを持って家を出る。雨が降っている。一昨日はとても晴れていて、タイツもコートもいらないくらいの気温だったのに、すぐにまた元どおりだ。冬の寒い雨は苦手だけれど、それに合いそうな音楽を流せば悪くない。ぼうっとしていたら電車を乗り間違え、少し遠回りをしてアップルパイ屋さんに辿り着く。無事に買えると、少し周りも見たくなって百貨店の地下食品コーナーをうろつき、まだお昼ご飯用によりどりみどりに選べるお弁当の中で、つい食べたくなってステーキ弁当を買う。1500円。出来心にしては高い。すっかりサブコンテンツに成り下がったアップルパイと一緒にそれを持って家に帰り、お昼ご飯として食べる。

今日は昼過ぎからPodcast「戸田真琴と飯田エリカの保健室」のリモート収録が予定されていたので、それまでにすいすいと全部を食べきる。アップルパイはとても可愛くておいしかったのだけれど、写真を撮る前に食べ始めてしまったので証拠はない。だけれどりんごって温めるとこんな風になってしまうんだな、といつも驚く。あんなにしゃきしゃきしていたのに、こんなに甘い蜜を固めたみたいなかんじになってしまうんだ。なんかちょっと色っぽい気がする。エッチなアップルパイを食べ終え、リモート収録へ。緊急事態宣言下で皆普段より人と会話する場面がめっきり減っているせいか、技術面を丸ごと担ってくれている長谷川さんを含めた3人でGoogle meetを繋ぎ次第しこたま話した。収録ボタンを押しておけば良かったというくらい楽しく3人で話して、肝心のPodcastの収録はしないまま気づけば1時間半しゃべっていた。もちろん会話には全世界のどこの誰に聞かれても構わないものもあれば、決してそうではないものもある。私たちは特に、人前に出ることのある仕事だから尚更その線引きがシビアだったりする。心はいつもどんなことだって聞いてもらいたいくらいに開いているのに、コンプライアンスや世間体が邪魔して、なかなか何もかも全てを話せるわけではないということに少し勿体なさを覚える。願わくば、私が見た綺麗なことや楽しいこと、私に起こった嬉しいことや不思議なこと、すてきなことは全部なるべく見たままで伝えられたらいいのに、と思う。そうもいかないから、人には想像力が必要だ。愛する人に対する、愛情フィルターましましの想像力。悪意のない世界で生きられたら、私たちもっとなんだって話せてしまうのにね、と思う。いつか本当に自由になりたい。

保健室のリモート収録も二度目になって慣れてきたのか、楽しくすいすいと進んだ。前に読んだ投書の方が、投書を読まれた後のことをまた書いて送ってくれていたりもして、交換日記のような愛おしさがあるな、と思った。Podcastは2020年の緊急事態宣言が開けた初夏の頃から始めたものだったけれど、まさにこの何もできないコロナ禍のなかで私にとってもひとつの心の拠り所になっている。それは技術面を全てになってくださっているライター・編集者の長谷川さんがもつ安心感によるものもとても大きい。このPodcastにおいて自ら前へ前へ出ようとはしない謙虚な方だけれど、収録中に出してくれるカンペや話題になったものをすぐに検索して出してくれる行動の素早さなど、とても重要な要素として番組を盛り上げてくれている。こんな風に手放しで信頼できる人たちとひとつの番組を作れている今を本当に幸せだと思う。何より、3人リモートでも顔を合わせてしばらくおしゃべりするだけでとても癒されるなんて、そんなすてきな関係はそうそうない。「戸田真琴と飯田エリカの保健室」、毎週月曜日20:00に更新しているのでお時間ある時、気になったタイトルのものを聴いてみてください。

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ありがとうございます!助かります!