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多様な子供たちを『ふろしき』のように包み込む、インクルーシブな学校づくり【芦原小学校】

 このコーナーでは、ふるさと納税を活用したクラウドファンディングによる「戸田市未来の学び応援プロジェクト」について、夢のある提案を出された各学校からのメッセージを掲載しています。
 第5回は、インクルーシブな学校づくりに取り組む芦原小学校です!


1.なぜこのクラウドファンディングに応募しようと思ったのですか?

 昨年度は「多様な子供たちを『ふろしき』のように包み込む、インクルーシブな学校づくり」を目指してクラウドファンディングに応募しました。

 それは、学校はこんな教育を実現したいという思いが強いほど、理想とする学級や学校像を強く持ち、その箱に合わせることに苦手さがある児童を「箱」に合わせて変えようとする指導を行っていたのではないか?と考えたことがきっかけでした。

 その結果、「学校に登校しづらい、学級に入りづらい」と感じる児童もいたのだと考えるようになりました。

 そこで、「学校では教室でみんなが同一歩調で同じ内容を学ぶことが基本」という「当たり前」を問い直し、「箱」に入れるのではなく、目の前にいる児童に合わせて、ふろしきで包み込むようなイメージで学校や学級づくりをしていきたいという方向への発想の転換を行いました。

今までの理想とする学級や学校像
これからの理想とする学級や学校像

 その結果、芦原小では、戸田市が設置している校内サポートルーム「ぱれっとルーム」を、在籍している児童の元気回復スペースとして捉え、多様な児童の多様なニーズにこたえられるように整備しました。また、ハード面だけでなく、ソフト面として教職員の資質向上を目指した外部の専門家の指導・助言により教育観のパラダイムシフトを促すとともにインクルーシブな学校づくりを支える人材育成も目指していきたいと考えるようになりました。

 そこで、「ぱれっとルーム」の整備や教職員研修の推進を通して、多様性を受け入れ、全ての子供の居場所となる学校、「オープンドア」の心をベースとしたインクルーシブな学校の実現を目指したいという思いで本プロジェクトに応募しました。

2.昨年度集めた寄附は、どう活用されていますか?

 昨年度の取組により「芦原小版ぱれっとルーム」を整えることで校内安心スペースの理解は進みました。また、特別支援教育に係るスーパーバイズを受ける機会を得たことで、多様な子供たちの多様なニーズへの柔軟な対応が進み、インクルーシブな学校づくりの風土が生まれてきました。
 今年度はそうやって生じた風土を文化にしていくことを念頭に置いて取り組みました。すなわち風土をシステム化し、システムを継続することでインクルーシブな学校づくりは文化になると考えました。
 個々の取組は以下のとおりです。

○外部専門家を複数回招聘

 月1~2回のペースで臨床心理士の先生方を招聘しています。特別支援教育及び「ぱれっとルーム」の充実に向け、「ぱれっとルーム」に来室する児童に多く関わるスクールサポーターやスクールカウンセラーへ助言をいただくとともに、授業観察や児童観察を通して、学級担任への助言も実施しています。

 また、日頃学級担任が気にかけている児童の困り感に寄り添った支援方法について助言をいただき、先生方の児童に対するよい働きかけや取組についてご指導いただいています。

〇インクルーシブプロジェクト委員会によるグッドプラクティスの収集と共有

 特別支援の視点からの教育の充実を目指して校内のインクルーシブプロジェクト委員会を設置しています。本委員会では、外部専門家による研修やスーパーバイズでの助言を生かし、学級全体にとっても支援が必要な児童にとってもよい支援方法を蓄積し、共有しています。

○インクルーシブな学校づくりにつながる新しい学びや学級経営等の理解

 「インクルーシブな学校づくりの風土を根付かせるとともに、推進役となれる人材を育成するため、3つのプロジェクト委員会が企画し、それぞれに講師を招聘し長期休業日等を活用して合同の研修会を実施しています。「全ての子供が参加できる授業とは?」「効果的なICTの活用とは?」等をテーマに協議し、画一的・固定的な姿から脱し、時代の変化、社会的な課題に対応する授業づくりを目指しています。」

インクルーシブプロジェクト企画の全体研修会
学びデザインプロジェクト企画の全体研修会

○「ぱれっとルーム」の整備

 本校の「ぱれっとルーム」には、多様なニーズがある児童がやってきます。心のケアが必要な児童、健康面の配慮が必要な児童、体の使い方に不器用さがある児童、視覚的な認知に課題がある児童、集団の中でうまくいかないことが多く自尊感情が低い児童など様々です。そのような一人ひとりのニーズに合わせて取り組むことができる教材も整備しました。

 このような取組の中、今年度10月にはOECDグローバルフォーラム視察校として選ばれ、さらに、OECD Education 2030「Project ∞ Infinity」参加校として12月にOECD本部(パリ)で開催される生徒教師サミットで本校のインクルーシブ教育の報告をしました。

 今後は、今回の機会をきっかけに築き上げた「インクルーシブな学校」を芦原小学校の一つの特色として日常の教育活動に邁進してまいります。

3.新たな提案について

【提案資料】職場環境の改善による働きがい改革(芦原小学校)
(画像をクリックすると提案資料に遷移します)

 今年度は、職場環境を整えることで、働く人の意識を変え、人と人とのコミュニケーションを促進し、イノベーションを起こしていきたいと考え、職員室環境を整えることによる「働きがい改革の実現」を目指し、本プロジェクトに応募しました。

 職場環境をより快適に、よりクリエイティブに進化させれば、授業時間以外の業務の効率化が進み、多忙感の軽減につながります。そして、ゆとりのある業務によって教育の質の向上が図られると考えています。

提案資料(抜粋)

 今、国内の民間企業におけるオフィス環境は、ICTの普及、勤務形態や勤務時間の多様化、創造性やチームワークを重視するワークスタイルの浸透等様々な背景から、大きく変化しています。しかし、学校におけるオフィス「職員室」に関しては、多くの改善の余地が残されています。環境整備の知見は、すでに民間企業のオフィスの場に多くの蓄積があり、生産性やコミュニケーションを高める職員室づくりを進めていくためには、専門家の指導を得ることが不可欠です。

 また、「大人の遠足」と称して、教職員による企業のオフィス見学を行い、空間レイアウトや家具・道具の使い方、書類の整理法、コミュニケーションの仕方なども学ぶ機会を得たいと考えています。

 職員室の環境整備に関しては管理職など一部の教員と行政機関に任せきりになることが、これまでの「当たり前」でした。そこで、本プロジェクトにより、その「当たり前」を打破し、教職員が「職場環境の見直し」の過程に参画し、外部の知見を取り入れ見聞を深めることにより、「職場環境の見直し」を自分事として捉えられるようにしたいと考えています。

 「脱・自前主義」で外部の知見を活用することにより、教職員の意識改革を図り、よりよい働きがい改革を実現したいと思います。


芦原小学校さん、お忙しい中メッセージをありがとうございました!
ぜひ、インクルーシブな学校づくりに取り組むとともに、そして職員室の環境整備から働きがい改革に取り組もうとする芦原小学校の挑戦にご支援、ご注目いただけますと幸いです。

今後とも引き続き、戸田市の教育改革への挑戦にご注目いただくとともに、ご支援をお願いします!

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