「左様なら」試写会に行ったよ。
こんばんは。今日から始めるって言ったので、とりあえず書きます。
石橋夕帆監督の初長編映画。高校生の群像劇です。
今年のムージックラボで上映される映画なんですが、弊社の石川瑠華と竹下かおりが出演させて頂いていて、更に、僕が応援コメントを書かせて頂いたのもあり、ご縁のある映画です。
上映時間は87分。見やすい尺で、まず尊敬…
内容は、ある日突然、主演の芋生遥さんの親友である祷キララさんが事故で死んでしまいます。
突然の友人の死。クラス内は色んな感情が巡ります。でも日常は何も変わらりません。高校生活なんてそんなもの。学生達は動揺しない為か、一つの時事ネタとしてしか扱わない。
「ただ、クラスメイトが一人居なくなっただけ」そう見えるし、それだけの事にしたいのだろう。
だけど、何かが確実に変わっている。
主演の芋生さんの、奥底に感情を押し殺している…と表現すれば正しいのか、それとも、幼さ故に心に溜まった蟠りの扱い方が分からないのか…静かに生きていく彼女を、終始救ってあげたくなります。
(ネタバレなので言えませんが、だからかな、ラストカットがとても素晴らしかったなぁ…良いラストの映画は良い映画なんです。是非観て欲しい)
芋生さんのふとした時の笑顔や、じっと耐えている姿に、気づけば僕は釘付けになっていました。彼女の静かな中に大きな悲しみがうごめいている。そして、それが海鳴りと共鳴するのでしょう、海のシーンだけ彼女の心が揺れ動き、様々な色を光放ちます。
(ロケーションの扱い方は映画演出ではとても大切で、本作はそれが上手く生きていました)
強い子やなぁ…とは思いつつ
きっと本人自身も、自分がどこまで傷ついていて、どこまで悲しいのか。それも分からないんだろう…。
生まれて初めて感じた大きすぎる衝撃と感情を扱い方が分からなくて、涙を流すことも出来ない。怒りや憤りにもならない。そして、そういう自分を誰かに説明も出来ないし、誰かに伝わるとも思えない。
少しずつ、周囲とはずれていく日常で、孤立していく…
彼女だけでなく、クラスの誰もが、思春期特有の孤立の中に生きています。誰かを求めているのは、きっと孤立することが怖いから。だから、みんな人の顔を伺うし、表面上の付き合いをしている。
あー、苦しいなぁ。あー、窮屈やなぁ。
って。観ていて辛かったなぁ。
「今はまだ解らない。あなたが居なくなったということが」
大人になるということは、失うということを、知っていくことなんだなと、この映画を観て感じました。
僕は、一人の創り手として、「喪失」「期待」「他人」「生活」というキーワードがいつも出てくるタイプなのですが、この映画にはそういう「生き辛さの美しさ」がしっかり描かれていました。
だから、好きな映画です。
バーっと思うままに書いたので、読みにくくてすみません。
最後まで読んでくださった方、ありがとうです。
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