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地球途中下車夫婦のピースボート乗船記メキシコ「小さな天使たちの家」
写真はマンサニージョのシンボル、カジキマグロのモニュメントです。
ビーチクリーンのあとあわてていったん船に戻って2人は、午後は「小さな天使たちの家」を訪れるツアーに参加しました。。。
天使たちの家は、いわゆる日本でいう乳児院、児童養護施設にあたります。
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さまざまな理由で親と一緒に暮らすことができない、ゼロ歳から20歳までの子どもたちが生活しており、就学年齢の子どもは学校に通っています。
メキシコは中南米とアメリカ合衆国の間にある位置関係からか、移民の家族も多く、出稼ぎに出たまま親が戻ってこなかったり、両親がアルコール依存症や麻薬中毒患者、犯罪に巻き込まれた、という環境の子どもたちもたくさんいるそうです。
「小さな天使たちの家」は、私立の施設で、幼い子どもを亡くしたストーム氏によって1996年に創設されました。
ピースボートとは現地カウンターパートナーの関係で、乗客と子どもたちとの交流ツアーの受け入れ先となることで、支援をしています。
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天使たちの家は国内外から様々な支援を集めていますが、経営体としての自立をめざしており、そのひとつが、子どもたちによるレベルの高い民族ダンスです。そのクオリティには定評があり国内や海外へも公演に出かけるほどです。子どもたちとの会話のなかでも歌や踊りが深く根づいているようすがうかがえ、生活や人格形成の柱にもなっているようです。
そのあと、昼食会。
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かんたんな交流スペイン語会話集が配られたおかげで、
お名前は?
コモテ・ヤマス?
何歳ですか?
クアントス・アニョス・ティエネス?
…など食事をしながら質問攻め。
ポケトークも大活躍です!
ひととおり施設を見学させてもらい、そのあと、中庭で一緒に遊びました。
ピースボートの備品としてのケン玉や、浴衣が用意され、着付けのできる乗客が、浴衣を着せてあげたり、日本の習字で「ルイス」など自分の名前を書道で書く体験、折り紙、あやとり、バトミントン、ギターなど、用意してきたもので、思い思いに楽しい時間を過ごしました。
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驚いたのは、子どもたちが、それぞれにさまざまな事情を抱えているだろうに、とても素直で純粋で、こうした交流を心から喜んでいる感じがすることです。17歳の男の子が長時間、ケン玉に夢中になって挑戦していたのは、ほんとうに感動でした。
グラシアス!幸せな時間をありがとう!
バスは帰り道、郊外のスーパーマーケットにたち寄ってくれ…
いろいろと、船上生活に必要な物質を買い込みました。持ってくればよかった、と後悔していた、編み物のかぎ針と、閉じ針も…なんとか手に入りました!。(「貸してあげるよー」と何人も船友さんから声をかけてもらっていたのですが…)
そのあと港近く、まちの中心地でバスを降り、アイスクリームを食べながらブラブラあるいて…帰船時間までに船に戻ると、スタッフさんたちの「おかえりなさい!」の声。あちこちから、それぞれの体験を楽しんできた乗船客がそれぞれの思い出とともに船に帰ってきます。
こんな感覚もはじめてです。
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帰船リミットは午後6時、出港は8時半です。
乗客にとって船は帰ってくる家で、そして地元の人にとっては、今日は港に大きなクルーズ船が碇泊しているよと、、、ということで、波止場まで見にやって来るという観光的な要素もあるようで…
やがて日も暮れて、定刻通り、船はマンサニージョ港をあとにしたのでした。
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リアルタイムでは、明日、グアテマラのプエルトケッアル港に寄港です!