【Oregon State】'25 カレッジベースボール展望
'24 シーズン:45-16 (19-10), Pac-12トーナメント予選敗退, スーパーリージョナル敗退(vs. Kentucky)
☆=ドラフト候補
野手
2B: Aiva Arquette (Jr./ 124 wRC+/ Washington) ☆
ドラフト全体1位ポテンシャルのタレントをトランスファーポータルで見事ビーバーズが射止め,全体1位指名選手が抜けた二遊間の穴埋めに成功した。これまでは2Bが定位置で,SSでの起用も十分可能な選手だが,6’5”のサイズは大きすぎるかもしれない。ただその分オフェンスに関してはまだまだ成長途上にあり,爆発的な飛躍を遂げる可能性が十二分にある選手。
LF: Gavin Turley (Jr./ 130 wRC+) ☆
将来を嘱望されて進学しはや2年,およそ期待に違わぬ成績を残してきた。1年次14HR,2年次19HR。FB%が高く綺麗な弾道のアーチを架けることが得意な一方,コンタクト率は60%を切るほどでドラフトにおいては懸念も大きい。筋肉質で引き締まった肉体をしておりスピードに欠けるところはあるが今のところはCFもできるだろう身体能力を持っている。
1B: Jacob Krieg (Jr./ 136 wRC+)
6’5”の長身1B。ほぼレギュラーとして46試合で9HR/34BB/66Kの好成績を残した。118mph EVを記録したこともある怪物級のパワーを持っている。打撃で圧倒的なスタッツを残せればドラフトも十分視野に入ってくるだろう。ちなみに昨年は5試合に登板し2失点。
3B: Trent Caraway (So./ 128 wRC+) ☆
怪我により1年目のシーズンは18試合に留まったがインパクトは大きかった。3B守備は平均的で,アプローチがアグレッシブすぎるきらいがあるが,その実力とポテンシャルは誰もが認めるところ。1巡目中盤の指名が予想される今年のドラフトのためにもきっちりとアピールをしてほしい。
LF: Dallas Macias (Jr./ 113 wRC+) ☆
昨年はほぼレギュラーとして58試合出場,.897 OPSを記録した。K%の低さが特徴的で13.3%。 5'11'', 196 lbs.と大きい方ではないが決してソフトコンタクトに終始せず,ある程度のパワーを発揮できる優秀なオールラウンダーだ。ドラフトでは1日目での指名が期待されている。
C: Wilson Weber (Sr./ 121 wRC+)
Miamiに転校したTanner Smithとポジションをシェアしながら昨年は32試合プレー。出場が限られながら7HRと,打力ではSmithを上回っていた。今年はより先発出場が増えるだろう。
RF: Easton Talt (Jr./ 107 wRC+)
昨年の出場は22試合,試合途中からの起用が多かった。得意とするのは守備走塁面だが,通算111打席で15%のBB%にも注目。今年はパワーが成長しているとのことで,レギュラー級の活躍に期待。
DH: Adam Haight (Fr.) ☆
ドラフトボードのトップ200級タレントはメッツの20巡指名を蹴ってコーバリスへ。所謂二刀流の選手だが,打者としての評価が高く1年目からの起用も十分視野に入るだろう。
SS: Jabin Trosky (Sr./ 81 wRC+)
昨年まではスター揃いの内野陣や怪我に阻まれてまとまった出場機会を得ることができなかったが,今年はレギュラーを狙いたい。12.7% K%の優れたコンタクトと,SS守備が評価されている。
野手総括
バザーナという歴史的なスタープレーヤーの離脱は痛いが,今年もまたエリート揃いのラインナップを組むことができている。ドラフトプロスペクツの多さもさることながら,ロスターの層がまんべんなく厚いこともこのチームの強みである。諸処の事情によりホームゲームが少なく,ハードスケジュールを強いられたが,このメンバーをもってすればさほど苦にはならないように感じた。逆境を跳ね除け,ぜひオマハでの活躍を見せてほしい。
投手
SP1: Eric Segura (So./ 4.88 xFIP)☆
昨年の第3先発。新入生ながらに14先発し,72K,22BBと優秀な成績を残した。CNTキャンプにも招集され,’26ドラフトでの評価は1巡目相当まで高めた。最速は94mph,スイーパー気味のSLとCHを操る。背番号は38→16へ。
SP2: Nelson Keljo (Jr./ 4.48 xFIP)☆
昨年はセットアッパーとして20登板,43イニングを投げた6’4”の長身左腕。防御率こそ4.19と見栄えはしないが,60K/14BBは先発に転向しても十分やれそうな内容。リリーフでは95mph程度のFBを投げ,どちらかというと高出力型だったが,どの程度モデルチェンジするのだろうか。現在でも1日目の指名が予想されるが,先発での成績次第でさらに評価が高まるだろう。
SP3: Laif Palmer (So.) ☆
MLBクラブとの契約を蹴り進学したが,昨年は怪我によりほぼ欠場。6'6"のビッグフレームをどれほど操れるかまだ未知数だが,ビーバーズお得意の投手ディベロップメントに大いに期待したい。高校時点ではFBが90マイル台前半,2600rpmを記録している。
SP4: Dax Whitney (Fr.) ☆
ドラフトで50位前後の評価をされていながら進学となった。6'5"からコンパクトアームで95mph付近を軽々叩き出す。変化球のレパートリーも年齢の割に豊富で,SPとしての将来性が高い。
CP: Drew Talavs (So./ 5.51 xFIP)
フレッシュマン・イヤーでは11登板。最速は97mphでIVBは28インチ。ブルペン陣では最もクローザーに適したタイプの投手。
RP: Joey Mundt (Sr./ 5.03 xFIP)
Oregon Stateでは2019年からプレー。昨年はチーム最多24登板かつ防御率では2点台と頼れるベテランぶりを示した。SLが投球の70%を締める。
RP: Ethan Kleinschmit (So./ Linn-Benton CC)
オレゴンのJUCOでは防御率1点台の圧倒的な成績。
RP: AJ Hutcheson (Jr./ 6.13 xFIP)
1年次26登板,2年次22登板。K/BBは1.73と良くはない数字だが,ある程度の計算はできるサブマリンリリーバー。
RP: Zach Kmatz (Fr.)
昨年ドラフトされたJacobの弟。
投手総括
Aidan May, Jacob Kmatzという2本柱を失い,先発ローテの弱体化は否めない。ただ,実績の少ない下級生次第では全米トップレベルのローテーションになるポテンシャルはあるし,それは決して現実味のない話ではない。ブルペンも計算のつく投手が多い。エリートレベルとまではいかなくとも,安定した投手運用のできる布陣であり,大いに期待がもてる。
投打両方でトランスファーからの補強が少なく,昨年の雰囲気を多分に引き継いでおり,非常に成熟されたチームである。
ヘッダー:https://x.com/BeaverBaseball/status/1874872769554645181