小池知事肝いり「シン・トセイ」全職員アンケートの回答率が10%だそうで・・・
毎年12月中旬、都職員はどこかウキウキしているものです。なぜなら、10日に冬のボーナスが支給され、15日に給与振り込みと続くからです。それに、この時期にはすでに都議会定例会も閉会しています。頭を悩ませることがほとんどありません。
ところが今、都庁、なかでも本庁の職場はドヨーンとした雰囲気に覆われているといいます。
回答期限を延期
まずは、表題の「シン・トセイ」アンケートについてです。
そもそもシン・トセイと言われても、都職員でなければ誰も理解できないでしょうが、コレ、小池知事が打ち出した新しい都政の構造改革を表わす言葉です。大ヒットした映画にあやかったとはいえ、意味不明にもほどがあります。政策企画局の特設ページにはわざわざ手書きのシン・トセイがこれ見よがしに掲載されていますが、まぁはっきり言ってダサいし、ちゃんとした日本語を使っていただきたい。
それはさておき、今後の都政改革「シン・トセイ」に関するアンケートを全職員に対して実施中なんだそうですが、回答を寄せた職員が全体の10%程度という無残な途中経過に所管局が大慌て。このままでは結果を小池知事にあげられないと回答期限を延期する事態に陥っています。
裏を返せば、ほとんどの職員が小池さんの意向に興味がない、どうでもいい、バカバカしいと思っているのでしょう。アンケートに答えたらからといって職場の状況が改善されるわけでもないし、結果を小池知事にいいように使われるだけだとわかってしまっているから、答える気にもなれない。笛吹けど踊らず、都職員の本音がにじみ出た回答率の低さだと言えます。
スシテックは恥ずかしい
これ以外にも都職員の生の声をいくつかご紹介したいと思います。
「11月に小池知事が言い出したスシテックなんとかなんて、恥ずかしくて口にできない。」(本庁課長)
スシテックとは、”SusHiTechTokyo”のことです。
"Sustainable High City Tech Tokyo"の略で、「次世代につなげる都市像を東京から世界に発信」することらしい。これまた意味不明ですが。
ロゴとキャッチフレーズを見れば、「何をはしゃいでるんですか、小池さん」と誰もが白けること間違いありません。恥ずかしいと感じる本庁課長の気持ちが痛いほどよく分かります。
怨嗟のスパイラル
本庁の局長や部長の声も聞いてみましょう。
「まったく今の副知事たちは不甲斐ない。小池知事の言いなりだ。それに輪をかけて副知事経験者であるSS(特別秘書)がひどい。」
唯々諾々と独裁者の意に沿うことしかできない取り巻き連中へのブーイングと受け止めました。
つまり全部ひっくるめて申し上げれば、一般職員や課長級職員は小池さん自身とそれに付き従う局長・部長に嫌気がさしている一方で、その局長・部長はさらに上の副知事やSSに不平不満をぶつけているということです。
正に、怨嗟のスパイラルが都庁の中で渦を巻いているのです。とても正常な組織とは思えません。
最後にOBの声も紹介します。つい最近、ある局長級OBがこんなことを筆者に語ってくれました。
「今の都庁は地獄ですね。」
筆者は現役最後の2年間、地獄を味わっただけで済みましたが、現役の課長・部長はこの先何年もの間、辛酸をなめなければいけない。それを思うと、一刻も早い小池さんの退場を願わずにはいられません。