統一教会問題、小池知事は「しめたっ」と感じている
統一教会問題の根は、まだまだ深い感じですね。今は、主に自民党を中心に国会議員がメディアのターゲットになっていますが、夏休みが明けて9月、全国の地方議会が定例会を開催する時期に筆者は注目しています。その時、統一教会と地方議員の関係が各地域でさらに顕在化するかもしれない。あと1か月あまり、世論の関心が継続していればという条件付きではありますが。
では、都議会はどうなのか。なにしろ時の人・萩生田政調会長は元都議会議員(2001年からの1期だけですが)、関係を持っている(持っていた)議員が他にいたとしても何ら不思議ではありません。
こうした状況に対して、ひとりほくそ笑んでいるのが小池知事だと思います。小池さん自身と統一教会を結ぶ線は、今のところ全く報道されていません。すでにメディアは、彼女の政治資金収支報告書を隈無く調べ上げたことでしょうが、音沙汰なし。
これは彼女がシッポを出していないというより、統一教会側も利用価値のある議員を選別して近づいているわけですから、小池知事は利用価値なしと判断されたのか、あるいは、彼女が身にまとうどこかカルト的ないかがわしさに、統一教会も二の足を踏んだのか(笑)。。。
実際、小池知事は、7月29日に自身と統一教会との関係を質問された際、「対抗馬が統一教会とどっぷり」と発言しています。
今思えば、この対抗馬というのは、参院選東京選挙区で当選した生稲議員を指していたことになります。小池知事一押しの荒木候補が落選したことへの意趣返しのつもりなのでしょう、「私は関係ございません。自民党さんこそお気をつけ遊ばせ」とイヤミを言っているように聞こえます。
(ただし、生稲氏は当選6人中5位、荒木氏は10位ですから、統一教会絡みの発言は的外れの八つ当たりにすぎません。)
小池知事の都議会における支持基盤は明らかに弱体化しています。1年前の都議選で大敗は免れたものの、小池与党の都民ファーストの会は議席を減らして第二党へ陥落。その後、無免許運転7回でも居座り続けた都ファの木下都議問題が世間を騒がせ、参院選では愛弟子の荒木氏を国会に送り出す夢を絶たれました。
先日、品川区長選に出馬表明した森沢都議は今でこそ一人会派ですが元都ファ、実質・小池シンパです。こうして櫛の歯が一本一本欠けるように、都ファから議員が去って行っているのが現状なのです。
そこに降って湧いた統一教会問題。小池知事にしてみれば「しめたっ!」と思ったに違いありません。形勢逆転のチャンス。統一教会をネタにしてあからさまに都議会自民党を攻撃しなくても、相手の弱みを何らかの形で握って水面下での交渉材料に利用することなど、小池知事にとっては朝飯前ですから。
もしかしたら都ファと公明党を動かして、9月の令和4年第三回都議会定例会で「統一教会との関係根絶・議員決議」なんてことを派手にぶち上げたりして(もちろん、冗談です)。
とにかく、2期目の残任期が2年を切った小池知事が、統一教会問題をテコに自民党の「敵失」を利用して政治的立ち位置の維持・再強化に邁進することだけは確かです。
小池知事が目指すはの2年後の東京都知事選挙。その時、都議会自民党との関係はどうなっているのか。8月1日に都議会自民党の新幹事長に就任した三宅都議は、小池知事との関係について是是非非の態度を崩していません。しかしこれらの2年間、まだまだ一波乱も二波乱もありそうな気配です。9月開催の都議会はその前哨戦に過ぎないのです。