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【住宅購入基礎講座】 持ち家からの住み替えってどうするの??

「以前マンションを購入したけど、手狭になったから戸建に住み替えしたい」
「以前戸建を買ったけど学校区を変えたくて住み替えをしたい」

今回はそんな「住み替え」をする時に具体的にどう動けばよいかという視点で、
「住み替え」の流れを説明します。

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売るのが先か、買うのが先か

「今の家を売ってから次の家を探した方が良いのか」
「次の家を見つけてから今の家を売った方が良いのか」

住み替えのケースはこの質問が一番多いです。

結論は「売るのが先」です。但し、状況によって答えが変わることもあります。

売却と購入の流れ

新たに土地・建物を購入する場合、購入時の流れはこのようなイメージです。

土地と建物の比率.008

【住宅購入基礎講座】 住宅購入時のお金の流れ
https://note.com/tochitateokane/n/na5ea1f54e011

次の家(土地・建物)を契約する時は
 ①契約日
 ②決済日(引渡日)
を決めます。要は「はじめ」と「おわり」の期日を設定するということです。

この際、土地の決済日は通常契約日から1ヶ月〜2ヶ月くらいで設定されます。

土地と建物の比率.017

◆ケーススタディ

仮に4月1日に次の土地・建物を契約したとすると、
土地の引渡しは「5月15日」くらいに設定されます。

土地を2000万円、手付金を100万円とすると、
5月15日に1900万円+土地諸費用を支払うという流れです。

よって、5月15日に土地残代金を支払うために住宅ローンを使います。

一般的に住宅ローンは2つ組むことはできません。

理由は2つあります。
①住宅ローン→家族が住む為に組むローン→住宅が2つあるのはおかしい
②収入に対して、組むことのできるローン限度があるので、借入額が伸びない

②は以前の記事を参照ください↓

【住宅購入基礎講座】 私はいくらまでローン通るの??
https://note.com/tochitateokane/n/nd4b60c93d7ec

よって、上記の場合だと、5月15日までに現在の持ち家のローンを完済する必要があるのです(後述しますが、ケースによっては建物決済までに完済という条件が付く場合もあります)。

完済しようと思うと、5月15日までに
 ①次の買主を見つけて、引き渡しまで終える必要がある
 ②業者に買い取ってもらう
という手続きが必要です。

ここで、売却方法を整理してみます。

土地と建物の比率.015

3つの売却方法

自宅の売却は大きく3つに分けられます↓

①仲介(エンド客(次の買主)を見つける)
②買取保証(仲介→買取)
③一発業者買取

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①仲介してエンド客(次の買主)を見つける
不動産屋さんに行き、訪問査定→媒介契約→SUUMO掲載という流れで次の買主さんを見つけていきます。
①〜③の中では一番高い金額で売却できますが、「売却時期が読めない」「売れたら自分たちは仮住まいしないといけない」という注意点もあります。

②買取保証(仲介→買取)
これは①の延長で、土地決済までに買主が見つからない場合、業者が買取をするという手法です。
高い金額で売却を狙いつつ、決まらなかった時は業者買い取ってくれるので、先に物件を購入する場合は時期のトラブルにならないですが、買取になると売却金額が大きく下がってしまう注意点もあります(ざっくりイメージだと仲介の7割の金額)。

③一発業者買取
SUUMOなどのポータルサイトに出さず、直接買取業者が買取します。
直接買取なので、仲介手数料がかからない場合が多い+周りに知られずに売却できる+時期のトラブルにならないです。①に比べると売却金額は下がりますが、②よりは高くなる傾向です(一度市場に出た物件の買取価格は安くなる為)。時期が明確になる為、住み替えでは有効な手法です。

土地と建物の比率.016

◆ケーススタディ

仮に現在のマンションの残債を3000万円、売却査定が3500万円とすると

 ①仲介の場合   →3500万円
 ②仲介→買取保証 →2600万円
 ③一発買取    →3000万円

ざっくりこのようなイメージです。そこから引かれる諸経費関係は
 ・仲介手数料((成約価格の3%+6万円)+消費税)
 ・収入印紙代
 ・登記費用
 ・(ハウスクリーニング費用)
 ・(故障器具の修理)
となります。

大事なのは「いくらで売れるか」ではなく「いくらの手残りになるか」なので、
手残り金額を計算してみます。

①仲介の場合
 3500万円-(仲介手数料122万円+収入印紙1万円+登記費用7万円)≒3370万円

②仲介→買取保証の場合
 2600万円-(収入印紙1万円+登記費用7万円)≒2590万円

③一発買取の場合
 3000万円-(収入印紙1万円+登記費用7万円)≒2990万円

となり、①仲介>③一発買取>②仲介→買取保証の順番で高い手残りになります。
②③の買取になると、買取業者が直接取り引きするので、仲介手数料は発生しません。但し、②は取引態様によっては仲介手数料をとられる場合も場合もあるのでご注意ください。

売却してもローンが残ってしまう場合はどうするの?

残債と相殺してローンが残ってしまう場合は、
 「現金で残債を返済する」
 「次の家と併せて残債分のローンを組む」
という方法になります。

よって、「②買取保証」「③一発買取」の計画で
「現金で残債を消せない」「次の家と二重にローンを組めない」場合は、
必然的に「①仲介」で先に売却をせざるを得ない
ということになります。

例えば先程のケーススタディでは、残債が3000万円だった為
 ①仲介での手残り →3370万円 →現金が残る
 ②仲介→買取保証での手残り →2590万円 →約400万円の追い金が必要
 ③一発買取での手残り →2990万円 →残債と相殺できる
となり、「①仲介」「③一発買取」では次の家の計画ができますが、
「②買取保証」の場合は追い金が発生する為、この追い金を処理しないと次の家の計画ができないということです。

追い金が発生してしまうがその処理を自己資金で対応できない場合は
 ・残債が減るのを待つ
 ・一時的に親御さんなどに借りる
などの方法での対応になります。

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仮住まいしたくないんです

購入活動よりも売却活動を先にすることを、業界では「売り先行」と呼ぶのですが、先の通り次に進もうと思うと「売り先行」が一般的です。

一番高く売れる「仲介」で次の相手が見つかると、自分たちは仮住まいをしなければなりません。

でも
 「子供のことがあるから仮住まいはしにくい」
 「引っ越しを短期間で行うのは大変」
なので、何とかなりませんかという相談が非常に多いです。

結論でいうと、それならば
 ②仲介→買取保証
 ③一発買取
という選択肢を使って、購入と売却を同時に行っていくしかありません。

その場合、どうしても仲介よりは査定が下がってしまう為、
「2回の引越費用+自分たちの時間的・精神的苦労をかける」よりも「買取の方が楽なのか」ということを天秤にかけて考えなければなりません。

無論、仲介で高く売れるかつ現居の引渡し時期が新居の引渡し時期と同時にできれば一番ハッピーです。
でも未来のことは誰も読めない、この流れを知らずに先に物件を買って現居が売れ残ってしまうと大きく計画が変わってしまう為、事前にリスク管理をしておかなければならないのです。

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高く現居を売却しつつ買い先行ができるケース

今までは主に3つの売却活動をしながら次の土地・建物を購入する話をしましたが、場合によっては先に土地・建物を購入し、引っ越した後にゆっくり高く売却活動できるケースもあります。

それは
 ①現居のローンが無い、もしくは殆ど無い
 ②ローンがあるけど高収入世帯

という条件です。

次の土地・建物を購入する場合、殆どの人が融資を使って購入しますが、現居にローンがなければ問題ないですし、もしローンがあっても銀行のローン審査が通れば良いということです。

その為に銀行の信用を得ることができる「高収入世帯」ならばこの流れでも進めることができるケースがあるということです。「高収入」の定義は個人の属性やローン残債、売却査定金額によって変わってくるので、一度営業担当に聞いてみましょう。

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売却に向けて動くにはどうすれば良い?

このように、次の新居の土地・建物の話ばかりしていても、足元の計画が固まっていないと、後で大きく計画を修正しないといけない事態になります。

住み替えの場合はまず自分たちの家がいくらで売れるのかを調べましょう。

その場合は
 ①近くの不動産屋さんに聞く
 ②新居で相談するハウスメーカー・工務店に聞く
 ③一括査定サイトを利用する

という方法があります。

方法はどれでも良いですが、注意点は3つ↓
 ①仲介の査定はなるべく大手にした方が良い
 ②買取は仲介ではなく、業者直接取り引きにする
 ③一括査定サイトは電話がバンバンかかってくる

です。

①は大手の不動産屋さんの方が
 ・査定実績が多く、根拠がある説明+金額を提示してくれる
 ・もし仲介をお願いする場合、顧客が多い
 ・広告活動に力を入れているのでお客様を見つけやすい
 ・真面目な人が多い
という傾向があるからです(勿論小さな不動産屋さんも丁寧な人は沢山います)。

②は買取になった時に仲介手数料を払わなくて良いように、自社で買取をしているところに聞く方が出ていくお金が少なくなるからです。

③はイエウールなどのサイトです。一度に複数の会社から査定を申し込める分、同じ話を何回もする必要があります。戸建の場合は金額が読みにくいですが、マンションの場合は相場が決まっている為、4社5社に聞いても結果は同じです(成約事例から査定していく為)。


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最後に

以上、住み替えの場合の売却と購入の流れについて説明しました。

売るのが先か、買うのが先か、色々悩まれると思います。

経験的には、次の土地・建物をお願いするハウスメーカー・工務店の営業に聞くのがやりやすいと思います。
理由は
 ・売却〜購入までワンストップで話ができる
 ・事情を分かった上で住宅ローン審査や申込を全て任せることができる
 ・売却と購入を分けると、それぞれの担当者が良いことばかり言うことがある
からです。
住み替えの場合は売却と購入を同時に考えて進めていく分、高難度でトラブルになりやすいので、上記流れに詳しい担当者に聞くのが良いです。

あなたの家さがしがうまくいきますように!!

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