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【住宅購入基礎講座】 家を買うときの土地と建物のバランスは??

土地と建物のお金の割合

新しく家を購入する時は
新築住宅を購入する=【土地】【建物】の2つを購入することになります。

探しているエリア・土地の大きさによって【土地価格】が変わり、
建てるハウスメーカー・工務店や大きさ・設備によって【建物価格】が変わります。

でも予算は必ず上限があります。
 ・月々の支払いを○○万円におさめたい
 ・借入できるローンの上限が○○万円

だから、漠然とハウスメーカー・工務店に行くのではなく、まずはこの考え方をしっかり身につけて、自分たちの予算割合の方向性を考えるきっかけになればと思います。

土地と建物の比率.001

土地価格=土地坪単価×坪数
建物価格=建物坪単価×坪数+オプション

例えば予算4500万円の場合、
 ①大手ハウスメーカー:建物3500万円
 ②中堅ハウスメーカー:建物2100万円
 ③建売系の工務店  :建物1600万円
とすると、土地代に充てられる金額は
 ①大手ハウスメーカー:土地1000万円
 ②中堅ハウスメーカー:土地2400万円
 ③建売系の工務店  :土地2900万円
という風に分解することができます(簡略化の為、諸費用は記載しておりません)。

土地と建物の比率.002

法定耐用年数・減価償却

土地+建物を購入する中で大事な考え方は「建物」は消耗品であること。
なので、土地は非課税ですが、建物には消費税がかかります。
(消費税=消費に対して課される租税)

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出典:不動産ユニバーシティ
https://fudousan-onepercent.com/kanrichintai/wooden_taiyounensuu.html

日本の制度では住宅の構造によって法定耐用年数が異なり、
 ①木造:22年
 ②軽量鉄骨造:19年・27年
 ③重量鉄骨造:34年
 ④鉄筋コンクリート造:47年
と定められています。

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出典:平成30年 住宅・土地統計調査 総務省統計局
https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2018/pdf/g_gaiyou.pdf

一戸建て住宅では木造住宅が9割以上を占めています。
よって、現行制度では20年少しで家の価値がほぼ0となります。

私は仲介業として中古戸建の査定もしていましたが、築20年を超えるとほぼ土地のみの評価となります。
大手ハウスメーカーでは「スムストック査定」もありますが、「築20年の大手ハウスメーカーの家」と「新築でローコストの注文住宅」を比べると、同じ値段だと後者を選ぶ世帯の方が個人的には多い印象です。

どれだけこだわった家でも、将来もし売却となれば、次の買い手さんは中古戸建というカテゴリーから「値段」「駅距離」「土地の大きさ」「家の大きさ・間取り」を重要視します。【新築した人の家づくりの想い】は次の買い手さんには伝わりにくいということも理解しないといけません。

土地としての資産価値

家を売るために新築住宅を買うわけではありませんが、高い買い物になる分、将来の出口を見据えておくこと(出口戦略を意識すること)はとても重要だと思います。

私はファイナンシャルプランナーとして、家計の相談に乗ることも多いですが、その際に大事なのがバランスシート(貸借対照表)です。
バランスシートは企業の財務諸表の1つとして使われるのが一般的である、「資産」と「負債」のバランスを見るものです。

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出典:家計学んでお得
https://style.nikkei.com/article/DGXDZO64363040Q3A221C1W04001/

土地+建物を購入すると「負債」のところに「住宅ローン」がきて、「資産」のところに「土地」「建物」がきます。但し、先の説明で「建物」は徐々に価値が減っていくので、このバランスシートを良くしようと思うと、ある程度土地の価値を多めに見て計画する方が良いと思います。

土地の価値が高いと、「駅から近い」「土地の形が良い」「まわりの環境が良い」など好条件の土地で暮らすことができることに繋がります。

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ライフスタイルの可変性

家探しをされている方は
「今は二人だけど将来家族が増える予定」
「子供が生まれて手狭になってきた」
「小学校への入学を機に家が欲しい」
など、これからの家族の状況を考えて購入を検討されている人が多いと思います。

但し、人は時と共に成長し、ライフスタイルも変わってきます
「子供が出ていって2人暮らしに戻るので駅近のマンションに引っ越す」
「転勤・転職をすることになり引っ越す」
「親の家が空いたので、そっちで建て替えを考えようと思う」
など、ライフスタイルの変化と共に住居が変わる可能性があります。
その時に「需要が無くて売るのが難しい」となると結局は値段を下げながら売却しなければなりません。

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人生は変数の重なりでできている為、将来を予想することはできないと思います。終身雇用の崩壊、働き方の変化など時代は常に動いています。
だからこそ、時代の流れにフレキシブルに対応できるような家探しをしてはいかがでしょうか?

でも夢も大事!!

ただ、損得勘定だけではない「夢」の要素も家には重要です。
「こんな間取りが良い」
「耐震・断熱・保証はしっかりしたところが良い」
「こういうデザインの家を建てたい」
大きなお金をかけるので、「夢」「家族と快適に過ごすステージ」「天災地変からしっかり守る為の箱」という考え方もぜひ大切にして欲しいです。

大手ハウスメーカーだと建物は安心だけど、土地が不便になる。
安い建売住宅だと予算は抑えられるけど、住みながらのメンテナンスや保証が不安。
個人的には限られた予算の中で最大限のパフォーマンスを求めるならば、上述の②中堅ハウスメーカーで土地・建物を見つけていくのが良いのかなぁと考えています。

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人生は家だけではなく、教育・老後などの大きな出費も控えています。
大事なお金をどこにどこまで投資するかを是非この機会に考えてみましょう!

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