10Xへの転職 - Let curiosity be your compass. It remains Day 1.
2021年最終日、今年を振り返って
大きな話からはじめると、僕に限らず世界中の人の生活に影響を与えたコロナ渦での生活だったと思う。
これを書いている2021年の大晦日次点では少し落ち着いているようにみえるが、ヨーロッパでは1日に何十万人も感染者が報告されていて、医療機関も逼迫している。まだまだ2020年以前のの日常に戻るには時間もかかりそうだ。
改めて人間の適応能力って本当にすごいなと思うのが、コロナ前は絶対に成立しないと思っていたリモートワークが既に多くの企業で当たり前になり、まだまだEC化率が諸外国と比べると著しく低い日本ですらネットでお買い物することも浸透してきた。
これまでの”Offline”の日常に、徐々に”Online”の日常が入ってきて、僕が今身をおいているe-commerceの特に購入頻度が高い商材の業界はPlay groundががらっと変わったと思う。
個人的な話をすると、周りの環境の変化に伴い僕自身の環境にも大きな変化があったのが2021年だった。
その中でとりわけ大きな変化がスタートアップへの転職。
Noteにはできるだけお仕事の役にたちそうな内容をまとめようと思っていたが、年末の大晦日くらい”年忘れ”ということで軽い話も思い出しながら、来年に向けてスイッチを切り替えていこうと思う。
今日はどういう経緯で10Xに転職することとなったのかについて。
なぜ10Xへ?
Why 10Xというのはよく聞かれるが、3つの偶然が重なった:
①Amazonで4年経ち、そろそろ転職活動かなと思っていたタイミング
②戦略ファームのときの先輩とブリリアントなサービスを考えついたタイミング
③弊社のCFOがLinkedinで声をかけてくれたタイミング
恐らく、このうちの一つでもかけていたら10Xにはいなかったと思う。
以前に”エッジを立たせたキャリアの積み方”にも書いたが、僕にとって数年後にこうしていたいという明確な絵姿はなかった。
なので、今の自分があるのは周りの方々とのご縁の積み重ねだと思っているし、自分にとってスタートアップへの転職は”タイミングが全て”で、以下の3つのタイミングによって導かれていたと思う。
タイミング①:そろそろ転職活動だろうな
Amazonに入社して4年経ち、入社当時に付与されていた自社株の権利が全てもらえたタイミングだった。
GAFAなどのBig techの多くの会社ではIncentiveの構成の大きな部分がRSU(Restricted Stock Option)という名の自社株で占められる。入社時にまとまって自社の株がRSUとしてxx株付与されるのだが、それを大体4年かけて行使する権利が得られるのだ。(例えば100株もらっているとすると、1st yr: 10, 2nd yr: 10, 3rd yr: 40, 4th yr: 40で付与されるイメージ)
もちろん、4年後も会社に残ってもらうIncentiveを与えるために、5年目のRSU、6年目のRSUと付与してくれるわけだが、多くの社員にとって4年目というのは気持ち的に大きな節目になっているとは思う。
ヘッドハンターの皆様もそれをよくご存知なので、この時期が近づくと、Linkedinなどでお声がけをいただけると聞く。
特にコロナ渦の中でフードデリバリーやQuick Commerce系が凄まじい勢いで上陸&ビジネスを拡大していたので、いくつかお声がけいただいていた。
そこに行きたいという気持ちよりも、コロナによる消費行動の変化という市場の変化を捕まえようとする各プレイヤーのモーメンタムを逃したくないという気持ちの焦りは毎月毎月高まっていたと記憶している。
また、個人的にも自分でサービスをつくってみたいという思いは強かった。
AmazonのCoreの消費財事業部は日本において10年以上、比較的若いAmazon Freshもそれでも4年以上やっているビジネスだ。外に出て改めて思うが、Productもベンダーとの関係性も、そもそものカスタマーのトラフィックも、しっかり出来上がっているビジネスだった。
これらの恩恵なしに、どこまで自分でサービスをつくっていけるのか試してみたかった。
タイミング②:ブリリアントなサービスを考えついちゃった
僕がパワポや構造化の師匠のように勝手に慕ってるコンサルのときのめちゃくちゃ優秀な先輩がいて、彼とは以前から他のコンサルファームから業務委託を受け一緒にお仕事をさせてもらったりしている。
ある時カラオケボックスでこの先輩と「なんか新しいサービスできないかね」と話していたところ、レシピの提案サイトをつくって、主婦のペインを解決し、その先にECをつくってしまおうという、めちゃくちゃユニークでブリリアントなアイデアに辿り着いた。
正直このアイデアが出たときは、二人でカラオケボックスで勝ったと思った。
その日帰って早速競合を調べるために”献立x 提案 x アプリ”とかのキーワードでググると1ページ目にTech crunchの弊社の15億円調達の記事がでてきて、タベリーというレシピの提案サービスからピボットしてネットスーパーの垂直立ち上げのプロダクトをだした”じゅうかける??”というベンチャーがあるのを知った。
これにはめちゃくちゃがっかりして、ウェブサイトをさっと見て、そっ閉じしたものだ。
このやり取りがたしか2021年8月の最初の週だったと記憶している。
タイミング③:弊社のCFOがLinkedinでたまたま声をかけてくれた
丁度その月の中旬に夏休みをいただき転職活動の面談を受けてようとしていた時期だったか、8/16の朝7:41にLinkedinに上で先日みつけた”じゅうかける??”という会社のCFOの方から連絡があり、正直めちゃくちゃびっくりしたのを覚えている。
なんで僕が転職活動をしていたのがわかったのかも気になったし、なによりも2週間前にレシピの提案というアイデアを思いついたのがどこからかばれたのだろうかと、ドキドキした。
正直に言うと、この時にはベンチャーに行く気はゼロだった。
でも、本当にカラオケボックス件が悔しかったので、是非お話して背景をお伺いしてみようと思いカジュアルチャットを設定させてもらい、翌日8/17にお話したのが10Xとのファーストコンタクトだった。
背中をおしてくれたこと
このような経緯で10Xに出会うことができた。
一番クリティカルなタイミングをくれたCFOには本当に感謝しているし、彼と初めて喋った時に直感的に一緒に働きたいなと思えたことは、最近毎日のように議論しているが間違っていなかったと思う。
なにより、今の会社のCEOと引き合わせてくれたことは、感謝してもしきれない。
上記の3つのタイミングが合ったからとて、組織が魅力的でなければAmazonを辞める決め手にはなっていなかったと思う。
背中をおしてくれた一番の要因は、10XのCEOの矢本の「心から彼のVisionに賛同できるし、何より自分の持っている経験やスキルの全てを投じて一緒にそのVisionを達成したい」と思わせるカリスマ性だと思う。
彼の醸し出す人柄や、Productやカスタマーに対する淀みのない真摯な姿勢も一緒に仕事をしていきたいと思わせる要素なのだが、なによりも、僕がこれまで積み上げてきたスキルや経験をドンピシャに活かせるような土俵を用意してくれたこと(別に僕のためにやったわけではないが)に、感謝してもしきれない。
そのような経営者のもとだからこそ、お互いが背中を合わせて闘っていきたいと思える仲間が集っているのだと思う。
普段言葉にして伝える機会も少ないが、ちゃんと伝えておこうと思う。
「矢本さんありがとうございます。来年も鼻血が出るほどエキサイティングなチャレンジをしていきましょう」
今年2月2日に全Amazonianが受け取ったJeff Bezosの手紙のClosingが、自分にとって新しいチャレンジの後押しをしてくれていると思えた2021年の大晦日でした。
“Keep inventing, and don’t despair when at first the idea looks crazy. Remember to wander. Let curiosity be your compass. It remains Day 1.” - Jeff Bezos -