スズキエブリイのトレーラーけん引「３０２登録」、ワゴンとバンの違い

軽自動車でトレーラーをけん引する場合、車検証には、「３０２登録」か「型式追加」のどちらかの記載が必要です。
①３０２登録～牽引車側の車検証にけん引可能なトレーラーの車両総重量を記載する方法。
普通自動車の場合は、９５０登録と言いますが、軽自動車の場合は、３０２登録と言います。

②（型式追加）（従来方式）～被牽引車（トレーラー）の車検証に牽引車の型式や車台番号を記載するか又は牽引車の車検証に被牽引車（トレーラー）の型式や車台番号を記載する方法

ここでは、特に「３０２登録」について説明したいと思います。

【型式追加】従来方式は、けん引する車両が１台で固定されていればいいのですが、一台のトレーラーを何人かで共有し、それぞれの車両でけん引する場合、トレーラーの車検証には、けん引するであろうすべての車両の型式を登録しておく必要がありました。

しかし、平成１６年の規制緩和により、けん引できるトレーラーの重量の範囲を、けん引車両側（エンジンの付いた自動車側）の車検証に登録することにより、登録の重量の範囲内であれば、誰の物でも、どのようなトレーラーでもけん引できるようになりました。

この登録を「３０２登録」（けん引可能な車両総重量の記載、読み方はサンマルニトウロク）ともいいます。

「３０２登録」は、どんなにけん引能力がある車でも、「慣性ブレーキ付きのトレーラー」で１,９９０Kg、「慣性ブレーキ無しのトレーラー」で７５０Kｇの数値が最大値になります。数値はそれぞれの牽引車の能力により減少します。

「３０２登録」と「型式追加」、どちらの登録も自動車の車検の有効期間に関係なく、いつでも可能です。（記載変更）

「３０２登録」をしておくと、友人のトレーラーを借りて、けん引することもできますし、キャンピングトレーラーのレンタルなどを利用することもできます。

申請に必要な書類について

「３０２登録」をするには、ナンバープレートの管轄の軽自動車検査協会に下記の書類を提出します。

　１　申請書（軽第２号様式、軽第６号様式）
　２　車検証
　３　牽引可能なキャンピングトレーラ等の車両総重量の計算書
　４　諸元表の内容についての資料

「牽引可能なキャンピングトレーラ等の車両総重量の計算書」は車検証と諸元表の数値を基に、自分で計算し作成する必要があります。

スズキエブリイワゴンの牽引可能なトレーラー

スズキエブリイワゴンの具体例です。
初度検査年月：令和４年７月
型式：３BAーDA１７W
車両重量：１０２０ｋｇ
車両総重量：１２４０ｋｇ
駐車ブレーキ：手動式
駆動方式：４ＷＤ
制動停止距離：５８ｍ
初速：１００ｋｍ/ｈ
最高出力：４７ｋｗ
駐車ブレーキ制動力：２７７０Ｎ
駐車ブレーキ操作力：２８０Ｎ

上記のデータで計算しますと、
「主ブレーキありで１９９０ｋｇ、主ブレーキなしで５１０ｋｇの車両総重量のトレーラーが牽引可能」との結果になります。

慣性ブレーキが付いていないトレーラーでも、車両総重量が５１０ｋｇまでのトレーラーをけんいんできるのであれば、十分使い物になります。

スズキエブリイバンの牽引可能なトレーラー

スズキエブリイバンの具体例です。
初度検査年月：平成２８年７月
型式：EBDーDA１７V
車両重量：９３０ｋｇ
車両総重量：１３９０ｋｇ
駐車ブレーキ：手動式
駆動方式：４ＷＤ
制動停止距離：４８ｍ
初速：８０ｋｍ/ｈ
最高出力：４７ｋｗ
駐車ブレーキ制動力：２６４０Ｎ
駐車ブレーキ操作力：２３０Ｎ

上記のデータで計算しますと、
「主ブレーキありで９００ｋｇ、主ブレーキなしで１２０ｋｇの車両総重量のトレーラーが牽引可能」との結果になります。

慣性ブレーキの付いていないトレーラーで、１２０ｋｇまでのトレーラーしか牽引できないのであれば、使い物になりません。トレーラー自体の車両重量でも１００ｋｇ近くありますので、荷物を載せることができません。

ワゴンとバンでこれだけの違いがでるのは、制動停止距離と初速の違いのためです。

バン（貨物車）でトレーラーを牽引したいのであれば、「３０２登録」ではなく、「型式追加」をしましょう。

「型式追加」は牽引車とトレーラーの組合せが固定されてしまいますが、決まったトレーラーしか牽引しないというのであれば、十分です。

上記のエブリイバンの場合でも、トレーラーの初度検査年月が平成１１年７月以降であれば、車両総重量４６５ｋｇ以下のトレーラーが牽引可能になります。（この数値はエブリイバンの車両重量の２分の１の数値です）

「型式追加」について詳しく知りたい方は、下記のホームページを参照願います。

▶トレーラーの車検証に牽引車の【型式追加】、様式ダウンロード - 自動車・ボート手続代行サービス

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