見出し画像

ZINE FEST 東京レポ

1月11日、早朝。新幹線の中で寝ようと思っていたのに、どうにも眠れない。京都から名古屋まで雪景色が続いていて、無事に新幹線が走っていることにホッとする。ワクワクするのと同時にソワソワ。色々なことを考えていたら、美しい富士山がドンっと現れて「大丈夫大丈夫」と言った。

そのタイミングで、つるちゃんからLINE。「お昼ご飯に祖父の梅ぼしでおむすび結んでいくので、とき子さんの分もお持ちしていいですか〜?」富士山の三角と、つるちゃんのおむすびの三角が重なる。おむすびを結ぶってなんて素敵な言葉なんだろう。しみじみと幸せの三角。

さらにそのタイミングでMarmaladeさんからLINE。「今新幹線かしら?ちょうど、切符を買っていたら新幹線が通過してて」 今ね、ちょうどキレイな富士山見たとこです!と写真を送る。通過した新幹線、きっと私が乗ったやつ!

これぞ富士山
誕生日の母におめでとうを添えて送る
つるちゃんの三角おむすび
発酵玄米とおじいちゃんの梅干し
ふりかけのひろし
すっごく美味しい!

浅草到着。浅草って20年以上来てないわ、とはしゃぐ。生のスカイツリーを初めて見た。すごく天気が良くてまっすぐのびのびしているスカイツリーは、ジャックと豆の木みたいじゃない?金の卵をとって帰れるかしら、なんてつい今日に期待をしてしまう。ダメ、落ち着くのよ、と自分に言いきかせる。

ZINE FEST東京の会場に着くと、お隣のよさくさんがすでに設営を終わらせていた。すごく可愛い。私たちも早く終わらせようねと作業を進める。つるちゃんとの出店、回を重ねるごとに設営が早くなってる。今回もスムーズ。

商品が多い私たち

さて!!
前ふりが日記調なのは、別のサイトでこの日々を日記として綴っているからです。
こちらでは淡々と、かつ新鮮なうちにfestから実家の日々を振り返ってます。ええと、noteの文章より好きな文章が書けたりしちゃうから困る。いや困るというか、承認欲求強めの人間だからだろう、こっちもあっちも読んで欲しいと思っちゃう、お暇があればぜひ!


で、日記にはあまり綴らなかったZINE FESTについてです。

まず、最初の印象は、机がデカかった。広々と商品が置けるのと、奥行きがあるのでお客さんとの距離が少しだけ離れている。この距離感が絶妙で心地良い。私の緊張や意気込みがダイレクトに伝わり過ぎないのがありがたし。

前回の文フリで、散々反省したのは、セルフプロデュース力であった。とにかく己の商品についての説明がうまく出来ないのは欠点でしかない。お客さんにnoterさんが多いのを良いことに甘え過ぎていた。ある程度noterさんが購入してくださった既刊本については、頭打ちになっているのが現状だ。
つるちゃんに「自分の本じゃないと思って売ったらいいと思います」と教えてもらったので、「私は営業。推してる作家を売りに来ました」という自己催眠をかけることにする。
前回、つるちゃんの本がnoterさんじゃない本好きガチ勢にどんどん売れていて、自分もそれに乗っかろうとして、しゃしゃった挙句なんの説明も出来ず勝手に撃沈したあの日を生かしてこそ、zineファイターというものである。

意気込み十分の中、ふわふわと漂うお客さんに声をかけていく。
ところがだ。
あれ…?文フリと客層が違う?
となったのは割とすぐの段階だった。
本をパラパラとめくるお客さんに「普段エッセイをよく読まれるんですか?」と声をかける。
意外にも「いやー、普段全然本、読まないんすー」とあっさり答えてくれる方が多い。
私も途端にリラックスしてしまう。

「普段読まないのであれば、逆に読みやすいと思いますよ。サッと読めて笑えるラインナップになってます。ちなみに、このエッセイ私設のコンテストなんですけどね、グランプリ取ってるから共感できる人が多いんだと思います!(ドヤ!)」
もうね、何年前のなんのグランプリか覚えてる人おらんやろ、という、街角で見かけるボロボロになったコロッケグランプリとかの旗を思い出しながら畳み掛けてみる。
内心、ハラハラである。本を読まない人に響くのか。本当にお勧めできるのか。
それなのに。
「あ、すごいですね、じゃあ買おうかな」
とあっさり言ってくださる方がチラホラ。
なんなら、熱く語れば語るほど買ってくれる。
もちろん買わない人もいるのだが、こちらが熱く語っていたせいだろうか。微笑みを浮かべて「あ、えと、ありがとうございます。後でまた来ます」と定型文ではあるけれども、にこやかに去ってくれるのだ。「いいえ、こちらこそ話を聞いてくれてありがとうございます」と心からお礼を言える心境になれた。

これはあくまで私の印象だけど、文フリは文章が好きで、自分も書いている人がお客さんであることが多い。真剣勝負が繰り広げられている。
「買うからには面白いものを」という真剣さがプレッシャーを強めに感じてしまうのだろう。私の受け取り方の問題でもあるので、今後このプレッシャーをいかにスルーできるかは課題だわ、と思いつつ、ZINE  FESTの気楽な会話は、私にはとても相性が良かった。

ジャケ買いも多い印象だ。
鶫さんの描いたカバの絵、ツーベンリッヒに食いつくお客さん。
「この絵が先に生まれて、それを見て物語を書いてるんです」と伝えたら、「ファンタジーですか?」と目を煌めかせてくれる人がいた。
KaoRuさんの描いた絵の栞を指さして「かわいい」と笑うお客さんには「このハンバーグは、家事マウントをとってくる夫との大黒柱論争をエッセイにしてます」と伝えてみる。
玉三郎さんの栞を出して「私、すごく象が好きなんです、そしたら、象を描いてくれる方がいて、それを物語にしたんです」
なんなら、話より絵が欲しい感じの人も多い。
つるちゃんと、「鶫さんの画集を持ってきたら良かったのでは!?」と盛り上がった。


ちなみに、私のエッセイは、どうしても一言で説明がうまく伝えられない。コンセプトをあやふやにしたまま進めてしまっているからだ。
お隣のよさくさんが、ものすごくキャッチーな言葉をかけている。
「喫茶店の常連になるまでの日記です」
「常連ってどのくらいで常連って言えるのかなって思って書いたんです」
「こっちは初めて東北に転勤した時のエッセイです」
歩いている人が次々足を止める。「私も喫茶店好きなんです」とか「お砂糖とミルクを聞かれなくなったら常連かなって」ふふふと笑い合う声が漏れ聞こえる。
ああ!めちゃくちゃ素敵!テーマがグッとくる上、お値段もお安いので、飛ぶように売れている印象。
先に買っておいて良かったと思いながら、心のメモを忙しなく取る。テーマはとても大事!

つるちゃんも、テーマがしっかりしている。4冊の説明を流れるようにしていく。つるちゃんが伝え忘れている「日本自費出版文化賞」をどうしても言いたくて、横から声をかけるのだけれど、毎回この賞に噛み倒してしまう。なんかもっとわかりやすい略語ないだろうか。Mー1的なやつ。
この賞に関しては、文フリの方が掴みが良い印象だった。噛んでいる私たちをよそに、ポストカードやら表紙に見入っている人が多い。
もしかするとつるちゃんは、文フリの方が相性がいいのかもしれないと思った。おしゃべりを楽しむより、面白い本を手に入れたいと望む人はペラペラめくった時点で購入を考えるのかもしれない。
ということは、今後、ZINEにも文フリにも強みがあるユニットつるとき……!とダーティペアを想像して一人で興奮してしまった。昭和の発想すぎてつるちゃん知らないだろうし、ダーティペアに自分をあてはめたのが恥ずかしくて黙っておく。(書いてもうてるやん)


今回は、持っていく冊数を少なめにしたのもあって、ほぼほぼ売れた。私の売上的には大阪文フリと大きな差異はなし。それなのに前回より大幅に気持ちが軽かったのは、反省を少しでも活かせたからだろうか。
なけなしは完売。それ以外も、2、3冊を残すのみで、翌日にも持って行く予定があったので、ジャスト。軽くなった鞄には、いただいたお土産と、買いまくってきたZINEが詰め込まれた。


水戸の写真集は、地元愛が炸裂、
店主と盛り上がりフルカラーで高いけど
購入に踏み切る
ゆかさんの被害総額150万も店で騒ぐ
というか、買った店全部で会話を楽しめたのもzinefestでは印象深い
一部zineで購入したものじゃなく
個人的に持ってきて頂いたものもあり!



そして、ZINEレポ スペシャルサンクス編

今回、なんと鶫さんが応援に来てくれた。
「この絵は、この方が描きました!」「おおお…!」というやり取り。毎回ドヤってしまう私たち。絵から食いついてくれるお客さんがきた時、「あなたとてもラッキーね!!」と言いそうになる。怪しいと思われそうなので言わんかったけど。
心のこりは、白鉛筆さんが来てくれた時に「このあと鶫さんいらっしゃいますよ」と伝え忘れたこと…!!会いたかったですよねぇ!ごめん、白鉛筆さんに会えた興奮が強くて言い忘れてた。やたら白鉛筆さんの在庫を確認する。欲しい。白鉛筆さんの本が欲しい。前に購入したのが2冊。あの時買い占めるんだったなぁと今もずっと悔やんでいる。

ちょうどつるちゃんが不在の時に来てくれたちるさんが、鶫さんをつるちゃんと思い込んで微笑みかけるのを見て「あ、この子つるちゃんじゃないの!」と伝える。いやこの子って!と自分につっこんで笑いが止まらなかったが、ちるさんと鶫さんが「あ、違うのね!」「橘鶫です」「わぁ存じ上げてます」というやり取りしていたので、一人でしばらく脳内ツッコミを楽しむ。大きな虹が出た話を聞く。呼んでくれたのかな、会えてすごく嬉しい。
追記 ちるさんもzine festについて触れてくださってます。ありがとうございます!

おすぬさんが来てくれる。おすぬさんの名前の由来がスヌーピーなのを知っている私は、自分の家にあるスヌーピーのマスコットを「うちではヌーピーって呼んでるの」と主語を忘れて伝えたため、おすぬさんをヌーピー呼ばわりしているみたいになってしまった。つるちゃんと私の商品をごっそり購入していただき、会計の高さに慄いてしまう。
待って、おすぬ様って呼ぶから!と帰る背中に両手を合わせる。
感想まで書いてくださってます、ありがとうございます!

ひだまりさんはアイコンにとても似ていて可愛らしい。アイコンに似ていますね!と声をかけようと一緒に来ているお友達も見たら、どうしてか3人とも似ていた。きょうだい?あれ、違いますよね? 気の合う人たちが集うと似てくるのか、似ている人が集うのか。冬が似合うと思ったのは、全員のコートが可愛かったからかもしれない。
ひだまりさんも感想を書いてくださってます、ありがとうございます!

くまさんもアイコンでわかる!と豪語してしまう。「え、後ろ姿ですよ?」と困惑させる。違うの、本当なの。アイコン何がすごいって、見ている間にその人そのものになる印象。モノクロの落ち着いた佇まいとか、背格好とかしっくりはまって嬉しい。
新すまスパメンバーになったくまさんにエールを送ってしばらくしたら「私ったら忘れてました!」とお土産をいただく。再度エール。

せやま南天さんとpunさんに来ていただいたので、家から持ってきた『クリームイエローの海と春キャベツのある家』にサインをしていただく。
2025.1.11と日付を入れようとする南天さんに「私もうすぐ誕生日なの!日付を誕生日にして欲しい!」と今日じゃない日付を書いてもらう。お誕生日おめでとうの文字まで入れてもらえて、さらにスペシャルな本になった。自慢。

世界で一冊になりました

Marmaladeさんがいた時、ちょうど全然知らない方が、私たちの本をお買い上げくださった。そしたらMarmaladeさんが「絶対損はしないわよ、面白いの。あ、今のうちにサインをもらった方がいいと思うわ」とガンガン話しかける。
その方、私たちのセールストークに押された形で買っていた人なのだが、さらにMarmaladeさんに押されて「あ、じゃあサインを」と言われるがままに本を差し出す。いや、ほんと?いる?知らんやつのサインいる? と散々笑ったが、書かせてもらった。困惑する方にサインを書く経験が出来た。ありがとうございます、手作りのクッキー美味しかったです!

ramさん、ぼんさん、いぬいさんは、イベントごとにお会いできている感があるので、もはや身内扱い。他のお客さんが来ているからと、サッと壁際に行ってしまうものだから「全然私と話してないじゃないですか!」と走って追いかける。
そのくせ、今日帰ってしまうというMarmaladeさんと喋り倒し、「何話してるの?」と3人に聞かれた時、「後でお話しできるから、今Marmaladeさんと喋らせて」などと放置プレイ。ただの失礼なやつになっている。
ZINE FEST後、じっくり数時間大いにおしゃべりすることができたので許して欲しいのと、こんなに気楽に喋っているけど、めちゃくちゃリスペクトしてることだけ忘れないでいただきたい。


他、たくさんの方に来ていただいたのだけど、今回、買い物とZINEお手伝いと、ただただ遊びに行く時間を多くとってしまったため、トータルで1時間以上不在にしてました。お会いできなかった方がいたと聞いて残念!
書きそびれている方がいたら申し訳ないと思いつつ。追記の可能性ありで、ゆるく見守ってくださいませ!
また、今回2日間まるっと東京を楽しんだので、その後のレポも書くかもしれないし書かないかもしれません。ただただ自慢になっちゃうんだもの。
実家レポもある。エッセイにしたいがこれもただの自慢になるやもしれん。ふふふ。

まずはZINE FEST東京レポでした!


いいなと思ったら応援しよう!