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君は77円でどう踊るか
ZOZO TOWNで、77円セールをしていたのをご存知だろうか。
当選した者のみがその商品を手に入れることが出来るシステムだった。
77円。
最近の物価高の影響で、私は野菜の前から動けないでいる。
小松菜が87円だったら買いだ!とか言っていたあの頃が懐かしい。
ユニバのペットボトルの自販機は、なんと300円に。
昨年まで2,000円で購入していたはずのコーヒー120個セットは、Amazonプライムセールでなぜか3,000円になっていた。
かと思えば、納豆が3パック78円、『国産大豆?』とつい首を傾げる。
もう世の中の価格設定についていけない。
ここ最近「たっかい!」と叫びつつけているので、急に安いと疑念を抱いてしまう。
77円で私の情報を買うつもり?(もうとっくに情報登録している)
そう思いつつ、3点ほどZOZOの抽選ボタンを押した。
当たればラッキー、当たらなかったとして、どうしても欲しいわけではないしな。
そんな軽はずみで、後日、どうしても欲しかったわけではない服が、77円で届いた。
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『当選です!』の通知から約3日。
届いた服がこれだ。
77円に踊らされて詳しく内容をチェックしていなかった。
いやこれ、トイレどうするん。
でもほら、作る方だってその辺は折り込み済みのはずだ、きっと伸びる素材に違いない。
…もう、これが、全くもってビタ1㎝も伸縮しない生地だった。
着るのにも脱ぐのにも、肩に関節技がかけられる。
服に護身術を教えられているのだろうか。
「さてはお前五十肩やな?」と思った人、前へ出なさい。
小6の娘でも、肩関節持っていかれてましたがな。
『痴漢、許さない』の動きをする母娘。
ZOZOサイトで涼しい顔で着こなすモデルも、多分護身術レッスンしてる。
77円。これを安いと呼んでいいのだろうか。
ただの一度も着ることなく、箪笥に仕舞い込んだとして、こいつに家賃支払い能力はない。
働かざる者住むべからず。せめてトキメキの魔法をかけてくれないことには、屋根裏(ないけど)にだって住まわせられない。
というわけで。
家賃支払い能力を身につけさせてやろうと思い立つ。
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ゴム伸ばしながらの手縫いなので、粗いのを誤魔化すべく、とてもお気に入りの裁縫箱と共に撮影。
いつぞやの誕生日プレゼントに夫におねだりした。
それまでお菓子の缶だったのだけど、昔母が、レトロな花柄の刺繍があしらわれたスツールに裁縫道具を入れていて、とても憧れていたのだ。
そして、おトイレに行けるパンツ完成!
しかし切ったところで残念ながらポリエステル100%、素材が好みではない。
が、雨の日の自転車通勤での出番が100%になることを確信。
雨の日のお供と思うと、こんな心強いパートナーはいない。完璧に家賃お支払い頂ける子に成長。
問題は、上だ。
このまま捨てるか、家賃支払い能力を試すか…?
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黒ギンガムと悩んだけど、好みの幅のギンガムが見つからず。
そっと添えるお裁縫箱
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アイロンを制する者、裁縫を制する。
母から口酸っぱく教えられてきた。
アイロンをしないのは、すなわち、歯を磨かず寝ることと同意。
あとで痛い目見るとのことです。
アイロン定規の存在は、友人に教えてもらう。
道具を制することもまた、お裁縫を楽しむコツだそう。
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ううむ。
着られるようにはなった。
しかし、この子に家賃支払い能力があるのかはまだ不明だ。
なぜって、素材が好きじゃない。
なにせ、私はおパンティがシルクな女。
価格に煩いが、肌あたりにも煩い女なのである。
追加購入した生地は綿なので、万が一、この子が働かなかったとして、分解して枕カバーにしようと思う。
ちなみに、写真よりもう少し落ち着いたグレーなのだけど、色合いが獏っぽくて好き。
とりあえず、ひと夏おいてみよう。
服 77円
送料 330円
追加生地 624円
手間料 1万円(体感)
……やっぱり着る服は、ちゃんと確認して、すごく気に入って購入するのが1番です。
でも、雨の日パンツを77円で買ったと思えば、それはそれでラッキーなのだろうか。
私には、分からない。
ただひとつ分かることは。
トイレに行きやすいか否かはとても重要。
皆様も、関節技をかけてくる服にはご注意下さい。