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おばあちゃん孝行をした日
こんばんは、とっちょです!
今日は施設にいる100歳の祖母の101歳の2日前祝いということで、施設の祖母の元に行きました。面会メンバーは、わたしの母、母のお姉さん夫婦、わたしの姉、わたしの5人です。
わたしは当時ある心理的なわだかまりがあり、おばあちゃんが施設に行って以来会っていなくて、訪問するのは初めてでした。
今回、自分が離婚に至り、母からおばあちゃんの集まりに行こうよと誘いがあり。
母のお姉さんから結婚のお祝いをいただいていたこともあり、母から直接挨拶したほうがいいと言われ、たしかにそれもそうだなという気持ちもあり、おばあちゃんに対する心理的なわだかまりも10年以上経っていてさっすがにもう無いですし、じゃあ行くかと、母と電車に乗り、家から1時間ほどの駅近の施設に面会に行きました。
去年100歳を迎えたことは知っていましたが、今回の面会は、101歳のお誕生日の2日前の前祝いと着いてからくらいに知りました。
母のお姉さんもその旦那さんもかなり老いてるよと母から聞いていましたが、やはりそれなりになっていました。最後に会ったのはたぶん59歳で亡くなった父の葬儀の時で、同い歳の母が75ですので、その時と比べるとなんとなくぽーっとして、足腰もそこはかとなくよろめいていました。
14時に面会の予約で集合し、姉だけが三十分遅れて着くと連絡があり、わたし、母、母の姉夫妻の4人が先にお部屋に入りました。
祖母は寝たきりでお話もできない感じでしたが、よく見ると、小さく首を縦にこくりとうなずく、首を横に振るというかたちで意思表示をしているのがわかりました。
10年以上会っておらず、最初はわたしのことはわからないようでした。(首を横に振っていました。)
母と、母の姉夫婦は、記念撮影したあとにおばあちゃんにちゃんと話しかけずに、どうせ会話できないといわんばかりに3人で話す感じになっていました。
しかし、母が思い出の写真を何枚か持ってきていて、それを見せると、小さく反応していました。
正確にいうと、母たちは祖母に話しかけてはいましたが、そのわずかな反応までは拾わない感じでした。
なので、わたしが注意深く見て、その写真もっと見たいってとか、代弁して、写真を見る時間を取りました。
ほどなくして姉がやってきました。姉は賑やかな人で、もちろんその場も賑やかになりました。
また記念撮影をして、祖母も姉(祖母にとっては孫娘)の賑やかさにすこし反応、わたしと姉が姉妹だよってなんとなく思い出してくれたようです。
わたしは、祖母が反応しているので、なにかできるかなと思い、昔酔って楽しくなると歌い出してたよねとか思い出して、おばあちゃんの好きな曲はー?と母たちに質問しては、叔母のスマホで曲を聴かせたりしていました。
やはり音楽が好きで、YouTubeで思い出のある曲を流すと、思い出の写真をみた時よりすごく興味がある感じが伝わってきました。
もちろん昔の曲ばかりですが、音楽の力は偉大です。みんな歌詞をわかる人は歌い、わからなくてもリズムに乗ったり笑顔になれます。
そして、おばあちゃんが、ゆっくりと、布団から右手を出しました。
わたしが、そっと自分の右手を差し出すと、右手同士が触れて、挨拶になりました。
わたしはすごい!と思い、みんなにそのソフトタッチ握手を勧めました。
そして、楽しい?うれしい?と問うと小さく、しかし確実にうなずくのです。
笑顔までの表情はありません。笑顔を作る筋力がないのでしょう。口も、なにかしゃべろうとしていますが、言葉を発するまで皆が黙って注目しているわけでもありません。
しかし、うなずく、首を横に振る、そして、手を差し伸べる、興味の対象を見る、それだけでも、寝たきりで会話ができない人のコミュニケーションとしてはかなりイケてると思います。
最後に、ソーラン節の動画を流すと、姉が、それなら踊れると言い出し、ソーラン節を踊ってくれました。祖母は驚いた様子で目を見開き、姉のソーラン節を観ていましたが、まわりは爆笑、わたしも爆笑しながら動画を撮りました。
そして覚醒してらんらんになった祖母に、誕生日のお祝いのお花を近くに持っていって見せると、うれしそうにしていました。
別れ際に、名残惜しそうにしていたので、『ずっといてほしい?』と問いましたら、頷いていました。ちなみに、違う時とかわからないときはうなずかないので、本当にそう思ったのだと思います。
わたし初めて行きましたが、わたしから見たら、みんなおばあちゃんのわずかな心の動きを拾えずにいたので、わたし通訳かよって思うくらい活躍したのではないかと思います。
歳を重ねて筋力が衰えて、笑顔を作ることやお話することさえできなくなられても、楽しんでもらえることはできるのだなと実感して、ちょっと感動しました。
結果的に面会に来た叔母夫婦にもすごく楽しんでもらえましたし、本当に素敵なひとときを過ごせたと思います。
個人的には、今回の祖母とのこのメンバーでの面会も、わたしの結婚、離婚という一連の経験がなければ、実現しなかったことかもしれないとさえ思います。