見出し画像

31歳でがんになった母の記録①長い髪

もう何年も、覚えてないくらいずっと、髪を伸ばし続けていました。
きっかけは20代の頃。
"わたしは献血も、骨髄バンクのドナー登録もできない。でもこの身体、誰かの役に立たないだろうか?"と、ふと思ったんです。
6歳の頃にした心臓の手術で輸血をしたため、献血や骨髄バンクはしたくてもできず。それでもいろいろと調べた結果、髪なら輸血歴があってもOKと知り、
これだ!!!と。
"ヘアドネーション"
目標が見つかってからずっと、毛先の傷んだところを整える以外は切らず、伸ばし続けていました。


それから数年後、ある方に出会いました。小学生の頃から髪が生えなくなってそれからずっと坊主頭の男性。どうして生えなくなったか詳しい事は本人もわからないそうです。(正確には、彼はすっかり全頭生えていないわけではなく、まばらに生えてくるのが嫌であえて自分で剃っている部分もあります。)
彼は後のわたしの旦那です。彼のように小さい頃から髪がないことで辛い思いをする子供たちのために、自分ができることをしようと改めて決めました。


2020年10月
手術と抗がん剤治療を控えていた頃、"せっかく何年も伸ばした髪が抗がん剤で抜けてしまったら今までの努力が無意味になる!"と思い、メジャーで髪の長さを確認し、後日行きつけの美容室へ。
いつもの担当の美容師さんと、断髪式。
「切る?」と言われ、入刀をさせてもらえました。笑
切った断面が化粧筆みたいで面白かったです。
31センチ以上がヘアドネーションの規定で、40センチ近くバッサリ切りました。

22年ぶりのショートカット
ショートは似合わないと思っていたけど、自分でもびっくりするくらいかなり似合っていて、ショート姿に心が躍りました。
似合わないから、と決めつけて今まで選択しなかったのは間違ってたなぁ。
治療に向けて、ひとつ準備ができました。


#ヘアドネーション #育児 #子育て #ママ #卵巣がん #未分化胚細胞腫 #ファロー四徴症

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?