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ダンスカンパニー「トビランジェラ」旗揚げ小話 ~私たち 苦労しました 名付けには~

白紙だ。
困ったことに白紙だ。
何がと訊かれればこのNoteがと言うよりほかにない。

書きたいと言い出したのは自分のくせしていざこの真っ白な紙面、いや画面を前にすると何を書くべきなのか思いつきもしない。
なんでもいいよと言われはするものの、なんでもいいからこそ何から書けばいいのかわからない。

なんせ最初の最初だ。
これが一度でも誰かが何かを書いた後ならば、内容やら方向性やら模倣することもできたろう。
しかし。
とっかかりがなければ話の膨らませようもない。どうしたものか。
いやはや、「始め方」より難しいものはない。

「始め方」について悩んでいたら、ふと去年の終わり頃に見たM-1を思い出した。
令和ロマン、見た?まぁ見ていなくても、問題ない。気になる人はYoutubeを見るといい。
とにかく。
名字のネタをしていたな。
そうか、名前。
学校では誰もが毎年経験した、アレ。
新しいクラスで、新しい人に向けて、最初にやることと言ったら。
そう、自己紹介ではないか。
他に書くべきこともないなら自己紹介から始めよう。

* * *

はじめまして。トビランジェラ、といいます。
たまに間違えられますが、ビランジェラではありません。
トビランジェラです。どうぞよろしゅう。


一番最初に出来上がったフライヤー。
「ト」の存在がデカすぎて文字として認識されていないようだ。

さて、トビランジェラ。
不思議な造語だ。
親に話したときには「それなんて意味?」と首を傾げられた。
そう言われて言葉につまった。
意味?はて。
果たしてこの造語に意味があるのか。

構成要素はそこまで難しくない。
トビラとミケランジェロ。
それをちょちょいと文字ってできたのがトビランジェラだ。
ならば、なにゆえトビラなのか。なにゆえミケランジェロなのか。なにゆえ語尾が「ロ」でなく「ラ」なのか。
これに疑問を持つ人もいるだろう。

自己紹介なら由来語りも必要だろうが、その由来を知ってもらうには、まず私たちの母校の西門のことを知ってもらわなければならない。
ただ。
そのために我々の入学以来今なお閉鎖中の西門について事細かに話すのは、正直ちょっと面倒くさい。
Noteだって気が重いだろう。
そんなわけで諸々の事情は割愛する。

まぁ。
そんなこんな様々あり。
どうでもいいことについ興味が湧いちゃう我々は、日の目を見なかった西門に、ここぞとばかりフィーチャーした。
そして。
そんなこんな様々あり。
開かずの扉の西門をなんとか再び開門させようと念じた我々の想いは、こんな言葉となって表れた。

OPEN THE WEST GATE!!

この率直なメッセージは人から人に伝わって、ちょっとだけ形を変えた。

OPEN THE BEST GATE!!

人間、生きてりゃ聞き間違いもするものである。
しかし、OPEN THE BEST GATEとは。
なんだかそれっぽい。
なんだかそれっぽいだけで盛り上がれるのが、私たちの良いところだ。
「“常に開くトビラ”なら、なんだかコンセプチュアルじゃない?」と。
誰が言うでもなく言い出して、一も二もなくみな頷いた。

だからトビラなのである。
公演タイトルもサムネの通り。
私たちはいまから叩かれたトビラを開けて、客席に座るあなたたちを出迎えにいくわけだ。

『Knock Knock!!』は我らの門戸開放宣言なのだ。

そういうわけで私たちのコンセプトの大体はトビラの最初3文字で説明可能なのであって、あとは名実ともに偉大でアーティスティックな御ミケランジェロ氏のお名前にあやかったにすぎない。
トビラと合体させても語呂がいいからと、あれよあれよと話は進む。

トビランジェロ

何か足りないわ。
何かって?
うーん、色気?
色気。
ほら私たちみんな女性じゃない。
そうねぇ。
女性っぽさなら「ロ」より「ラ」をとるべきよ。

……とまぁこんな茶番が実際にあったかはともかく。
女所帯なのは事実なわけで。ミケランジェロあらためトビランジェロ御大の名は女性名詞へと華麗なる変貌を遂げたのである。

トビランジェラ

なんだかそれっぽいことを、なんだかそれっぽく仕上げるのが、私たちの特技だ。

コンセプチュアルにしてアーティスティックな我らがカンパニー名。
そろそろ皆さんも覚えてくれただろうか。
それでは最後に、公演告知のダメ押しで締めようか。

* * *

トビランジェラ単独旗揚げ公演
  『Knock Knock!!』

日時:2025/3/22(土)
   15:00開演(14:30開場)
   18:00開演(17:30開場)
場所:神楽坂セッションハウス
  (東京都新宿区矢来町158)

「貴方の日常に一息の安らぎと一つの革命を」



二番目に出来上がったフライヤー。みんな絶妙な顔をしている。

トビランジェラ一同、皆さんに会えることを心よりお待ちしております。


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