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話はここからやねん
毎年、年末年始は実家に帰省して過ごします。
実家といっても、東京都羽村市。東京の西の端っこにある小さな市で、電車で1時間くらいで帰れる距離です。
私は三人兄弟の末っ子で、姉たちはそれぞれ夫や子どもたちを連れて帰省します。総勢10名以上の大所帯になるため、実家はにぎやかです。そんな中、甥っ子や姪っ子たちにとっての私は、ネットミームにあるようないわゆる「親戚の集まりになると現れる、何をしているかよくわからないオッサン」です。
さて、そんな我が一族は、テレビ朝日の『格付けチェック』が大好きです。
毎年録画して、みんなでリビングに集まってワイワイ騒ぎながら鑑賞するのが恒例になりつつあります。
番組を見ていると、当然のようにたびたびCMが挟まります。するとリモコンの近くにいる誰かが自然と「CMスキップ」を始めます。
「CM、1分くらいかな?」とか言いながら、CMがポチポチと飛ばされていくのを一族全員が何となく眺めています。
でな、話はここからやねん。
(この唐突な大阪弁は私が好きなテレビ番組の企画「かまいガチ『でな、話はここからやねん』からきています」)
私の肩書の一つは「CMディレクター」です。
一族のみんなは私の仕事を心から応援してくれていて、誇りに思ってくれている感じすらあります。
そして、その私は、いつも年末年始の実家で目の前でCMが飛ばされる様子を見ています。老若男女10名以上が集まっている実家のリビングで、誰一人まったく疑問に思わずCMディレクターの前で、CMをスキップする行為をごく自然に行っているわけです。
いや、CMをスキップしないでくれ、と思っているわけでは全くありません。
鬼龍院翔様が今年も「100g300円の安い牛肉」を選んで、GACKT様を激怒させてしまうのか、はやく見たくて仕方がないのに、CMディレクターに気を使ってCMを必ず見るようにするということは、やはり違う感じがします。
むしろ、私だけでなく広告業界の人は皆、TVCMが「できれば飛ばしたいもの」だという現実を十分に理解しています。だからこそ、みな可能限り謙虚に「単なる商品告知でなく、せめて、見て少しでも面白いものを、上質なものを、楽しい気分になるものを」という精神でやってきているわけです。
しかし、それでも、やっぱりCMが飛ばされるたびに、私はほんの少しだけ心がザワッとするのです。
ネットで知らない人同士含めて隅々までつながっている今は、そんなように、誰かの普段のごく普通の生活の中での振る舞い、考え、言葉が、他の誰かの何かの心を知らず知らずのうちに逆立てているかもしれない、という時代なのです。
私も普通に生活してるだけで、時々誰かの心をザワッとさせているのです、必ず。そして、私はそれに一生気づくことができないのです。
ここで、とりとめのない話をしているだけで、どれだけ気をつけていても、いつか必ず、誰かの心をザワッとさせてしまうのです。
でな、話はまたここからやねん。
ということを踏まえて、記事をそのうち有料化しようと思っています。
ただ、それは「いっちょ過激な話を書いて儲けたろ!」という意図ではなく(いや儲かったらそりゃ嬉しいですが)、
今は一方で、有料化することで記事が「内輪」のコミュニティとして機能するからです。
「仲間意識」が生まれると、記事の内容に対して共感が増幅され、話を前向きに受け取ってもらいやすくなる。
仲の良い人たちと居酒屋に集まってワイワイやっていると、たとえ偏った話でも、なるべくお互い理解しようとして盛り上がって楽しいのと同じです。(いや偏った話をしたいわけではないですが)
こんな私でも、居酒屋なら、たまには人の興味を大きく引いたり、笑わせたりするような話もできるんです!居酒屋なら!
まあ、そもそも有料化して記事を買ってもらえる可能性は低いので、自分しか読まない日記帳になる可能性も高いですが、それもまた良しかなと。
でも有料で良いぐらい読んで良かったものを書くつもりだという気持ちも当然あります。