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電話回線の契約変更を促す「アナログ戻し」に注意!
「毎月の電話料金、今よりもっと抑えられますよ!」なんてサービスを勧められたら、つい「気になるかも」と興味を持ってしまいますよね。ですが、簡単に話に乗って契約してしまうのは危険!実は昨今、「電話をアナログ回線にすると安くなる」といって高額請求を伴う契約をさせる、「アナログ戻し」と呼ばれる悪質なセールスが多発しています。その手口とは一体どのようなものなのか、詳しく見ていきましょう。
固定電話を狙う「アナログ戻し」とは?
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インターネットの光回線の契約をしている消費者に対して、「インターネットを使わないなら、アナログ回線(アナログ信号で通信する従来型の電話回線)に戻したほうがお得ですよ」などと勧誘し、手続き代行やオプションサービスの料金として高額な請求をする、いわゆる「アナログ戻し」のトラブルが多発しています。
大手通信事業者や代理店などの業者になりすまして勧誘するケースや、アナログ戻しの勧誘をきっかけに、実際は手続き代行やサービス内容の詳細が不明なサポート契約などを契約させるケースもあります。具体的に、次のような事例が発生しています。
・アナログ戻しの勧誘を承諾したら、当初の話にはなかった事務手数料や、契約した覚えのないサポートサービス代が引き落とされている。
・「アナログ回線に戻す工事が終わったら費用をキャッシュバックする」といわれて契約書にサインしたが、よく見たら詳細不明の月額サービスに加入したことになっていた。
簡単な説明だけで安易に契約するのはNG!後からよく確認したら、「大手通信事業者とは無関係な、聞いたこともない会社だった」などのケースが多々見られています。知らないうちに、悪質な業者と契約してしまう可能性があるので要注意です!
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さらに国民生活センターの調査によると、こうしたアナログ戻しに関する消費者からの相談は、2018年頃から右肩上がりに年々増加。さらに2020年から2021年にかけて、相談件数は約1.6倍にも急増し、以前よりも危険性が高まっています。
また、アナログ戻しのトラブルは、男女ともに70歳以上の高齢者で多く発生しています。高齢のご家族や知り合いの方がいれば、ぜひ情報を共有してトラブル防止に役立ててください。
アナログ戻しの被害を防ぐためには?5つの対策
固定電話を利用している場合には、どのご家庭もアナログ戻しのターゲットにされる可能性は十分にあります。では実際に、勧誘の不審な電話や訪問があった時には、どう対処すべきなのでしょうか?ここからは、アナログ戻しの被害に遭わないために、覚えておきたい対策をご紹介していきます。
1.事業者名や契約内容を確認
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大手通信事業者や関連会社を名乗っていても、実際の契約上では全く関係のない業者になっていたというトラブル事例があります。
そのため、契約の前に必ず相手方の詳細情報を確認!契約締結先の事業者名や契約内容は、隅々までチェックするようにしましょう。もし相手が口頭での説明だけで済ませようとしている場合には、書面の提出を依頼するのも重要です。
2.不要な契約はきっぱり断る
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しっかりと契約内容を確認し、必要のないサービスならすみやかに断るようにしましょう。書面が後から送付されてきた場合も、すぐに中身を確認し、余計なサービスがついていないかチェックします。
なお訪問販売や電話勧誘による契約は、クーリング・オフで契約解除ができる場合もあります。契約書または申込書を受領した当日を含め8日間以内はクーリング・オフの適用期間なので、できるだけ早めに内容を確認し、契約解除を申し出ましょう。
3.不安な時には消費生活センターに相談
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怪しいと思っても、どう対処すべきか悩んでしまうこともあるでしょう。そんな時は、すぐに消費生活センターに相談するのも対処法の一つです。全国共通の消費者ホットライン「188(いやや!)」に連絡すれば、ご自宅の最寄りで相談に乗ってくれる消費生活センターを紹介してもらえます。もし相談できる家族や友人が身近にいる場合には、まず周囲の人に話を聞いてもらうのも良いでしょう。
4.手続きは「NTT東日本」または「NTT西日本」に問い合わせる
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光回線からアナログ回線に移行する手続きは、代行業者などの第三者に依頼しなくても、消費者自身でNTT東日本またはNTT西日本に申し込むことで行えます。お住まいのエリアに合わせて、NTT東日本またはNTT西日本のいずれかに問い合わせて手続きが可能です。もし移行を検討している場合、契約変更の手続きは正規の事業者と直接やり取りするようにしましょう。
また、NTT東日本およびNTT西日本は、「アナログ回線への契約変更を勧誘する営業行為は一切実施していない」と注意喚起しています。特定の事業者と連携してアナログ戻しを推奨することもない、とのことです。つまり、NTTや関連会社を名乗ってアナログ戻しを勧誘するような事業者には要注意!少しでも「怪しい」と感じたら、キッパリと断るようにしましょう。
5.迷惑電話防止サービスを利用する
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悪質な訪問営業や勧誘のトラブルは、電話が入り口となるケースが多く見られています。実際にトビラシステムズの調査では、固定電話での着信の5件に1件は迷惑電話というデータも。さらにそのうちの6割が悪徳なセールスや勧誘という結果も出ています。
ならば迷惑電話に出ない対策をしておくのが防犯には効果的!最近では迷惑電話をブロックする機器やアプリが販売されているので、安全のために、こうしたサービスを活用するのも1つの手でしょう。
スマホの対策として、迷惑電話対策アプリ「トビラフォンモバイル」をぜひご活用ください。詐欺や迷惑なセールス電話を、自動で検知して警告表示することが可能です!さらに店舗や企業などの事業者であれば、電話帳未登録の番号であっても、独自のデータベースをもとに名称を表示。わずらわしい営業電話が避けられる上に、安心して電話を取れて便利。加えて近年頻発している、スマホのSMSを悪用したフィッシング詐欺のフィルタリングもでき、防犯はバッチリです!
また、トビラシステムズの迷惑情報データベースは、携帯キャリア各社から出ている迷惑電話対策アプリでも活用されています。携帯キャリアの各種オプションパックへの加入により、「トビラフォンモバイル」と同様に迷惑電話をブロックできる防犯アプリが無料で利用可能。もしオプションパックに入っているなら、ぜひ確認してみてくださいね。
自宅の固定電話に迷惑電話対策サービスを導入するのも有効な対策です。外付け型迷惑電話防止機器「トビラフォン」や、専用機器なしで迷惑電話を自動で遮断できるKDDI社のネットワークサービス「迷惑電話自動ブロック」などもあります。お使いの電話環境に応じて活用してみてくださいね。安心な毎日のために、スマホでも固定電話でも、万全の対策をしておきましょう!
<参考文献>
■「光回線をアナログ回線に戻せば料金が安くなる」という勧誘にご注意ください-事業者名や契約内容をしっかり確認! アナログ回線に戻す手続きはご自身でも可能です-|国民生活センター
■クーリング・オフ|国民生活センター
■NTTの名を騙った「アナログ電話への契約変更」を行う事業者に関する注意喚起について|NTT東日本
■NTTの名を騙った「アナログ電話への契約変更」を行う事業者に関する注意喚起について|NTT西日本