畳の上に敷かれたお布団でお安みになっているのは、旦那様。
ご家族お立ち合いの湯灌(ゆかん)です。
全身をお湯でシャワーをして、
そして、足元から頭まで丁寧に洗います。
その時...
立ち会っていた奥様の具合が悪くなってしまい、
救急車を呼び、奥様は病院へ向かいました。
湯灌の最中だけれど・・・
奥様は大丈夫なのか・・・?
不安が募る中、湯灌を進め亡くなった故人様である旦那様が、
ゆっくりお安みいただけるようにご安置いたしました。
ご自宅の中も、ご家族様も、私たちもバタバタする中でのご挨拶。
どうか、奥様は、ご無事でありますように。
心の中で祈りながらその場を離れました。
そして、2日後。
奥様のご依頼が入りました。
あの後、奥様もお亡くなりになったとのことでした。
旦那様の日程も変更し、
奥様と一緒にご葬儀をあげることになりました。
数日前に伺ったスタッフで同じように
湯灌をしお棺にお安みいただきました。
ご家族にとったら、
とてもとても悲しみの深いお二人を送るご葬儀となります。
こんなお別れを見ると、
仲良しのご夫婦だったのだろうと心から思ってしまいます。
こんなことってあるのだろうか・・・と。
人の亡くなり方には、本当に物語があります。
それは、私たちには見ようとしても見えない
何か深い繋がりと絆があるんだな・・・。
と心の芯から思う出来事でした。
結婚式とは、真逆のご葬儀ですが、
稀にある、ご夫婦ならぶお棺はまるで手を取り合ってお空に旅立つ様な
結婚式のような旅立ちだなと思ってしまいます。
ご家族様には不謹慎かもしれませんが、
私は、このご夫婦の絆がとても羨ましく美しく感じられました。
いつまでも、仲良くお過ごしくださいませ。
湯灌納棺・特殊修復の有限会社統美
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