身近なSOS
3歳の男の子の死
あの日、安置室に運ばれてきたのはかわいいお顔の男の子です。3歳のその子の身体は子ども用のお棺でも半分の大きさしかありませんでした。
親からの虐待の疑いのある男の子、たった3年の生涯を終えました。
痛かったね。辛かったね。
みんなそばにいるよ。
会社の安置場所に安んでいる男の子のそばにみんな集まっていました。
納棺師の私たちは毎日たくさんの故人様と出会い、最期のお支度をさせていただきますが、中でも「子ども」の納棺はどんな理由でも胸が締め付けられる想いをします。
体より大きな棺の中に入れたもの
男の子の体より大きな棺の中は空いていてとても寂しく見えたので、私は家から大きなプーさんのぬいぐるみ持って来て男の子と一緒に入れてあげました。
もう寂しくないよ。
...もう大丈夫。
ゆっくり休んでね。
...もう痛いことはないからね。
ゆっくりおやすみ。
と心で伝えながら...
絶対的な存在の親から痛い思いをさせられる辛さがあったことを思うと苦しく悲しくなりましたが、かわいい顔で眠っている男の子の顔に少しだけ安堵しました。
もう大丈夫だからね。
今頃は、きっと自由にどこかで笑って遊んでいるよね。
今日、ここに
会いにきてくれてありがとう。ありがとう。
と私たちも自分たちに言い聞かせました。
児童虐待から小さな命を守りたい
2021年度に児童虐待として対応した件数は、20万7659件
1990年度の統計開始以来、31年連続で最多を更新し続けています。
虐待とは身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、ネグレクト(育児放棄)、過干渉、経済的虐待、教育虐待など様々です。
最悪のことに、命を落とす子もいます。
誰かが、どこかで、今もSOSを出しているのです。
誰かが気づかないと・・・
誰かが助けないと・・・
子供も大人もペットも
生きとし生けるもの全てが
かけがえの無いたった一つの命です。
尊い大切な存在であることを決して忘れずに
生きていきたいと思います。
納棺師の私たちは、こうして最期に大切なメッセージを持って会いにきてくれる方々とのご縁を大切に旅立ちのお手伝いをしています。
湯灌納棺・特殊修復の有限会社統美
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