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私のショートショートの書き方・解説 #0|ショートショートnote杯
こんにちは、戸画美角です。
#ショートショートnote杯 の応募が終わったこともあり、作者による解説記事が増えてきているようなので、私も便乗して書いてみたいと思います。
以前の『小説タイトルの付け方』の書き方バージョンですね。
今回は具体的な作品解説ではなく、ショートショートという小説ジャンルに焦点を当てて「私のショートショート観」や「ショートショートをどうやって書いているのか」などを気軽に書いていきたいと思います。
なおショートショートnote杯って何ぞや、という方はこちらをご覧いただければと思います。
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良いショートショートとは?
まず、私の「ショートショート観」について書いてみたいと思います。
もちろん自由に書けば良いという話ではあるのですが、小説・漫画・映画などの物語において王道パターンが存在するように、ショートショートにおいても外せない要素みたいなものがあるように私は感じます。
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オチがはっきりしている
ショートショートの王道パターンの1つが”最後の1〜2文でオチがつく”というものではないでしょうか。
これは短編小説にも通じるものがあると思うのですが、短い文章で構成される物語では、オチがはっきりした作品が好まれる傾向にあるように感じます。
クラシック曲で言えば「ジャン!」って感じで終わる作品みたいな感じでしょうか。徐々に音量が下がるフェードアウトではなく、スッと終わる感じです。
で、読者が「なるほど!」みたいな。
もちろん終わらせ方のパターンはこれに限りませんが、それでもオチがはっきりしているという点は(基本的には)外せないように感じます。
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タイトルの意味付けがしっかりしている
私がショートショートにおいて、かなり重視しているのが『タイトルの意味づけ』です。
理想的なのは”タイトルが物語の根幹やオチに深く関わっている”ことかと思います。
これは、あめしき@02文庫さんの解説記事でも触れられています。
ショートショートは、「オチを含む文章構造」に面白さの中心があると考えているので、文章構造にお題が関わっていないと、お題の消化が不足していると感じてしまうのです。
読者が作品を読み終えて「あぁ、○○だったなぁ」とか「○○ってそういうことか!」とか、まぁ色々パターンはあると思うのですが、「だからこのタイトルなんだなぁ」みたいな納得感があるのが理想的な気がします。
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どういう読了感にするか
ここまで書いたのは、ショートショートにおける王道(と私が考えている)パターンですが、実際にはいろいろな作品が書かれていますし、私自身も変化球的な作品をいろいろ書いています。
そんな中で、私が大切にしているのが『読了感』です。
読者が読み終えてどういう気持ちに浸れるか、というものですね。
「うまい!」
「なるほどなぁ」
「いい話だなぁ」
「なんだよそれ!」
「しんみり来たなぁ」
「○○ちゃうやん!」
「騙されたよ!」
みたいに色々ありますよね。
また音楽の話しに戻りますが、フェードアウトして終わる曲も最後の余韻に浸れる感じで良いですよね。
読者をどういう読了感に浸らせたいかをしっかり考えることで、王道パターンから外れたものでも面白い作品に仕上がると私は考えています。
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物語をどうやって落とすか
さて、前置きが長くなりましたが、ようやく私のショートショートの書き方についてです。
私はまず「物語をどうやって落とすか?」という部分を考えます。つまるところオチをどうするかという話ですね。
その後で、物語全体の骨格……つまり起承転結・プロットをしっかり頭の中で組み立てます。
そこでしっくりくるまでは基本的に1文字も書かないようにしています。オチがハッキリしないと面白さが伝わらないショートショートでは、骨格が極めて重要だと考えているからです。
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最初から410字に収めるように書く
人によって書き方は違うと思うのですが、私は最初から410字に収めるようにして書き進めます。
私は普段、Mac の Bear というアプリで執筆を行っているのですが、現在の文字数を表示する機能があるので、ところどころで確認しながら執筆を進めている感じですね。
note で書いても文字数が表示されますが、常に表示されているとそこに気を使いすぎてしまうので、最後の校正のタイミングでのみ使用するようにしています。
だいたい書き終えたタイミングで、オーバーしても10〜20字くらいなので、あとは細かい表現を修正して終わりという感じです。
例外として大幅にオーバーして大量に削った作品もあるのですが、そうした作品は自分のなかでもギリギリ及第点くらいかなという感じで、実際に読んでくださった方の評価も低いように感じます。
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おわりに
そんなわけで「私の考える良いショートショート」や「私がどうやってショートショートを書いているか」について語ってみました。
何かしら共感・参考になる点などがあれば幸いです。感想・意見などあればお気軽にコメントくださいませ。
次回からは具体的な作品について触れていきたいと思っています。
ー了ー
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