鼻づまりがつらくても、市販の点鼻薬を絶対に使用すべきでないという話。
市販の点鼻薬は、いわば痛み止めのようなもので、強制的に腫れを引かせるだけです。薬の効果が切れたら、また鼻づまりの症状に苦しみます。
症状が辛いから使ったわけですから、当然また使用します。
しかし、繰り返し使用すると、今度はその薬が原因で炎症が発生して鼻詰まり(薬剤性鼻炎)になります。
そうなった場合、点鼻薬の使用を中止することになりますが、それまで以上に鼻づまりがつらい状態で長期間過ごすことになります。
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解決策
最初から耳鼻科に通う。
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あなたは医者?
最初に断っておくと、私は医者ではありません。
通年性のアレルギー性鼻炎によって、1年中鼻づまりに悩まされている、いわば患者に過ぎません。
そのため、専門的な知見から本記事を書いているわけではないことに十分留意してください。
もし専門家の方で、本記事の内容が妥当性に欠けると感じた場合は、コメント欄などでご指摘ください。
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ある患者の話
ある時、耳鼻科の待合室で待機していたとき、医師と患者の会話が聞こえてきました。
このような会話です。
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薬剤性鼻炎
薬剤性鼻炎という言葉を聞いたことがある方は少ないのではないでしょうか。
私は専門的な知識が無いので、耳鼻科のWebページから引用させていただきます(重要と思われる部分を強調)。
悪循環とは、つまりこういう流れです。
鼻づまりが辛いから使う。
効果が切れて詰まるから、スッキリするために使う。
繰り返すうちに効果が薄くなるため、さらに使う。
そのうち全く効果を感じなくなり、耳鼻科に相談する。
服用を中止するように言われる。
ずっと鼻詰まりがひどい状態が続く。
私は、依存性の高い薬物とほとんど変わらないようにさえ感じます。
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市販の点鼻薬
”市販の目薬に求められるのはスッキリ感である”、という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
薬局にはたくさんの目薬が並んでいますが、どれもまるで万能薬のように謳われています。しかし、眼科医から言わせればそんな万能薬のようなものは存在しないようです。
市販の点鼻薬も同じようなものだと私は分析します。
血管収縮剤によって腫れを引かしてるだけなわけですからね。体のどこかに痛みがあるときに、痛み止めを飲んどけば治ると思っているのとさして変わらない気がします。
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守ることの難しい利用回数
念の為に断っておくと、市販の点鼻薬には、
1日の使用回数を守ること
長期に渡って服用しないこと
といった注意事項はしっかり書かれています。
しかし、前述の患者の例のように、使用回数をしっかりと守ることは恐ろしく難しい、というのが私の経験則です。
前述の患者は”仕事にならなくて……”と発言していましたが、鼻づまりの症状が本当にひどい人は、現実問題として日常生活に大きな支障があるレベルになると思います。
そうした状態で、点鼻薬の使用回数を守ることが果たして出来るでしょうか?
アルコールやタバコに中毒性があることはどなたもご存知でしょう。日常的に摂取している人は、どちらも完全に手放すのは難しいと感じるのではないでしょうか?
私の経験則から言って、市販の点鼻薬の中毒性というのは、アルコールやタバコとは比べ物にならないほど高いと思っています。
アルコールやタバコは嗜好品ですが、点鼻薬は症状が辛いから使うわけですから、それを意識的に制御するのは極めて難しいと思います。
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市販薬の問題点
こうした問題は、他の市販薬にも言えると思います。
例えば、湿布を利用したことがない人は居ないと思いますが、光線過敏症になるリスクがある湿布も存在する、という事を知っている人は、意外と少ないのではないでしょうか?
私はあまり詳しくないのですが、症状がひどくなると外出できない、とさえ聞くことがあります。
市販の薬はその手軽さゆえ気軽に利用してしまいがちですが、こうした重大な副作用を含む場合もあるので、使用する場合には説明書を熟読して十分に注意する必要があると思います。
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耳鼻科に行くのが最適解
結局のところ、鼻の症状で困ったら、まずは耳鼻科で相談する、というのが最適解だと私は思います。
薬の種類も豊富(鼻炎薬は大きく3種類のパターンがあり、効果も人によって様々です)ですし、アルゴンプラズマといった外科治療や、舌下免疫療法など、患者の症状に合わせた治療手段が揃っています。
鼻づまりという症状は分かりやすいですが、実際に何に起因して鼻づまりの症状が発生しているのか突き止められるのは専門家だけです。
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個人的にひとつ助言をするならば、できるだけ空いた時間帯に通院するのが良い、ということでしょうか。
医者も人間ですから、一度に観ることのできる患者の数は限られています。そのため、ものすごく混雑しているときは、どうしても診察が甘くなってしまう傾向がある、というのが個人的な経験則です。
できるだけ空いた時間に、信頼できる耳鼻科(*1)で、時間をとって観てもらうことをおすすめします。
*1 耳鼻科に限らず、腕がよく信頼できる医師を探すのは難しくはあります。Googleの口コミは鵜呑みにできませんが、本当に良かったと感じた患者は役立つレビューをしている方も多いです。なので、高評価でかつ中身のしっかりしたレビューは信頼できる傾向があると思います。
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医療技術と人間
我々は、医療技術が高い地代に生きています。
ほとんどすべての一般的な病気に対して有効な薬があり、それらは臨床試験を含めて様々な検査を通過した、いわば信頼できる薬です。
しかし、いつの時代もそうであるように、それを扱うのは人間です。そして、それらは経済活動などの様々な要因によって歪められることがあります。
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最近、薬局でいつもの薬が手に入らないということはありませんか?
それらは最近になって発覚した薬剤会社の不祥事が原因だと聞いています。ある会社で発覚し、他の会社も検査してみたら同様で……という玉突き事故的な結果が、現在の慢性的な薬品不足を起こしています。
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薬は病気に対して有効なのは間違いありませんが、殆どすべての薬は副作用を含んでいます。そして、ときに副作用は重大なリスクを孕んでいますが、往々にして我々はそれらのリスクを過小評価しがちです。
実際問題、副作用などに苦しむ人は全体的から見ればずっと少ないため、それらの問題が広く認知されることは少ないように感じます。
私はアレルギー体質であるためか分かりませんが、他の人よりもずっと薬の副作用に陥りやすいようです。原因不明の病気であるとして入院した結果、最後には薬の副作用であったと判明したこともあります。
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最後に
これから花粉が増える時期です。
花粉症に苦しむ人は、手軽に薬局で薬を入手しようと思う人も少なくないでしょう。
かくいう私も、仕事が忙しいときに、耳鼻科に通う手間を惜しんで、薬局で点鼻薬を購入して使用し続けた結果、薬剤性鼻炎になったことがあります(もちろん、薬剤性鼻炎を知ったのはその後です)。
本記事の内容が、より多くの方の参考になれば幸いです。
ー了ー
P.S.
タバコの箱には、健康被害の危険性について詳しく書かれています。
しかし、”薬剤性鼻炎の危険性”が強く書かれた点鼻薬はおそらく売られていないでしょう。書けば売れなくなります、当然のことです。
我々の社会が、より健康・安全になることを願います。
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