全社員参加型組織が大切な理由③イノベーションは“若さ”と“個のリソース”がキーワード
▼あなたの会社はイノベーションは興せていますか
こんにちは!Tobe-Ruの戸澤です。
「あなたの会社はイノベーションを興せていますか?」
この問いはよく耳にしますが、どのアンケート結果などを見ても、興せている会社は2割以下。そして7割程度の方が「イノベーションを興しにくい環境」であると回答する。
特に大企業や一部上場企業のようなステークホルダーの数が膨大になればなるほど、公平感を担保しなくてはならなかったり、失敗の数を減らそうとしたり、多数決の文化が根付いたりと、様々な理由でイノベーションが興しにくい環境があるのでしょう。
▼なぜ”イノベーション”が必要なのか
VUCAの時代、デジタルの時代…とマーケット的な要素から当然イノベーションは必要なわけですが、実は「人財開発」の視点でもとても重要です。
以前も記事にしましたが、人財開発における最大のテーマは「成長」です。
成長できる環境があるかどうかで採用力が決まり、定着力も決まります。
下表の学生モニターアンケートによると、1位は情報・インターネットサービス、2位は情報処理・ソフトウェア・ゲームソフトであり、就職先企業を選ぶ際に重視する点の1位は「将来性がある」ことです。
※出典:キャリタス「就活 2022 学生モニター調査結果」より
またユニークな部分では「大企業である」は昨年対比で下がっており、「社会貢献度が高い」「世の中に影響力が大きい」などの社会性やインパクト性が重要視されてきていることが特徴的です。
つまり、イノベーションを興せる環境こそが、将来性を見据えた経営であり、自己成長できると認識され、人財の視点から魅力が高まります。
反対にイノベーションを興しづらい会社は、延長線上での仕事が多くなり、いつか飽きがきたり、自己成長率が鈍化していくことで魅力が下がっていきます。
▼イノベーションが興しにくい5つの壁
では、イノベーションが興しにくい原因は何でしょうか。
色々と「イノベーション 壁」とネットで検索すると出てきますが、私はイノベーション100委員会が提言されている5つが最も分かりやすいので、こちらをご紹介しておきます。
※出典先:イノベーション100委員会「企業にイノベーションを興すのは誰の仕事か?」より
キーワードをまとめると
・過去の栄光がある
・短期的成長や毎年の予算クリアがマストな慣習
・多数決文化
・アイディアに定量的要素ばかりを追求される
・クローズドな環境
このあたりでしょう。多く当てはまる企業はかなり要注意ですね。
▼イノベーションを興す5つの行動指針
イノベーションを興せる会社になるためには、以下の5つのコンセプト、社風や環境整備、仕組みが必要です。
※出典先:イノベーション100委員会「企業にイノベーションを興すのは誰の仕事か?」より
こちらもキーワードでまとめてみると
・将来性、社会性、自社らしさと向き合う
・チャレンジ志向
・”なぜ”の追求
・本質的顧客思考
・社外交流
このあたりでしょう。
▼”個”と”若さ”はイノベーションを興す必須アイテム
では、イノベーションの壁を取っ払うことが理解していただけたとして、誰がイノベーションを興す種であるのか?
私は”個”と”若さ”だと思っています。
”個”とは、社員1人1人です。大多数がどうだとか関係なく、たった1人のアイディアからイノベーションの種は発見され、共感者である仲間がどんどん増えていくイメージです。
そしてもう1つは”若さ”
人は年を取れば取るほど変化する力が衰え、チャレンジ精神がなくなります。そして最先端な技術や最新情報をキャッチアップする力も早いです。
コミュニケーションツール1つ例にとってみても
LINE→facebook→Twitter→Instagram→tiktok→clubhouse→ポコチャ
とどんどん新しいサービスが出てきて、最初に試すのは若者が多いです。
若い社員は40代、50代の経営陣が知らない情報をたくさん持っていますし、そこに時代の変化におけるヒントが隠されています。
年を取ることで過去をベースにした構想やアイディア発想になりがちですが、若い人たちは未来をベースにします。若い人たちは過去に興味がないわけです。
ぜひ、”個”1人1人にフォーカスをあて、特に”若さ”なる社員の声を拾ってみましょう。
▼本記事のまとめ
いくら、新規事業ピッチコンテストなどのイベントがあろうが、アイディアを出す環境があろうが、One-on-Oneの環境があろうが、上記のような壁が高い状態では全く意味なく、アイディアの質や提案の質が下がります。
よくある話ですが、新規事業提案を出しても
「なぜ、この事業をやりたいのか」「この事業がスケールすることでどのように社会にインパクトを与えることができるのか」
といった本質的な問いがないままに短期利益やリスクに対する問いだけが飛び交うなど。
まずは、イノベーションを興すためには、壁を取っ払う会社としての大きなビジョンやコンセプト、カルチャーが必要なのです。
そして、社員1人1人、若手社員に耳を傾けることができる、プロジェクトメンバーにアサインする、ような取り組みを積極的に行ってみてください。
次回は
「全社員参加型組織が大切な理由④ノーレイティングの導入が主流に」
をテーマにご紹介させていただきます。