特別管理産業廃棄物管理責任者講習録~ヤバイ廃棄物のヤバくない処理について~
なんとなく産廃について知っておくのもいいかな、と思い受けることにしたものの、ネット上にあんまり情報が出ていないので備忘録程度に記していきます。
まずはじめに……
・特別管理産業廃棄物管理責任者とは
特別管理産業廃棄物って何?:事業で出たゴミ(産業廃棄物)のうち、爆発したり毒だったり病気の原因になったりする特に危ない廃棄物のこと。
誰がなれるの?:特別管理産業廃棄物管理責任者講習(+修了試験)を修了した者や医師など。
何をする役職?:特別管理産業廃棄物の管理について責任を負う。具体的にはどのくらいゴミ(特別管理産業廃棄物)が出るか把握したり、安全な処理計画を考えたり、管理のための書類を保管したりする。
まぁこのあたりは調べればすぐわかる情報なので軽く流します。仕事で使う人は内容関係なく取らなきゃいけないし、趣味で取ろうとしてる人はそういうの調べるの好きでしょ? なので細かいところはJWセンターのHP見てね。
講義には対面とオンラインがあるけどどっちがいいの?
個人的には対面がいいと思います。
1日で全てが終わるのは圧倒的にラク。前日までノー勉で当日に講義聴いてその場で覚えて試験終わったら忘れるって流れでできるのは非常に効率がいい。(もちろん覚えてる方がいいんだけど、仕事で使うときは調べながらできるからね)
ただし対面特有のデメリットもある。
1つ、長時間の座学であること。当然多くの人にとっては眠気が敵になる。一時停止も巻き戻しも無い講義では寝落ちた分だけ要点が落ちる。そうでなくとも座りっぱなしの一日は腰痛持ちの人にはしんどい時間となるだろう。
2つ、予約が取れない。全国的にそこそこ需要があるため会場の埋まりが早い。受けようと思ったときには最寄りの会場は数ヶ月先まで満席、なんてこともある。実際私はこのせいでオンラインを選ぶこととなりました。
……という訳で。
オンライン講義の話
オンラインは会場に比べて少し(550円)だけ安い。会場取れるならそっち行った方がいいと思うけど。
講義は動画になっていて、マイページにログインしてそこから視聴ページに入れる設計です。
映像は講義をそのまま録画したような形で、重要なポイント、つまり試験に出そうなところも教えてくれる。
一時停止や巻き戻しはできるけど倍速再生はできないので注意。これを読んでる人が受講する頃には改善されてるといいですね。
ここでのアドバイスはあんまり試験より前に視聴を終えてしまうと試験日には知識が薄れている、ということ。ギリギリもよくないけど早すぎもよくない。だって一度見た講義動画って、ほとんどの人は見返さないでしょ?
ここで気になるのが
Q:動画見るの忘れてたけど試験さえ合格すればいいよね?
A:多分ダメです
「全ての講義の受講を終えていない場合は修了試験を受けられません。」って受講票にバッチリ書いてあることに加えて、講義動画は最後まで再生したかどうかがマイページに記録されてるので未受講かどうかは把握可能と思われます。試してないからわからないけどね。
1科目3時間近くあるので動画は分割になってますが、途中の講義を見忘れることのないように。
みんなが知りたい試験について
試験時間は30分、問題数は20問で合格ラインは70%
問題形式は○×形式と四択の択一式
内訳は1〜7問が廃棄物処理法概論の○×、8〜14問が廃棄物の処理と管理の○×、15〜20問が文章空欄補充の四択
となってます。
対面はもちろんオンラインでも試験日に試験会場まで行って試験を受ける必要があります。(CBTとか使えたらいいのにね。)
難易度はそんなに高くないです。時間も余るし基本的には合格させるための試験と思ってもらっていいかと。常識で解ける問題もありますが、講義を聞き流してテキストも開いてないような状態だと冷や汗をかくことになるので注意して下さいね。
マークシート式なので鉛筆消しゴムは必須です。もし忘れても貸出しをしてくれるので焦らなくて大丈夫。
受講番号下3桁がそのまま席番号となるので別の席に座らないようにしましょう。席に受験者の名前は書いてありません。
試験はいつでも途中退室可ですが、問題持ち帰りは全て不可となっています。
問題用紙への書き込みは自由なので○×や下線は大きくつけましょう。
試験勉強は必要?
送られてくる公式テキストが唯一にして最新最強なので他の書籍とかは見なくていいです。
講義で重要部分に線引くように言われましたよね? 問題は基本的にそこから出ます。試験当日の見直しでも足りるでしょう。重要部分がどこなのかきちんとわかっているのであれば、ですが。
例えば、重要部分の一部に
「揮発油類、灯油類、軽油類が廃油となったものが特別管理産業廃棄物の燃焼性廃油に該当することになる。」と、いうものがあります。
そうすると次のような問題ができるわけです。
例題1:次の文章が正しければ○を、誤っていれば×を選びなさい。
特別管理産業廃棄物に該当する燃焼性廃油とは灯油類、軽油類、タールピッチ類が廃油になったものである。
解答と解説:×
タールピッチ類は「燃焼しにくい廃油」ですので誤りです。もしここが揮発油類と書いてあれば正答は○になります。
四択の場合は、このように。
例題2:次の文章の空欄に最も当てはまる選択肢を一つ選びなさい。
特別管理産業廃棄物としての廃石綿等の中間処理の方法は( )による。
イ.焼却設備での焼却 ロ.中和設備での中和 ハ.破砕設備での破砕 ニ.溶融設備での溶融
解答と解説:ニ
石綿(アスベスト)の主な特徴は1.燃えにくいこと2.繊維状の微細な石でできていて飛散すると肺を傷つけることです。
中和は酸アルカリの話なので無関係、焼却は燃えにくいので不適、破砕は微細な繊維を撒き散らすことになるので絶対ダメ。
よって答えは、ニ.溶融設備による溶融となります。ちなみに溶融の方法は1500度以上の高温で溶かすそうです。
試験の形式についてイメージはつかめたでしょうか。
追加のワンポイントアドバイスとしては、特別管理産業廃棄物は社会や環境に悪影響を与えるおそれのある危険物なのでその管理は非常に厳しいものとなっています。だから、「責任を負わない」「必要はない」「罰則はない」みたいな事業者に甘い文章が出てきたらまず疑うようにするといいでしょう。
合格していた場合は試験から約1週間後の午前6時にマイページに合否が掲載され、その後修了証が郵送されます。
それではみなさんの検討を祈ります。
おまけですが、耳鼻科医の柴原勝平先生のブログ記事は非常に参考になるので拝読しておくといいことがあるかもしれません。