「組織に馴染めない」私が「サラリーマン最高」と思うまで。|とべちゃんのレシピ
こんにちは。とべちゃんの頭の中を書き残すnoteです。
私は今の自分がどこから来たのか、何でできているのかを考えることが好きです。そこで”とべちゃんのレシピ”と題して、これまでの印象的な出来事をよく振り返っています。
今回は、「組織で働くのに向いていないな」と思っていた私が、「サラリーマン最高!」と、ガラリと考えが変わった経緯を書き残します。よろしければお付き合いください。
「私、組織に馴染めない。」
新卒入社から数年。会社で自分の未熟さを一つ、二つと乗り越えて、すいすい泳げるようになったとたん、そこはとても窮屈な水槽になった。
「あ、もうだめだな」
ふと、そんな言葉が私の中で浮かび上がった。優等生のなり方はわかった。それはとても大切な学びだった。でも、なりたかったのは「良い子」じゃない。私の中には「私らしく在りたい」という強い欲求があることがはっきりした。
みんなが「当然」すぎて疑問にすら思わないようなことが、私にとっては違和感であり、どうにも譲れなかった。本当の自分に蓋をするようなルールに従いたくなかった。
「良い子、辞めよう。」
そう決めた。
「私って組織に馴染めないんだ」
そう思った。
いかに生きるか、試行錯誤してみよう。
スマートには生きられない。ならば仕方がない。不器用でもいい。「いかに生きるか」試行錯誤してみよう。「自分が生きるために必要なお金はいくらなのか」「そのお金をどうやって稼ぐのか」人生という実践を通じて考えてみることにした。
当時は、韓国と日本を行き来するライフスタイルを手に入れたいと思っていた。まずは自分でお金を稼ぐ挑戦をしてみたかった。安直だけど、大好きな韓国の服をWebで売ってみようと思った。できるかはわからない。でもやってみないとわからない。とにかく着手してみた。
韓国ワーホリ中に、現地でECサイトの仕事をしようと考えた。日本向けに韓国の製品を販売するECサイトはたくさんあるので、日本人向けのアルバイトの求人も多かった。そうした職場で仕組みを学び、仕入れルートを探そうと考えていた。
韓国から日本へ商品を運ぶために、ソウル市が留学生向けに開催する「貿易アカデミー」というオープンカレッジに通い、修了した。私のチャレンジは少しずつ前進していた。
「不安だけど、楽しい。」
自分の人生をちゃんと生きている感じがした。
組織が変われば働き方も変わる。
ところが、いざECの仕事を決めようとしていた矢先に、一通のメッセージが届いた。このメッセージがきっかけで、私はYouTubeチャンネルを運営するソウルのスタートアップ企業で働くことになった。
メンバーは2人だけ。数ヶ月先に設定されたKPIを達成できればよく、日々何をするかは細かく問われない。会社も社員もお互いに干渉しすぎず、残業なしの毎日定時退社。2人しかいないので、最初から最後まで、どの工程も自分でやる。人によってはストレスかもしれないけど、この環境が私には気楽で良かった。
「そうか、組織が変わるとルールも働き方も変わるんだ」
「だったら働く組織を選べばいいんだ」
この経験で、私は「組織」全てに「不適合」でないことがわかった。
やりたいのは「経営」でも「自営」でもない。
社長はいつも銀行や投資家との予定でいっぱいだった。経営者は経営が仕事。そんな経営の姿をみて思った。
「私は経営よりも実務がすきだと思う。目の前の面白い仕事に集中したい。」
思い返して見れば、休職・離職期間中に色々な手続きを経験した。健康保険も厚生年金も確定申告もとても面倒。フリーランスとか、自営業とか、「自由でいいな」「なんかかっこいいな」という良さそうな側面だけ見て考えがちだけど、そうじゃない側面もたくさんある。生きているだけで、想像以上にいろんな手続きがくっついてくる。
「複雑な手続きをまるっと引き受けて、面倒をみてくれる『会社』ってとても便利。実務に専念できるって最高の環境じゃないか。」
「組織に所属して、やりたいことにとことん専念できるフィールドを手に入れよう…!」
私のキャリアプランは再びくるりと方向転換した。
ビジョンのない組織で頑張れない。
無秩序なスタートアップで働く毎日はとても充実していた。でも一つ、違和感があった。「ビジョン」が無い、ということだった。
ビジョンやミッションは会社とメンバーが進むべき道を指し示すもの。事業を推進する上でのコンパスであり、意思決定における判断軸である。会社として、その事業を担う者として、目指す姿も、約束もなく、ただ、「数字」を稼ぐことに虚無感があった。
「私はなんのためにこの事業を推進するのだろう。そこに強い当事者意識があるだろうか。」
仕事をする上で定量的な成果は大きな意味がある。でも、その数字が意味するメリットが見えないと、その仕事の意義を見出せない。
会社は大きくなるしかない。ならざるを得ない。だから事業を広げる。
「ビジョンの無い組織は傾くんじゃないかな」
と、ぼんやり思った。少なくとも、そこで働く私の気持ちは離れていると思った。そこで、ビザの満了とともに帰国することを決めた。
未来に連れていってくれる船を選ぶことにした。
ソウルのスタートアップで働いてみて、自分がフィットする組織を探すには、「組織のカルチャー」、「行動指針となるビジョン」、「信じて愛せる事業」が必要だと思った。
幸運なことに、転職活動を経て、これらを満たす素晴らしい企業にジョインできた。入社して2年弱。組織に所属するとは、船を選ぶことだと思うようになった。
会社は自分一人では想像できなかった壮大な未来を見せてくれる。この船(会社)は「ビジョンの実現」という、ぶれることの無いコンパスを持って、私を未来に連れて行ってくれる。その道中で、自分では想像できなかったチャンスと可能性を授けてくれる。だから私は最大限、自分の持つ力を発揮し、成長し、この船を未来に運ぶ原動力になりたいと思う。
私は、自分1人の力で「世界を変えようとするのをやめた。」 でも、この船に乗っていたら、1人では絶対にできなかったであろう、広くて大きくて意味のあることができる。世の中に大きなインパクトを与えるメリットをもたらすことができる。そんな希望を感じる。
自分が乗ろうとする船は、どんな場所を目指しているのか(=ビジョン)、何をどうして実現しようとしているのか(=ミッション、事業)、そしてどんな仲間と成し遂げようとするのか(=人、カルチャー)、それが自分の心にフィットするのか(好きか、望むか)、を大切に、私は自分が乗る船を選び、また、今いる場所を選び続けていると思う。乗る船を選べば、サラリーマンは最高にお気に入りの働き方だった。
はい、本日もありがとうございました。
다음 노트에서 만나자~
おしまい: )