見出し画像

「スタートラインはみんな一緒」韓国語に救われたニセモノの北大生|とべちゃんのレシピ

こんにちは。とべちゃんの頭の中を書き残すnoteです。

私は今の自分がどこから来たのか、何でできているのかを考えることが好きです。そこで”とべちゃんのレシピ”と題して、これまでの印象的な出来事を振り返ります。

に続く第二弾。大学進学後のお話です。興味を持ってくださった方、最後までお付き合いお願いいたします。

1.私は偽北大生

奇跡的に北大に入学した私。新生活は何もかもが新鮮。教育学部は1学年50名程度で、男女比およそ5:5のコンパクトでバランスのいい学部。

AO入試で入学した学生は私を含めて2名。センター利用の学生からすると、そもそもそんな入試ルートがあることを知る人がほぼいないとても珍しい存在。

入試時期が早く、書類・小論文・面接という選考方法を聞いて「(受験勉強辛かったから)楽でいいなぁ!」と言う人もいれば「(論文も面接も苦手だから)すごい!」と言う人もいて、リアクションは様々。

誰の言葉にも悪気も過度の気遣いも無かったので、それがどうこうではないのですが、でも、私自身はどこかで「いいなぁ、楽で」と言う言葉を自分に浴びせていました。

多分、みんなが経験してきた受験勉強の大変さに私は耐えられなかっただろうし、そもそも頑張っても勉強で入れる実力じゃなかったと思うから。

誰もそんな意地悪言わないけど、自分で自分に「偽北大生」と言うレッテルを貼って、みんなとちょっと違う自分を意識しちゃう面倒なやつでした。

2.「スタートラインはみんな一緒です」

そんな不安を抱えながら、いよいよ授業が始まりました。1年次は「教養」と言われる全学部横断型の基礎科目を学びます。その中の必須科目に英語以外の外国語を学ぶ「第二外国語」があります。様々な言語から選択するのですが、私は入学時に新たに新設された韓国語を選択しました。

当時は韓流ブームのど真ん中。特別好きだったわけでもないのですが、毎日テレビで流れる韓流ドラマの影響で、韓国語の音に慣れていたのがきっかけでした。

授業の初日はオリエンテーション。その際に担当の先生が語ったメッセージがターニングポイントでした。

「みなさんは、厳しい試験を通過してここに入学しました。これまで学んできたことの成績では優劣や得意不得意があるかもしれませんが、第二学国語は全員が今日から始めます。スタートラインはみんな一緒です。頑張れば頑張ったぶんだけできるようになります。」

当時の私にはとても希望のある言葉でした。

「同じスタートラインで勝負できる。」

ならばここで、自分がどれだけ頑張れるかセンターで合格した”本当の北大生”を相手に力を試してみよう。そう思ったのを覚えています。

3.力試しの延長

初日のメッセージのおかげで、韓国語学習に熱心に取り組んだ私。授業では必ず前の席に座るし、毎回の小テストも全力で準備して高得点。他の生徒が答えられないものも私に回ってくれば正解できる、意欲的なので先生に気に入られる。そんな調子で手応えが楽しさに変わり、良い循環が生まれて成績は「秀」!

(絶対落ちないと言われるボーダーラインのTOEFLで赤点とった英語とは雲泥の差w)

この経験が成功体験となって、入試ルートが違えど、私は北大生でいいんじゃないかと思えるようになりました。

さて、1年が終わろうとする頃、学んだことを実践したいと思うようになりました。そこで、留学生センターが主催する釜山大学に通う2週間のショートプログラムに参加しました。現地では自身の韓国語の実力云々以前に、受け入れ学生の日本語レベルの高さに圧倒されました。韓国語不要!

彼らの人のよさ、真面目さ、情に厚くおせっかいなところ、ごちゃっとして活気のある街、美味しい食べ物、日本にはない手頃で可愛い服…全部がものすごく好きで、韓国語も韓国も大好きになって帰ってきました。

力試しで始めた韓国語学習を通じて、韓国という国を知り、海外で過ごす経験をし、私の世界はさらにぐぐっと広がりました。

4.小さな成功体験をくれる場所

大学を卒業して数年、もっとたくましい自分になりたいと思い、初めて一人で海外に行くことにしました。すっかり離れていたけど、それでも英語よりも得意な韓国語が使えるソウルへ。

出発前に撮ったゲストハウスの位置のスクショを頼りにWi-Fiも持たずに現地入り。地鉄を乗り継ぎ、なんとかゲストハウスに到着できました。

数年ぶりでもわずかに言葉が聞き取れたり、通じたりしたこと、地下鉄のチケットを買って乗り換えができたこと、チェックインができたこと、カフェで注文ができたこと…

日本では当たり前すぎて何も感じない行動の一つ一つが大きなチャレンジ。緊張して尻込みもするけれど、勇気を出してやってみれば、できてしまうからすごく嬉しい。

大人になって新たにできることが増えていく喜びなんて久しくない中で、海外に飛び出すことは日本にいるよりずっと自尊心を育てられるんだなぁと思いました。

そして、できないけどやるを前提にチャレンジする経験から、カッコつけない、不安なことにも飛び込んでみる、自分で何とかする覚悟を持つ、と言った仕事への向き合い方のヒントを得ることができました。

定期的に日本と韓国を行き来する生活が続いた結果、

「海外でお金を稼いで暮らす経験をしてみたい」

という新たなチャレンジが見えてきました。最初は「そんな夢みたいなこと、現実的じゃないな。」と思っていたけれど、気がつけばそれが現実になり、日常になっていました。

北大に入って感じた小さな劣等感。

そこで出会った先生の言葉。

韓国語を学んだことで開けた世界。

こうしてまた、私はかつての自分が想像していなかった人生を歩んでいました。

だから
どんな経験も、人生の栄養になるのだと思います。

・・・・・

はい、本日もありがとうございました。

다음 너트에서 만나자!안녕~

とべちゃん: )