成長するために必要な「報・連・相」のマインドセット
どの仕事においても重要とされる「報告」「連絡」「相談」。略して「報連相」ですが,これを上手くやれる人とやれない人とでは,その後の成長角度に大きな差がでるなと感じています。
自分が「報連相」を意識するようになったきっかけは,大学院時代の研究活動でした。週1回のゼミで研究の進捗を発表するのですが,毎回,ダメ出しや軌道修正を求められ,とてもストレスを感じていました。
そこで,「報連相」のやり方を見直したところ,修正にかける時間も減り,精度の高い仮設を立てたり,結果を出すことに繋がりました。
ただ,今振り返ってみると「報連相」の頻度を増やせばいい,というわけではなく「報連相」の「マインドセット」のほうが非常に重要だなと感じています。今回は,自分の経験談から,部下の立場から見る「報連相」を行うときの「マインドセット」について綴っていこうと思います。
□ 早めに成果物を握る
「時間をかけてやったのに、大幅にやり直し」
これを避けるために大事なのが、早めに成果物を握っておくことです。
仕事に着手する前に、どのような構成で、どのようなアウトプットにするのかを考え,スケルトンを作成し、早めに相談すことが、手戻りを防ぐ一番の方法です。
これは「Quick & Dirty(クイック・アンド・ダーティー)」という言葉でよく表現されるのですが、少々,完成度が低くくてもいいから(Dirty)、早めに提示する(Quick)という考え方がとても大事だと考えています。
具体的には、「僕は、こういう風にアウトプットをしようと思っていますが、どうでしょうか」という感じでスケルトンを提示し、早い段階で相手とのベクトルのすり合わせをしておくことで、軌道修正する工数が少なくなります。
先手先手で相手に成果物を見せておくことで、方向性が間違っていても最小の工数で修正することができます。相手にとっても早い段階での修正なら一言、二言で済むので、お互いの労力の無駄を省くことができます。
また、副次的な効果として、提示したスケルトンがそれなりに形になっていた場合、相手の信頼度を高めることができます。「あ、もう動いてるんだ」と、早ければ早いほどポジティブな驚きになるので、初動サプライズを起こすことができます。
□ アテに行かない、寄せに行かない
相手に報告するときに、やってはいけないのが「相手の正解にアテにいくこと」です。研究でも仕事でも、大事なのは「何をするのか」を自分で考えることです。
つまり、「答えは自分で見つけなければいけない」ということです。
自分も新卒で入ったころは勘違いをしていたのですが,基本的に相手は答えなんか持っていません。言ってることが正解っぽく見えているだけ、という前提を理解して自分の考えをぶつけることが大事です。
相手の「正解」を想像してアテにいったり、寄せにいったりするのはナンセンスな仕事のやり方で,自分の「仮設」を相手にぶつけていき,フィードバックをもらう。そして,トライアンドエラーを繰り返して,精度の高い仮説にブラッシュアップしていくことが,「報告」「相談」するうえで,大事な考え方だと思っています。
□ メモをとる、できれば録音もする
相手に相談を求めるときは、必ずメモ、もしくは録音を取るように心掛けています。基本的に,話したことをすべて記憶しておくことは不可能なので、メモに記録したりするようにしています。
これにより,「すみません。この前の話しもう1回聞いてもいいですか。」という無駄な工数を省くことができます。また、一度では相手の言ってることが理解できない場合があります。自分と相手で前提知識の共有が無かったりすると、話のロジックがジャンプすることがあります。
あとで振り返ったときに,相手の理解に追いつくことがあるので、必ずメモや録音し,何かに記録するようにしています。