妻に先立たれて3年を数えたおじさんが指輪を外した時の話
表題の通りです。
妻が逝ってから3年が経ちました。
信じがたい、いや、信じたくないことに——妻の顔も声もまなざしも、ちょっとした癖も好きだったZARDのことも、妻に教わった信仰心も、すべてが薄まりつつあります。
悲しみもです。
泣かないようになりました。
ひとりで生きてゆけるようになりました。
ただし天国はあると信じています。
そのほうが妻が報われるからです。
信じるというか、期待しているというか。
妻が亡くなって3年。
5年の節目はもうすぐです。
3年経てば、5年まで半分以上過ぎたことになります。
今日はそんなおじさんが、結婚指輪を外した日です。
だれかに読ませる意図がある訳でもなく、
なにかを思い出そうとしている訳でもなく、
対になった妻の指輪は灰になっちゃったし、
自分と妻とのあいだを取り持つことに、モノに頼るのをやめてみようかな、と
そう思っただけの、いつもと変わらないすこし寒い一日の記録。