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感情を出してもいいと踊り場を作ろうと努めた、大切な関わり。。

こんにちは。
生命という器の中にある命
その命を生き切るために、死とは生きるとはを
そして命とはを共に考えたいと思ってます。
そのために、今大切な『愛するとは』について
考え生活している、とある看護師です。


昨日、私は、愛するとは
階段の踊り場があるように
生きるスピードが、急がれる中において
一度少し止まって
自分が、何を本当は思ってるのか、みつめて
じぶんが本当に想ってることを出していいんだ
表出していいんだと思い、表出できる場を
作る事~ではないかと記しました。

https://note.com/toarusekitomo/n/nbceb9d102055

そう考えさせてくれた患者様の御家族について、記したいと思います。
自分の中で
忘れずに、次につなげそして、共に生きていけるように。。

搬送された患者様の親御様が、下を向いて待合で、待機されていました。
患者様は、自分で自分の命を絶とうとしたと後日自ら言われており、
自殺をしようとして、自らを傷つけ、搬送されておられ、
今回で2回目。(幸いにも身体回復もされ、すぐにも退院となります)

 救急外来に勤務していると、遭遇するのが、
死にたかった、死にたいと思って
自らの生命を傷つけて、搬送される患者様です。
生まれてきた自らの体を傷つける、死のうとする
それは、想像しがたい光を見出そうとしても見えない
つらさ、絶望の中で、その方が、せざるを得なかったこと。
その方、その方、それぞれの心、感情があり、それは、
だれも責めることはできない。


 その当事者と同じくらい、もしかしたらもっと
苦しんでいる、悲しんでいる、揺れているのが御家族です。
上記のお母さまは
外来看護師としてご挨拶にいったとき、
誰にも視線を合わないように、端っこに、
気づかれないよう
申し訳なさそうにそこにおられた。空気のように。


 私が、ご挨拶のためにそっとお声がけをすると
ビクっとして、突然顔を上げお立ちになり
『本当にすいません!大丈夫でしょうか。』
と頭を下げられる。

~私は思いました。
~親御様が謝るお気持ち、その葛藤、
子を想い苦しむ気持ち
その尊さは、何よりも深い。
ですが

だから、長い目で、ゆっくりと、
みていきたい一緒に。。~


 通常なら、すぐに入院の手続き、書類の説明、
患者様に会ってもらうのですが
私は、
やめました。

救急車で運ばれる契機、どんなことがあったか
想うところなどを、一緒に話しました。
そのとき、親御様は、
時折、引きつった笑いを浮かべながら
『親として、本当に何度も申し訳ないと思ている』
『ちょっとした兄弟げんかを契機に、行動してしまっている
どうしていいのか。。薬も管理して多用しないようにしていたのに。』
という内容を
『申し訳ない』『すみません』という、言葉を繰り返しながら
表出されるのでした。


~様々な苦しみ、葛藤を抱えながら、それでも
子を守ろうとしているここまで育てあげた、あなたが、
何も謝る事はないんです。~
~学生とはいえ、自らの決めた行動。
それはある意味、
方法は違っているかもしれない。死のうとすること
それは、周囲もつらいこと。
でも、その行動が自分の想いを表現した
大事な自分の心を守り、今生きている!を
その子なりに表現している
その方の生きている表現。
だからその表現を共に見守っていきましょう~

そんな気持ちが湧いてきてその想いを乗せるように
全力で心を込めて、お話をお聞きしましたひとしきり。。


 そして私は、何を言っていいかわからなかったので
言葉少なにこう言いました。
『お母さまに私、看護師の前に
一人の人間として、お伝えしたいことがあって。。
今まで、あの方を生んでくださって
懸命に育ててくださって、
そして、またここで見守ってくださって
心から、ありがとうございます。
感謝を、伝えさせてください』
そして
『本当に、おつらかったですね。。』
そう、言って、一緒にしばしたたずみました。


 彼女は、
今まで引きつっていた笑いを、崩して
泣き崩れました。
それでいいと思います。。
泣いていい。
想っている気持ちを出してください。。
この一瞬だけでも。
また自宅に戻ったら母にならないといけない。

~今までずっと自らをせめてこらえていたはず。
親なのに、こんなことになって申し訳ない
親なのに、また守れなかった。。
その責任感と、その愛情、本当に
ありがとうございます。
でも、あなたが、無理したら、
家族も無理してしまう。
だから。。この一瞬だけでも。
よかったら、想っている気持ちを出してください~
その想いを込めさせていただき、その場に
共にいました。


 お母さま、あなたがいたから、
再び、あの子は、死のうとしたけど、また生きている。
 あなたがいたから、
あの子は、死のうとする行動をしながら
生きたい、生きているを彼女なりにきっと
表現している。
そう思って、共にこの入院期間を
彼女を見守り、彼女と話し
そして彼女を信じていきましょう。
共に。


 私たちは、
救急外来と入院期間の
限られた時間しか
搬送された患者様にかかわることができない。
そのあとも
患者様の人生が続いていく。
勿論その方を支える御家族も。


 私たちは、限られた場の身体状態の回復を中心とした
微微たることしかできない。それを自覚したうえで
それでも、
生きること、役割を務める事に懸命となる
直そうと必死となる、患者様とその御家族の
生き急ぐ中で見失う
気持ち、本当は表出したい気持ちを
出せる踊り場に一瞬でも
なれたらと。。。
そう、想ってます
が、まだまだですが、
記させていただきました。


いつも、時に、困難さや想いを抱えながら
その中で
子を信じ、愛し、慈しみ
育てておられる、全国の親御様に
深く敬意と感謝の気持ちを抱いて。。

このことを忘れずに、踊り場を作れる自分を目指して。。

精進していこうと決意した夜でした。
今日のあなたの、そして私の命に
ありがとう。
おやすみなさいませ。


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