見出し画像

命の神話の、その一片のその場にたたずみ生きていく

こんばんは
生命という器の中にある命
その命をよく生き
そしてよく死ぬ
そのことを考えそして生き抜く
とある看護師です。


それぞれが縦と横の糸が重なるように
御縁のもとに
それぞれの関わる人の
命の神話の一片のわき役になって
時には
大切な人の命の神話の主役張りに
常に共にいて
そして生きてる

そんな御縁もなく
私は一人で生きている
そんなことを想うあなたへ
あなたがそう思ったとしても
やっぱりあなたを支える
あなたの命の神話の一片に
携わる方がいる。
あなたの命が終わるとき
あなたの命が生まれた時
あなたの命が育った時
いつもいつもだれかしかが
あなたを支え、そしてあなたの命の神話を
みつめてるんだと思うのです。
私の人生も私の命もそう。
そんな命の神話にいつも絶妙なタイミングで
現れては、さよならする
現れて、時に人生を共にする
すべての人に感謝を込めて



1)今年は雪は降らないのかな。毎年思う私が覚えている命の神話~祖父~

 冬になると、私はいつも
『今年は何回くらい雪降るのかな』そう思います
祖父がなくなったのは私が小5の時。
突然祖母からの電話だった。
その時母が、
『泣いててもしょうがない。しょうがないよ』
そう言いながら泣いてたのを覚えてる。

 祖父が亡くなったときから
祖父の法要のときに、私達の住む地域にはめずらしく
何度か雪がふった。
私の記憶では、結構私たちにとっては
つもった感じを覚えてる。

雪にもかかわらず、来てくれた人たち。
車が大変だったといいながら、
来てくれた人たちを覚えてる。

お葬式の後に、
祖父と仲良くしてくれた方々が
ずっと祖父の話をしてくれて
飲食を共にして一夜を過ごしたのを
覚えてる。
雪が降る中来てくれて
そしてみな、帰っていって
今はその方々が誰なのか、
わからない方々もいらっしゃり
それでも記憶にあり
そして感謝を想う命の神話の一片。

それから、祖父のお葬式の後の
法要で皆で集まるときに
なぜか雪が降った。
そのとき、父と母が言う。
『おじいちゃんのために集まるとき
いっつも雪だな。』
私はこっそり想った。
おじいちゃんが雪になってふってくる。
きっとそうだ。

だから私は毎年思う
『今年の冬は雪にあえるかな』
今年は、まだあのくらいどっさりと
降る雪に会えてない。
だから雪を見に行きたい。。そんな風に思うのです。

2)皆で見送った霊柩車。その記憶を忘れない

 ~身寄りがなくて一人です~
そんな言葉を、聴くことが
職業の関係上、聴くこともある。

そんな家族が死別して
お一人で過ごされた方が
お亡くなりになったとき
いつかの、病棟の記憶。

その方は肺癌。
何度かの入退院を繰り返していた
その中で、
最後の入院は長くなった。
同じ病室にいる方も
様々だけど同じ疾患。

お互いが励まし合って
時にお話しに花を咲かせてるときもあった
看護師としてラウンドすると
その部屋でお話の中に
時々一瞬混ざり、笑うこともあった。
痛みやつらいことがあっても
彼らは、いつもお互いを思いやって
そして、慮ってた。

その『僕みよりがないから。。』
そう言っていた方
元気な時は料亭か何かをしていたのか
お話も面白くて、同室者に
おやっさん、おやっさんと親しまれてた。
疼痛や苦しさの中、
最期のとき個室に移動した。

息を引き取るとき、御家族はいない
私達医師、看護師と
お見送りするときに、
その個室の外に
誰にも言ってないのに
お願いもしてないのに
同室だった方々が、たたずんでた。
立って一緒に、そこにいてくれた。
『おやじさん、お見送りさせてくれよ。』
そういって
霊安室まで来てくださり
霊柩車をお見送りする医師と私とともに
みおくってくれた。
私達が形式的にお辞儀を深くする中
その方が呼びかけた。いってくれた言葉
それが響きわたった。
『おやじさん、ありがとな!』


彼も同じ肺がん。
彼だってその怖さを抱えている。
苦しみを抱えている
その中で、その方をおやじさんを
みおくってくれた。

『僕、身寄りがないから』
そうおしゃっていたあなたの
最期に、
あなたを想う方々が、
今こうして、見送ってますよ。
私は心の中でそう、想い、そうお声がけを
させていただきました。

私はこの一瞬を一生忘れない
そう思った命の神話の一部。

 ~私は思うのです
命がある限り
それぞれに命の神話があって
その命の神話のストーリーの
一片に、一瞬、一瞬に
数多くの方が
登場して、お別れして
登場しあって
そしてそれぞれが
ひっそり
その命の神話の一瞬を覚えて生きている。

だからもしあなたが
一人ぼっちそう思ったとしても
もしあなたが、
寄り添う片割れがいない、子がいない
そう思ったとしても
今このそのときも、
あなたを本質的に想っていて
そしてつながっている
そしてあなたとの日々を覚えて
繋がっている命があることを
忘れないでほしい。~

私は
命の神話の一片の
大切な命の終わりのときに
たたずむ
傍にいさせていただくことが多い
看護師として
大切に大切に
今日も生きていきます

今日のあなたの命に
あなたの命の神話にありがとうございます。
そしてあなたの
進行中の命の神話の
一片を覚えていて
もう御会いしない誰か、その御縁に
やっぱりありがとうございます。






いいなと思ったら応援しよう!