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資本主義社会の輪の外で

あいも変わらず経済的に困窮している。
ありとあらゆる金策が実を結ばず明日にも絶えそうな命を結び止めるのに精一杯だ。

「障害年金」という制度がある。
ざっくり言えば障害を抱えてる人で過去に年金を納めていれば2ヶ月おきにいくらか支給しますよ、という制度。
しかしこれ、受給要件がめちゃくちゃ厳しい上にもらえる金額が超少ない。
月々に直すと高校生が夏休み必死こいてバイトした方がまだマシなんじゃないかって額しかもらえない。

厚生年金と基礎年金の2種類があるが、いずれも最低条件として「普通に社会で労働するのは厳しいですね」というレベルの人に対して支給される。
逆に言えば「おたくは社会で働くのにまるで向いてないので2ヶ月にいっぺんお金振り込む代わりに大人しくしててください」ってことである。
でも、じゃあ「働かなくても生きていくだけに充分な額」が支払われるかというとそうではない。
むしろ圧倒的に不足している。

つまり「あなたは労働という制度にまるで向いていません。国がお金を渡しますからその中でやりくりしてください。何?額が少ない?文句言うなよ、ショーガイシャが贅沢しようなんざ100万年早いんだよ。金がもらえるだけありがたいと思って霞でも食ってろバーカ」って制度なのである。
少々言いすぎなのかもしれないが個人的には平気でこれぐらい感じている。

円安に伴う物価高騰で健常者様もヒーヒー言っているとは思うが、精神障害者はその土俵にすら立たせてもらえない。
健常者が「なんとか切り詰めてたまに贅沢するか」と言っているのを傍目で見ながら、到底切り詰めた程度では追い付かない額でただ口をパクパクとさせるしかない。

完全に資本主義社会から切り離されている。
働いて増やすことも、ギャンブルで増やすことも許されず、かといって自死などという選択肢は当然選ばせてももらえない、そんな中でもはや「生きている」と表現してもいいのかどうかわからない在り方を迫られている。

世の中には「精神病は甘えだ、金が無いなら働け、選ばなければ仕事はいくらでもある」などと厳しい言葉をかけてくる者もいるが、こちとら仕事に「選ばれなかった」側なのでそんなこと言われてもどうしようもないのである。
もし仮にお前の職場に「月に何回か精神科に通わなくちゃいけなくて薬を飲まないとマトモに頭も働きません、でもやる気はあるので雇ってください」なんていう職歴穴だらけの人間が来て「よしわかった」と雇う気になるか?
ならんだろ?むしろ「邪魔だなぁ、一緒に働きたくないなぁ」って思うだろ?

幼少期からずっとみんなの輪に入れず、社会に出たら出たでシステムの一部として組み込むことすら拒絶されずーっと隔離され続けるのだ。
そうして「普通に」会社に雇われ「普通に」働き「普通に」金を稼ぎ「普通」に適度な消費をしながら暮らす「普通」の人達を見て「いいなぁ、俺もあんな風になりたかったなぁ」と思いながら死んでいくのだ。

ずーっと輪に入れないでいる。
ずーっと、みんなの背中を見つめている。

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フルーティなずんだ餅
割とカツカツな人生の足しにします。割とどころじゃなくてマジでカツカツなのでサポートしてくださるとありがたいです。