J2第4節 ~アビスパ福岡vsファジアーノ岡山~ マッチレビュー【アビスパの開幕戦はいつだろう?】
1.挨拶
どうもハラショーです。
最近自分のツイートから色々拡大してアビサポ内で騒がしくなってたそうで…(笑)
自分としては皆の意見も聞きたい本音を引き出したいという意図もあってか結構きつい発言をしてみました。反対の意見が出たのは想定内です。
ツイートが別の意味で捉えられてしまったりしてたのはツイッターの難しいところでもあり反省点。
なんにせよ皆の本音が聞けたのは凄く嬉しいし、アビスパに対する想いや考え方を見れたのは良かったと思います。フラストレーション溜まって吐き出したい方もいたし…自分もその1人。
では切り替えてマッチレビュー行きます。
2.初めに
自身初のマッチレビューということもあり、月曜の帰宅後目を血眼にさせながら試合を見ることに…負け試合繰り返し見たくない…(´・_・`)
自身の記事でアビスパの課題やファビオペッキア監督の狙いが見えてくるといいかなと思います。
今回の説明、5レーン(ピッチに縦の線引いてます。)と左利きCBについての話も少し話しますが、詳しいことはこのワードで調べてもらうのが有難いです。時間があれば自分も記事を作ってみますが、似たような内容になると思います。
3.スタメン
当日の両チームのスタメンはこちらになります。
アビスパ福岡は433、ファジアーノ岡山は442となります。
アビスパは前節スタメンだったドゥジェが世代別韓国代表選出の都合で離脱、3試合ノーゴールとピリッとしないキングジョーゴがベンチに行き、スタメンに開幕から面白い動き(褒めてる)を見せている前川と新加入の韓国人FWヤンドンヒョンが入りました。
そして4231から433に転換しました。
4.アビスパ福岡とファジアーノ岡山の狙い
前後半のレビューを見る前に90分見てのお互いの狙いをざっくりと話します。
アビスパ福岡の狙い
攻撃面では
・5レーンを活かしてピッチを幅広く使い。岡山の442ブロックを崩す。
・岡山の選手の間に選手を配置することで、誰がプレスをかけるかを迷わせる。
守備面では
・イヨンジェをDF陣が協力して封じる。ボールポゼッションを行い相手の攻撃回数を減らす。
ファジアーノ岡山の狙い
攻撃面では
・イヨンジェを走らせるor頭にめがけて放り込み、アビスパ守備陣を質的優位を活かして後手を踏ませる。失敗してもセカンドボールを拾って波状攻撃。
守備面では
・サイドの石原、松田を奪い所に設定し、囲いこんで奪う。鈴木惇へのパスコースは基本切るor2トップがマークを受け渡しながら監視。
この構図に見えました。
5.前半の戦い方(福岡の攻撃)
当日は風がやたら強くコイントスも大事になってた試合で、前半追い風を選択したアビスパですが、前半で点を取れなかったことは敗因の1つに挙げられます。
後半逆に岡山に風を活かされてやられましたし…
アビスパはキックオフからビルドアップの形状を特殊な形にしています。
3節の京都戦からなんですが、輪湖をCBと同じ位置まで下げ石原を前に上げる形の3133のビルドアップを用いています。
どうして輪湖下げるのと思って見てたんですが、京都が541でも普通に輪湖を下げてたので味方に問題があるのではと思って見たら…
1.左CBの篠原が左足でパスを出せないため。
(37分,77分周辺の対応はわかりやすいかと)
↓
長崎戦まで用いてたボランチが下がってくるビルドアップの場合、より左側にCBが来る形になり右足が露わになり、奪われるリスクが中央より高まる。
↓
惇だと左利きだが守備で怖い。今回はイヨンジェもいるし…
↓
左足で蹴れてそれなりに守れる輪湖を下げるしかない。
こうなるかと、三國君がいる場合だとサイドに追い込まれても左足でクリアしてたのもありましたが…左利きのCBがいないのでこればかりはチーム事情なのかな…逆足鍛えるのどのくらいかかるんだろう?
アビスパとしては2トップのプレスを掻い潜り、鈴木惇に渡して展開する狙いだったが、岡山の2トップはお互いチャレンジ&カバーをしながら鈴木惇へのパスコースを切りつつ、先述の弱点を持つCBがもたついた瞬間を狙ってプレスをかけてきたことでアビスパのミスを誘うシーンが見られました。
そしてアビスパのサイドでの攻撃に関しては、右サイドを多く活用していました。その理由として、
1.石津と石原という攻撃面で勝負をかけれる選手が右にいるため。
2.松田力は本職FWでサイドで勝負をかけるタイプではない(前半謎の覚醒を見せてドリブルで抜いてミドルのシーンがあった…)ためビルドアップ時はSBのピン止めを行い、右から仕掛けた時は中に飛び込んだり、ファーに構えたりしていたため。
3.輪湖がCBのビルドアップに加担しており、左サイドの人数と突破力が無かったため。
これらの理由があると思います。
前半5分のGKのビッグセーブで止められたシーンは2の部分でしょう。
にしても偏りすぎてるんでファビオからもっと左も使えと言われてましたね。
あとは石津が大外から中へ仕掛ける時に、石原がハーフスペースからスプリントして大外のスペースに侵入するシーンが前半5分含めていくつかあったのでそこはチーム内で決めてるみたいですね。レーンを活かした攻撃は右サイドでは前半機能していたと思います。
石原は岡山の仲間の後ろでハーフスペースと大外のレーンで位置取りをちょくちょく変えていたのでこの辺りの駆け引きも多かったと思います。それが石原のパス数の多さを表してたと思います。
彼の守備力を考えてもSBよりは前の方が活きると思います。それはファビオが長崎戦で終盤ウィングのあたりに配置したことからもわかりますね。
6.前半の戦い方(福岡の守備)
前半はとにかくイヨンジェに渡す形になっていたため、齋藤と仲間と久保田がセカンドボールを徹底的に狙う岡山に、福岡はセカンドボールをあまりに拾えずにペナルティエリアまで侵入されるシーンが多くなります。
イヨンジェに強引にアタッキングサードまで運ばれるシーンも度々…韓国のルカクみたいでした。強すぎる…
理由として岡山のFWとSHがスピードが非常に速く、守備陣は手を焼いて後手を踏むシーンが多かったため。
その結果アビスパがカード4枚を貰ってしまうことになるのだけど…
7.前半の戦い方(1失点目のきっかけの被カウンター)
アビスパサポーターの中でも気になってると思われる。松田のファウルの必要性と石原のロストシーンに触れていきます。
この2人に非があるかと言われるとNoとは言えませんが、彼らが原因でこうなったとは思いません。
フリーキックは上田がうまかったので触れません。
まず石原がロストする場面。
前川にスローインを渡して石原に返ってくる。
この時点で石原のパスコースはありません。
岡山が追い込んだのを褒めるしかないと言いたいところではあるんですが、何故かアンカー役の鈴木惇が高い位置にいた事にビックリしました。
その20秒前では普通にアンカーの位置にいたんですが、持ち場の放棄はして欲しくなかったなと…赤の位置にいて欲しかったですね。
いたら防げたのかと言われるとなんとも言えませんが少なくとも数的同数のカウンターを受けることはなかったと思います。
その結果仲間、齋藤、イヨンジェvs篠原、實藤、輪湖の3vs3になっているので3人とも迂闊に取りに行けない状態になってしまいました。(一応この場面はディレイが鉄則だが距離が遠いのでディレイが厳しい)
実はこのシーンと似た場面が京都戦にもありました。
岡山戦の1失点目のきっかけのシーンと京都戦の失点シーンを比較してもらうとわかるんですがサイドでどちらも囲まれてる状態です。前節は松田、今節は石原が囲まれてのロスト。(どちらもアタッキングサード以外)
どちらもサイドでパスコースが消えてます。ここは相手に研究されてる可能性はあると思います。
そもそもなんの意味もなく前にスルスル上がってくのは伝統なのかな…?
ただ松田は相手の最終ラインの位置から良く戻ったと思いますし、良くカード無しで済んだなと…。結果的に失点になりましたが献身的に長い距離を走って戻ったのはいいことです。
8.後半の戦い方(福岡の攻撃)
後半は大外に構えることが多かった石津が中に入り込み、石原が石津のいた大外に構えることが増える。その理由は、
1.ビハインドの状況なのでシュート精度の高い石津をシュートが打てる位置に置いて同点を狙いたい。
↓
そうなると右サイドに人がいなくなるので足の速い石原を大外に配置。
2.強い向かい風が来る後半なので石原に長距離スプリントさせるのはきついので距離を短くして負担を減らす。
と推測しました。
配置は以下になります。
表では満遍なく配置してますが、全体的に岡山はリードしていて(彼らから見て)追い風のためブロックをがっちり固めて来ました。これが功を奏したのか惇へのマークが緩くなり、パスが繋がるようになったと思います。
そして待望のアビスパの得点シーン。相手が引いたことによりヤンドンヒョンがエリア内で勝負できる機会が増えました。前川が斜めの動きで相手2人を引き付けて松田力にパス。松田が鈴木惇のようなクロスをあげてヤンドンヒョンがボレーで仕留める。
ヤンドンヒョンのボレーも見事でしたが松田、何が起きたんや。その前の過程で實藤がドリブルで持ち上がるシーンも好印象でした。
私の時間が確保できれば得点シーンはツイートで解説してみようと思います。
そしてもう1つ、決定機にはなりませんでしたが60分頃に見せたアビスパのパスワークは可能性を感じさせるものがありました。
セランテス→輪湖→鈴木惇→ヤンドンヒョン→松田→輪湖→前川と繋いで一気にペナルティエリアに侵入しかけたシーンですね。この崩しは次節以降も継続して欲しいと思います。普段左足に持ち替える癖のある惇ですが、このシーンではダイレクトで速いパスをヤンドンヒョンに供給してました。少ないタッチからのパスは今後増やしたいですね。
交代で田邉に変えて喜田、前川に変えてミコルタを投入したあたりでアビスパのフォーメーションが変わります。
鈴木惇と喜田が横に並んだダブルボランチを形成します。4141対策ですが理由は後述。
終盤に石津に変えて城後を投入し442に変えたと同時にロングボールを2トップに放り込むシーンが増えてきましたがアンカーにフレッシュな武田選手がいた事やアビスパ側の疲れからか尽くセカンドボールを回収されてしまいました。
後半からビルドアップに参加していた輪湖もオーバーラップに参加し始めて左サイドの攻撃が活性化し始めましたが時すでに遅し…
最後の最後に鈴木惇のリスタートからミコルタに鋭いパスが飛び出しましたが惜しくも得点ならず、右のアウトで蹴ろうとしてましたが左でループを狙った方が良かったかなと思いましたが、この形は去年の鈴木惇→ドゥドゥのラインを彷彿とさせました。
9.後半の戦い方(岡山の攻撃)
岡山の攻撃は前半と同様ロングボールをイヨンジェに目掛けて、セカンドボールも拾っていく狙いを継続。90分間それが変わることは無かったと思います。ただロングボールが追い風に乗ってアビスパの脅威になってしまい。失点シーンを招くことに。正直この失点をアビスパの選手に責めるのはやや酷かなと思いました。前半のうちに叩けなかったツケが後半に来てしまいましたね。
アビスパの選手交代にスムーズに対応してくる岡山に終始手を焼いたと思います。喜田を投入して433になった時に433のアンカー脇を突くかの如く仲間が侵入(62分頃、石原喜田石津で挟み込むが石原がイエロー)してきたりしてきました。
その後、アンカー脇を使いますよと言わんばかりに武田を投入し4141に変更。
ファビオもそれに呼応するかの如く4231にして噛み合わせを修正後城後を投入し442に変更。
ただ疲れからプレスの強度が落ちてしまい。城後がプレスバックに走るシーンも増えてしまったと思います。
ファビオの交代に意図は見えましたが、すぐ封じ手を投入された辺りは岡山の交代カードのバリエーションの多さを物語ってました。
10.両監督の選手交代の意図まとめ
アビスパ福岡
61分 田邉→喜田
・高精度のパスを供給してくる上田対策とヤンドンヒョンのポストプレイの回収役かと、岡山のセカンドボール奪取のサポートとするならプレイ位置が高いため無し。その後前川とミコルタの交代以降鈴木惇とダブルボランチを形成する。
67分 前川→ミコルタ
・スピードのある選手を投入して同点を狙う。ミコルタ投入後、石原のオーバーラップ頻度は減る。前半走り回ってたのもあるが…
75分 石津→城後
・ビハインドのため442に変更して得点を狙う。ただ岡山の4141変更と、疲れによるプレス強度低下により、岡山のアンカー武田へのプレスに回されるシーンも多かった。
ファジアーノ岡山
74分 久保田→武田
442から4141への変更を行うため。福岡がアンカーを置いた433を採用しているためアンカー脇に選手を配置しスペースを活用。
78分 喜山→椋原
恐らくミコルタ対策。椋原投入後、彼を嫌がったかどうかはわからないけど、松田とミコルタのサイドが入れ替わる。
86分 イヨンジェ→レオミネイロ
試合を通して消耗が激しかったイヨンジェを下げ、スピードのあるレオミネイロを投入、後半の追い風を活かした裏抜けとスピードで福岡のディフェンスラインのアップを躊躇わせる。
11.アビスパのポジ要素と敗因
試合は負けてしまいましたが今試合のポジティブな要素をいくつか挙げてみます。
1.ヤンドンヒョンが加入早々結果を出した。
コンスタントに決めてくれれば
勝ち点はまあまあ拾えそう。
2.石原と石津の相性はなかなか良さそう。
守備は相変わらず不安だが攻撃力はある。
3.前川のオフ・ザ・ボールの動きは効いていた。
彼の動きから同点ゴールが生まれる。
4.ミコルタ、喜田を途中からだが起用出来た。
今後も出場機会は増えてきそう。
次に原因はいくつかあるんですが大きな敗因に関しては
1.追い風の前半で得点が決まらなかった。(運要素もある)
2.ネガティブトランジションの弱さ(特に中盤)
3.サイドでのパスコースの不足(アタッキングサードは除く)
この辺りですね。
特に3に関しては京都戦から改善はしておらず、新潟も狙ってくると思います。チームがこの課題をどのようにして克服するのかは気になるところです。ただ、選手の成長なくして躍進は無いと思っています。
12.最後に
いかがでしたか?
ファビオの目指すサッカーが浸透するには選手のクオリティがまだまだ足りておらず、時間がかかってますね。開幕戦まだかなあ…(笑)
4試合を経て内容が良くなったりする部分はあるものの上昇のきっかけは掴めてない状態です。どっかで結果に結び付けば一気に上昇する気配も無くはないんですが…。残り38試合応援していきましょう。
以上