“ニセコバブル”の裏で起きていた介護危機 高い賃金の業種に働き手が流れ…人手不足なのに「訪問介護」基本報酬引き下げで全国から悲鳴 ヘルパーが来なくなる日も?【news23】・・・という記事の紹介です。
今日は、3月の定例会議と研修会、そしてサ責向けの個別研修会でした。
定例会議では直近の利用者さんの情報共有や新規の方の情報共有、研修は消費者被害についての内容でしたが、やはり事前にnoteで頭の中を整理していたので伝えやすかったです。
個別研修は、心理的安全性、ソーシャルワーク、スーパービジョンという3つのテーマでしたが、それぞれ相互に関係のある内容だったので準備に研修を進めながら振り返りで前の研修内容を振り返ったりして、こちらも事前にnoteで頭を整理していたので結構いい感じで内容を伝えられたと思いますし、職員も言いたい事を言えている感じがしたので心理的安全性について実感も出来ました。
最後に、感染と災害のBCPについて資料を配布してサラッと説明。
自然災害については、厚労省も推奨している携行カードを作って万が一の時にすぐに手元で確認できるように工夫するという事で、厚労省が示しているカードの例示に地域の特徴や事業所の事を当てはめた案を紹介しながら、免許証サイズで工夫して作る事で確認できました。
定例会の後は、みんなでランチに行ったりして目前に迫った2024年度に向けて、改めて引き続き頑張っていこう、という感じになったかな、と思います。
さて、今日はこちらのニュースを紹介します。
ニセコバブルというのは結構有名で、北海道でもニセコは上質な雪質や自然が評価されて外国人観光や、観光客向けの商業施設が凄い勢いでできている、というのは聞いていましたが、まさか時給がそんな事になってるとは思ってなかったのでびっくりです。
完全に海外の物価ですね。
肉うどんが2500円と聞くと、いったいどんなモノかと思ってしまいます。
それでも海外より安いと聞くと、本当に日本の物価や賃金というのは世界の流れから取り残されていたのだなぁと思います。
そこまで物価が高くなっているという事は、賃金も高くなっているはずなので、今後、日本の他の地域でも物価高騰が進んだ際に、どのくらいの時給設定がよいかの一定の判断基準になりそうです。
かつ丼が3200円、肉うどんが2500円になれば、清掃のアルバイトの時給は1900円、平均時給だと1742円くらいになりそうです。
ただ、現状で東京の平均時給が1481円というのは北海道にいると実感ないのですが、都心部ではかなり時給がアップしている感じですね。
そりゃそうですよね。
ただでさえ人気がないヘルパーの仕事ですから、地域の時給の平均が1700円にもなれば太刀打ちできません。
ちょっと気になったのが4人のヘルパーで65人の利用者さん、という所。
当事業所は、僕も含めた4人のヘルパーで目標を100人の利用者さんとしているので、やはり訪問件数の総数が増えれば収益上限も引きあがる訪問系の事業なので、どこまで利用者さんを増やせるかがポイントになると思うのですが、そういう部分でもこれまでどおりの運営では限界が来るという事なのかもしれません。
当事業所では、ようやく介護と障害の利用者さんを合わせて90人という感じです。まぁ調整は難しいですし、4人で訪問に入れるキャパシティや室蘭・登別・白老といった長大な営業範囲の事もかんがえると、目標の100人に対して90%の到達が現実的な限界点なのかもしれませんが・・・。
1日10件訪問しているとしたら結構無理して回っていると思います。
当事業所でも目標は1日8件ですので、それ以上の実績があるという事ですから、結構過密だと思います。
1日10件で65人という事は、一人当たりの訪問回数が週3回くらいあるのかなぁ。
記事では、それまでは週3回の利用者さんが、今では週1回に減っているという内容ですね。
こちらの方は調理で週1回との事ですが、限られたマンパワーですので、他に介護が必要でヘルパーでしか出来ないような身体介護等の内容が優先されるのは当然ですので、ヘルパー不足という状況は、これまで使えていた生活援助のサービスがヘルパーでは使えず、使えたとしても民間サービスしかないという状況で、それも都会ならまだしも田舎や地方では絶望的になるんじゃないかなぁと思いますので、これからは今までのあたりまえが通用しなくなるので、ケアマネのケアプランについてもこれまでのやり方が踏襲できなくなると思います。
まぁ、そういう事もあるからだとは思うんですけど、ケアプランに保険外サービスの位置づけをしなさいよ、という流れにもなっているようです。
国としては、高齢者の数がピークを迎える2040年頃まで何とか乗り切って、そのあとはどんどん高齢者の数も少なくなるはずなので大丈夫だろう、なんとかなるだろう、と思っている節があるのですが、高齢者の数と一緒に労働人口も減るので状況はずーっとずーっと厳しいままだと思うんですよね。だから今の内に対策しておくべき、と思ったのですが、その時期にあった介護報酬の改定がプラスだったとはいえ、そんな状況をこれなら打破できる!と誰もが思えるような内容ではなかったので本当に厳しいです。
記事での指摘の通り、人材の流動に比べると遅い対応で、それも最近の更に加速していく状況にはまったく対応できない対応です。
そう、これから介護職が増えないといけない時期に、入職者より離職者が多くなってしまった状況で、思い切った対策が取れなかったのが現状です。
今後、この離職数と入職数の比率が同じだとして推移するとして、毎年7万人が介護現場から減っていく計算になります。
2040年まであと16年として、112万人の介護職が減る事になり、現状で不足している69万人と併せると2040年には、181万人の介護職が不足してしまう事になります。
他産業の賃上げは5%くらいの所が多いですよね。
そう考えると、国が示した2.5%という数値自体が状況を甘くみていたというか、ちゃんと想定してなかったんじゃなかろうか、と思えるような内容です。
ただでさえ介護職が減っていて、これから必要な時期で、その時点で他産業より7万円も賃金が低い状況の業界に人を増やすための施策をしないといけないこの時期の報酬改定で、2.5%の賃上げの想定しかしていないわけです。
しかも2025年度は2.0%の賃上げの想定です。
もう2026年度まで賃上げ競争に勝てる見込みがないという状況です。
その上で、そういう競争力に費やせる原資になるはずの基本報酬が減らされるわけですから、ますます対策も対応もとれなくなってしまいます。
すぐ対応が必要な案件だとは思いますけど、おそらく何も動かないんじゃないかなぁ、報酬改定の動向をしばらく見守る、としていたので、対策を講じる頃には確実に手遅れになっていると思います。
これはうまいことやられた感じです。
審議会のメンバーは資料をあまりちゃんと読み込んでないのでしょう。
利益率だけ見られて、全体の4割の事業所が赤字という事実があるのであれば、さすがに色々交渉できたと思います。
まぁ、国は大規模法人に介護事業を統合して効率化を進めたい意向があるので、赤字の小さい所は潰れて欲しいという意向があると思うのですが、だったら最初からい一定規模の大規模法人の業務委託したらよかったと思うんですけどね。
負けるもんか!と思っちゃいますね。
本当に資金力(体力)がないと何もできないんですよね。
そればかりは痛感です。
なので、基本報酬がマイナスになるのはかなりしんどいです。
既に現時点でも受けられないサービスがある状況です。
ヘルパーの平均年齢は全介護事業の中でもトップクラスに高くて54.4歳です。
現状でも入職者がない状況ですから、あと10年もすれば平均年齢が65歳になるわけですけど、2040年のピークまで更に10年残されているわけです。どんなけ不足が加速していくのか、普通に考えたら誰にでも想像できると思います。
臨時に対応できるかなぁ、それが出来たらそもそもこういう事態が想定できて対策とれてると思うんですよね。
介護保険については、40歳以上の人は保険料支払ってますけど、結局使えませんよね、これからは。
年金問題もありますけど、介護保険が使えない問題もこれから問題になってくるかもしれませんね。
今後、賃上げと物価高騰が進んでいくと、全国でニセコのような状況になっていきますので、そういう流れに介護業界は確実に乗り遅れる構造になっていますから、本当に人材確保は困難になります。
基本報酬が下げられたんでうちらのような小規模事業所には何もできませんので、大手企業と国でしっかり対策してください。