40歳会社員の8割「介護保険制度の見直しに不安を感じている」 - 特に不安なことは?・・・という記事の紹介です。
昨日は、来年度の介護保険改正の大まかな流れを紹介する記事を紹介しましたが、その中でも現役世代へのこれ以上の介護保険料の負担増は避けるべき、という内容もありましたので、こちらのニュースの内容が気になりましたので紹介します。
一番の不安は、やはり毎月お給料から天引きされる介護保険料の増額ですね。
ちょっと意外だったのが、利用者負担の引き上げに不安を感じている現役世代の回答が多かった事でした。
もしかしたら介護しながら仕事をしている人が多くて、介護を身近に感じていたり、親の年金だけでは必要なサービスが利用できずこれ以上利用料が増えると困る、という実感があるのかもしれませんね。
利用者負担の増は、来年度の改正でかなり可能性が高いと思っていたのですが、現役世代からこれだけ反対している実態があるのであれば違った見通しにもなりそうです。
物価高騰と賃金が上がらない現状がありますので、家族全体で支払っている支出がこれ以上増えないようにしたい、と思うのは当然ですよね。
3番目に不安というのが介護保険料支払い開始年齢の引き下げでした。
既に介護保険料を支払っている40歳以上の現役世代へのアンケートなので、引き下がったとしても影響はないのですが支払い開始年齢の引き下げにも大きな不安を感じているという結果です。
介護保険制度の見直しについては、やはり介護保険料の軽減がトップで、利用者負担の軽減が2位なので、不安に感じている事をちゃんと解消してほしい、という事がアンケート結果からも見て取れます。
3位に利用で来るサービスの増加、というのが来ているのが興味深いですね。
介護保険制度で使えるサービスが使いにくいという事でしょう。
特に40歳以上の現役世代へのアンケート結果ですから、仕事と両立するには現状の介護保険制度のサービスでは不足している、かゆい所に手が届いていない・・・だから介護離職が増えている・・・それが経済損失9兆円にも膨れ上がりそうになっている・・・という事なんだろうと思います。
来年度の介護保険改正で、こういう要望をどこまで反映できるかで大きく違ってくると思います。
特に今回のアンケートの現役世代の意見は重要です。
これからの超高齢社会を仕事と介護を両立しながら支えていく世代が満足できる制度にならなければ、それこそ持続可能な制度とは言えなくなってしまいます。
先日、介護福祉士会の研修会で勉強したケアラーの課題についても、20年前の介護保険制度創設時と今の社会情勢は大きく変化していて、当時のルールでは在宅介護を根底で支えているケアラーを守れない状況がはっきりしてきています。
労働人口が減少してくこれからの日本の中で、現役世代が仕事を続けやすい環境の整備は必須の課題です。
介護保険制度は、そういう現役世代を下から支える制度であるべきと思います。
2021年の記事なので今は違うかもしれませんが、報道を聞いている限り方向性は変わってないと思います。
働く労働層の意見では、利用者負担の増は高い要求としてアンケート結果としても出ていますが、大企業を経営する経営層はそうではないようです。
個人的な推測ですが、おそらく介護に関わってないからじゃないかと思うのですが・・・。制度をつくる議員さんも介護って関わってそうにないですよね、きっと・・・(勝手な想像ですけど)。
さてさて、政治というのは常に弱者に目を向けたものであってほしいと思う今日この頃でした。