胃がん/食道胃接合部がんに対する免疫化学放射線療法 ー 第2相試験 Neo-PLANET ー
Tang Z et al. Nat Commun. 2022;13:6807. PMID: 36357415
<背景>
・胃腺がんに対する術前(ネオアジュバント)治療における免疫療法と化学放射線療法の相乗効果は不明です。
・今回の第2相試験(NCT03631615)では、局所進行胃がん/食道胃接合がんを対象として、免疫療法と化学放射線療法の併用を調査した。
<対象と方法>
・36例の患者に対して、カペシタビン 850 mg/m2を1日2回投与し、同時に5週間にわたる放射線治療を行った。
・同時化学放射線療法の前後にオキサリプラチン(130 mg/m2)+ カペシタビン 1000 mg/m2 1日2回(days 1-14)による化学療法を行った。
・抗PD-1抗体であるカムレリズマブ(camrelizumab)を化学療法開始より5サイクル投与した。
・主要評価項目:原発巣の病理学的完全奏効率(pCR, pathological complete response、ypT0)
・副次評価項目:全病巣の病理学的完全奏効率(tpCR, ypT0N0)、MPR (major pathological response, 残存病変 10%以下)、断端陰性切除(R0切除)率、ダウンステージング率、無増悪生存(PFS, progression-free survival)、全生存(OS, overall survival)、安全性。
<結果>
・病理学的完全奏効率(pCR)は33.3% (95% CI, 18.6-51.0)で、予め設定したendopointを達成した。
・全病理学的完全奏効率(tpCR)は33.3%、major pathological response(MPR)は44.4%、R0切除率は91.7%であった。
・28例(77.8%)の患者ではypN0であった。
・2年無増悪生存率(PFS)66.9%、2年全生存率(OS)76.1%。
・主なグレード3-4有害イベントは、白血球減少(75%)であった。
<結論>
・局所進行胃がんに対するカムレリズマブ併用の免疫化学放射線療法後の病理学的奏効は有望な結果で、安全性プロファイルは許容範囲内のものであった。