なぜ若者は選挙に行かないのにアイドルへの投票はするのか
近年、AKB48やJO1など、ファンの投票でメンバーが確定するようなアイドルグループが多く誕生しています。
自分も周りの友達もこれらのグループにハマっている人が多く、投票券を獲得するためにCDを爆買いしたり、毎日コツコツとネット投票をするといった光景が当たり前になっています。
このように、アイドルを応援するための投票が若者を中心に当たり前となっています。
そんな中、政治家を選ぶ選挙に関しては、若者の投票率の低さが問題視されています。
先月31日に衆議院選挙の投開票が行われましたが、全体の投票率は戦後3番目に低い55.93%だったそうです。
年代別の投票率は分かりませんが、前回の投票率を参考にすると20歳代の投票率は30~35%程度だと思います。
お恥ずかしながら、私は投票していない約70%の若者の1人です。
自分を含め、なぜ若者はアイドルへの投票はするのに、政治家への投票はしないのか、私なりの考えをまとめたいと思います。
アイドルへの投票をする理由
近年、AKB48やJO1など、ファンの投票でメンバーが確定するようなアイドルグループが多く誕生しています。
また、NiziUやBE:FIRSTなど、投票の仕組みはなくてもオーディション段階から応援でき、デビュー前に人気が出るようなグループも増えています。
私が、このような投票や人気でメンバーが確定するアイドルグループを応援する理由は大きく2つあります。
①育成感が得られる
自分が投票・応援することで、推しがメンバーに選ばれて活躍するという、育成感が大きな魅力だと思います。
本来ならばプロデューサーがメンバーを選ぶところを、ファン自身がアイドルの姿を吟味して選ぶことができるので、プロデューサーかつ親のような気持ちになります。
そのため、リリース後、デビュー後も自分ごとのように応援したいと思うようになります。
②発掘感が得られる
多くのアイドルの中から歌唱させたいメンバーやデビューさせたいメンバーを探して応援するので、「自分がこのアイドルを発掘したのだ」という気持ちになります。
また、後々有名になった時に、自分はリリース前・デビュー前からこのアイドルを応援していたのだというマウント(優位性)をとることができます。
このように、たくさんの原石の中から宝石となりそうな原石を発掘・育成し、宝石になっていく過程を見ることができる点が、投票でメンバーが確定するアイドルグループを応援する魅力です。
アイドルが遠い存在ではなく、自分ごとのように身近な存在になっていると思います。
政治家への投票をしない(選挙に行かない)理由
私が政治家への投票をしない(選挙に行かない)理由は、以下の3つです。
①政治に関心がない、自分ごと化できていない
私は今年で21歳になりますが、生まれた時から既に平和で安定した社会がありました。
学校で戦争やバブル崩壊といった出来事を習いましたが、あくまで過去のことであり、自分とは無縁な感覚を持ってしまいます。
このように、自分が政治に参加していなくても平和で安定した社会があるのが当たり前だからこそ、有権者となった今も政治に参加する必要性があまり感じられないのだと思います。
そして、これまでの人生で特段不自由に感じることがなかったので、社会を良くしたいという思いも薄いですし、政治に参加したところで社会が良くなる感覚がイメージできません。
政治に関心がなく、自分ごと化できていない原因はここにあるのかなと思います。
②自分の1票の価値を感じない
上で述べたようにそもそも政治に関心を持っていないので、どんな候補者がいて、どんなマニュフェストを掲げているのか、把握できていません。
そのため選挙に行ったとしても、名前やぱっと見の印象で決めてしまうと思います。
そんな意思のない票を投じても意味がないと思いますし、意思のある票を投じている方々に申し訳ないから、選挙に行かないという判断に至ります。
また、上で述べたように政治を自分ごと化できていないということもあり、大勢の有権者の中の1人である自分が参加したところで、大した影響はないだろうという思いもあります。
③選挙に行く時間がない、面倒、優先順位が低い
わざわざ決まった日にちに投票所まで行って投票するという行為は、時間もかかりますし面倒に感じます。
特に今は就職活動中なので、選挙に行く時間よりも自分の目の前のことに時間を割きたいと思ってしまいます。
ただ、仮にネット投票など時間をかけずに投票できる方法があったとしても、①②の前提があるので投票はしないと思います。
そのため、選挙に行く時間がないというより、政治に参加することの優先順位が低いというのが正しいかと思います。
選挙に行かない理由を3つあげましたが、①政治に関心がない、自分ごと化できていないために②③の理由が発生しているので、根本的には①の理由に集約されるのかもしれません。
結局何が違うのか?若者が選挙に行くにはどうしたら良いのか?
投票の目的や効果が異なるので一概には比較できないですが、
アイドルへの投票はするのに政治家への投票をしないのは、政治を自分ごと化できていないからだと思います。
もっとオープンに政治の話が飛び交う環境にする、半強制的に選挙に参加するような制度をつくるなど、政治や選挙を今より身近に感じることができなければ、若者の投票率は上がらないと思います。
ただ、制度や環境に頼るばかりでなく、一人一人が少しずつ政治・選挙を自分ごと化していくことも重要だと思います。
私も有権者の1人として、日頃から政治・選挙に関するニュースを意識的に見ることで、まずは政治・選挙を自分ごととして考えられるようになりたいと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?