流麗な握りを供する、若き気鋭な鮨職人。
東京築地にある「鮨処やまと」さん。鮨界で最も有名な「日本橋蛎殻町すぎた」さんで修行されていた御主人が店を構える此方のお店。
お若い御主人だが、凜とした空気を纏っておられる。
酒肴と違い、握りに主を置いた鮨店らしい肴。
鮃と鳥貝。
大きな平貝と青柳貝。
神奈川県佐島のわかめ。温かく香りが立つ。
花わさび、しっかりとりた辛さの余韻。
穴子の白焼き、香ばしく身がふっくら。
一貫目は小鰭から。皮目から歯が沈み、香りが高まる。
シャリは穏やかに酸味と塩気を感じさせ、甘味が存在感を放つ。
墨烏賊、肉厚で滑らかな甘味が広がる。
春子鯛、塩でいただく。昆布の香りが広がり、絢爛な甘味が沸々と湧いてくる。
白甘鯛、むっちりと甘味と香りが強い。
あっさりとした鰺。清涼感も溢れる。
口溶けの素晴らしい中トロ。
〆鯖、とろっと脂が乗る。
小柱、小気味良い食感と香りが立つ。
車海老、甘味も強く火入れも絶妙。
艶気を帯び、香りを楽しませる北寄貝。
海胆、しっきりとした味わい。
煮烏賊、優しい甘味。しっとりとした火入れも素晴らしい。
煮帆立、こちらも素晴らしい火入れ。シャリとの一体感も秀抜。
穴子、ほろっと解ける。
素晴らしい完成度の鮨店。