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トリートメント選び
🔲成分
●高級アルコール
・ベース剤、とろみをつけて扱いやすくする
●柔軟成分
・静電気防止と髪を柔らかくする
●シリコン系成分
・髪の表面をコーティングする
●補修成分
・髪や頭皮の美容、コンディショニング効果
🔲高級アルコール成分
・髪の油分を補給する役割がありステアリルアルコール、セテアリルアルコール、セタノールが使用される
・差別化されるポイントではないので意識する必要はない
🔲柔軟成分
●静電気防止
・カチオン系界面活性剤が使用される。カチオンとは+の電荷を帯び、シャンプーはアニオン系界面活性剤という➖の電荷を帯びている洗浄成分が使用される
・シャンプー時には髪はマイナスの電荷を帯びそのまま乾かすと髪の毛同士がマイナス磁石で反発してゴワゴワになったり,静電気がぱちぱちしたりして,くし通りも悪い状態になる。
・こういった状態を解消するためにプラスの電荷を髪に付けて打ち消す必要がある
●柔軟作用
・柔軟成分であるカチオン系界面活性剤は丸いプラス側が髪の毛にくっつき、棒側が髪の毛の外側に向かって並ぶので棒が髪の毛と髪の毛の間のクッションになる。摩擦をなくし,滑らかに髪が動くようになって,髪の毛にやわらかい手ざわり(柔軟感)が生まれる。
●成分
○ベヘントリモニウムクロリド:帯電防止
・帯電防止のためにトリートメントに配合されてる
※帯電防止とは親水基部分がプラスの荷電をもっている構造で、親水基部分がマイナスに帯電した毛髪表面に静電的に吸着します。疎水基(親油基)部分は外側を向くため、毛髪表面が親油基で覆われることでなめらかになり、その結果として静電気の発生をおさえ(帯電防止)、すすぎや乾燥後の摩擦を低減し、毛髪のくし通りがよくなる
○ステアルトリモニウムクロリド
・帯電防止
●特徴
・柔軟成分も差別化されていなので柔軟成分を意識する必要はない
・柔軟成分は大きさの大小があり、小さいものは皮膚への刺激が強いが頭皮へのコンディショニングを考えたものなら問題はない
●カチオン界面活性剤: カチオン界面活性剤は毛髪表面のマイナス部分(-)と、カチオン界面活性剤の親水基のプラス部分(+)がイオン的に吸着して、毛髪の表面に層を形成するため、帯電防止効果があります。
●ノニオン界面活性剤: 他種類の界面活性剤と併用することで、洗浄力や粘性を高めるなど機能性を向上する
🔲シリコン系成分
●種類
◼️鎖状シリコン
・鎖状で高い皮膜力があり、成分表記欄にアモジメチコンやジメチコンと書かれていれば鎖状シリコーンが使用されている。
髪に吸着しやすく、分子量の大きさによって髪質を変えることが可能で、艶を出し、指通りを良くしてくれる。
◼️環状シリコン
・環状で皮膜力は低く、鎖状シリコーンよりも密着性が弱い。成分表記欄にシクロメチコンなどと書かれていれば環状シリコーンが使用されています。分子量が小さいので髪に吸着しにくく、使用感が軽くなります。熱によって揮発しやすく、シャンプーよりもオイルトリートメントやヘアスプレーなどに良く使用されるのも特徴です。
✔︎ジメチルシリコーン
・分子量が小さいものから大きいものまであり、高分子のものほど髪に吸着しやすく、しっとりとした感触に、分子量の小さいものほど軽くサラサラした質感になる。
成分表では一括りに「ジメチコン」などの表記しかない
○ジメチコノール:耐水性と持続性のある皮膜を形成。保湿性が高く髪がしっとりまとまる
○ジメチコン:髪のキューティクルを整えながら皮膜で保護し、クシ通りの良い髪型にする。熱に強いのでドライヤーの熱から保護する。
✔︎揮発性シリコーン
・揮発性(蒸発する)のあるシリコーンでコーティングのためでなく、高分子のシリコーンを他の成分と混ざりやすくするために使われる。さっぱりした使用感で、塗布時のべたつきを抑えたり伸びをよくします。
○ シクロメチコン: 撥水性があり紫外線や汗や水に強く、夏用の化粧品にはよく配合されている。伸びが良くベタつかない
○シクロペンタシロキサン:熱などに強く酸化しない。皮膜が軽くなめらかで髪に艶ができる。
✔︎アミノ変性シリコーン
・毛髪に吸着しやすくするためにカチオン化されたシリコーン。
カチオン化度が高く、分子量が大きいほど髪への吸着性が高くなる。吸着性が高いほどコンディショニング効果も高くなりますが、その分洗髪時に落ちにくくなります。表示名からカチオン化度や分子量を見分けることはできません
○アモジメチコン:髪への馴染みがいいので髪への吸着力が強く、傷んだ部分に吸着し保護する。ジメチコンよりしっとり感があり、柔軟性やツヤを演出する働きもある。薄い皮膜を作り水分を逃がさない
○アミノプロピルジメチコン: ダメージを受けた毛髪親水部に吸着し、キューティクルを均一にカバー・コートすることでダメージを受けた毛髪表面に滑らかな感触およびツヤ感を付与する髪と馴染みがよく効率的に毛髪に吸着し潤滑性を付与する。帯電作用がある。
✔︎ポリエーテル変性
・水への馴染みがよく洗い流しやすく、洗髪時や髪が濡れている時のきしみの緩和、また乾いたあとの髪のパサつきを抑える。水溶性シリコーンとも呼ばれるシリコンです。
○ ジメチコンコポリオール:界面活性剤とつけているので水馴染みが良く、耐水性があり保湿性が高い。シャンプー時のキシミ低減や乾かしたときのパサつき防止、シャンプーの泡質向上
○ ポリシリコーン13: ヘアコンディショニング剤、保水剤、皮膜形成剤、乳化剤の効果があります。乳化作用は細かいため、感触の良いクリームや乳液に使用で、密着感が高くなっています。
○PEG-○ジメチコン:数字が小さいほどオイルに近く数字が大きいほど水に近い。
●特徴
・髪の毛のキューティクルをコーティングすることで,すべりとツヤと手ざわりを良くする。
・トリートメントのシリコンはツヤを生む仕上がりの良さを目的とし、シャンプーはシャンプー時のきしみを防ぐことを目的とする
●シリコン成分が多いトリートメントのデメリット
・コーティングが分厚くなり,仕上がりが重くなる。
・コーティングが分厚いとトリートメントの補修成分が髪に浸透しなくなる。
・美容院でカラーやパーマをあてるときに,シリコンが邪魔でかかりが悪くなる
・シリコンは油を吸収しやすいので、表面で油分が酸化して臭う。
・髪の毛の外側にシリコンがついて外側に油分がくっつくと油コーティングで髪の毛になめらかさとツヤがうまれるが酸化して色と性質が変化するので臭くなるので油分を落とし,新しい油分を補修することが大切
・シリコンが多いと吸着力が強く,この油分が落ちにくいので不必要にシリコンがっつり系を使うのは良くない
・シリコンがっつり系を使うのであれば油分を洗えるように強い洗浄力のシャンプーを使う必要がある
●シリコン成分の選び方
・成分表の上位にシリコン成分があるものはシリコン成分が多い
・アモジメチコンは一番優秀な成分で,集中トリートメントなどに使われている
・シクロペンタシロキサンは,アウトバストリートメントに使われている,落ちやすいシリコンなのでコーティングしてくれコーティングが分厚くなることを避けられる
・「メチコン」「シロキ」「シリル」「シラン」これらがシリコンを表す表示になります。
🔲補修成分
・トリートメントの特徴がでる
●種類
・毛の内部のタンパク質を補修
・毛の内部の水分を補修
・毛の外側の水分を補修
・毛の外側の油分を補修
・頭皮のコンディショニングパーマ・カラーの維持
✅毛髪内部のタンパク質を補修
・加水分解ケラチン,加水分解シルク,ペリセア,ヘマチン,クレアチンは毛髪内部に浸透してケラチンを補充したりケラチン同士をくっつけたりしてハリとコシを補修する
○加水分解ケラチン:毛髪と類似したアミノ酸組成をもち、毛髪への浸透性が高く保湿性も高い
○加水分解シルク:可溶性タンパク質の水溶性で毛髪や皮膚に対する浸透性と吸着性に優れており皮膜形成効果と保湿効果が高い。紫外線で傷んだ髪を補修し、毛髪にハリとコシを与える。
○ペリセア: 高い残存性(シャンプーで流れにくい)で痛んだ髪を修復・保護する成分。短時間で毛髪内部に浸透し毛髪表面をコートする、ダメージを内と外から補修する。
○ヘマチン:ケラチンと結合し紫外線から守りカラー剤の色褪せを防ぐ。
✅毛髪内部の水分を補修
・毛髪内部はヒアルロン酸という形で水分が保持される、この水分が失われると毛髪内部の水分が不均一になるので毛髪はパサつき、癖毛気味になりうねる
・加水分解ヒアルロン酸,ペリセア,加水分解コラーゲンなどは毛髪内側に浸透して,ヒアルロン酸を補充したり,水分を補充する
○加水分解ヒアルロン酸:通常のヒアルロン酸を超低分子加工し2倍の浸透率がある。浸透率が高いので保湿力も高い。
○ペリセア:上記に記載
○加水分解コラーゲン: コラーゲンは皮膚の真皮を構成する繊維状タンパク成分の一つです。保湿効果に優れ、肌や毛髪の表面でしなやかな保護膜を作る保護効果に優れています。毛髪の損傷を防止し、柔軟性と光沢を与えます。帯電防止剤としての働きもある。
✅毛髪外部の水分を補修
・毛髪外側に水分の膜を作り、内部から水分が出ていくのを防ぎ、パサツキを抑える
・BG,グリセリン,リピジュア,ヒアルロン酸,ハチミツなどは毛髪外側で水分を溜め込んで,髪を保湿する
✔︎髪の毛のパサツキが気になる人におすすめ
○BG:アルコールの一種で湿度に合わせて保湿性を変化させ髪や肌の状態を一定にする。
べたつきが少ないので、髪がべたっとならず、しっとりまとまりよくなります。
○グリセリン:低刺激で保湿効果が高く頭皮の乾燥を防ぐ
○リピジュア: 人間の細胞膜をつくり、涙にも含まれるリン脂質という成分をモデルに作られた物質。水洗いしても落ちにくいほどの保水力がありヒアルロン酸以上の保湿力がある。生体適合性が高いので浸透力があり、経表皮水分蒸散(体内の水分を肌から蒸散させる。経表皮水分蒸散が加速すると、肌がかさかさの状態になりバリア機能が低下、同様に、肌荒れによってバリア機能の低下が見られると経表皮水分蒸散が加速する)を抑え肌にふたをし刺激の侵入を防ぐ
○ヒアルロン酸:保水力と保湿力に優れ細胞と細胞の間でクッションの役割をする。肌の最も外側にある角層まで浸透する。真皮層で細胞同士を結合させ肌の弾力を保つ。
○ハチミツ:水分の蒸散を防ぐエモリエント効果がある。殺菌作用と抗炎症作用がある
✅毛髪外部の油分を補修
・日常生活やシャンプーでCMCは溶け出していきやすいのでCMCを補うために油分を与えることで指通りが良くなりツヤが生まれる
・ホホバ種子油,ツバキ油,オリーブオイル,メドウフォーム油,セラミド,疑似セラミドなどは毛髪外部の油分を補修する
✔︎髪のゴワツキと剛毛が気になる人におすすめ
○ホホバ種子油:肌や頭皮に馴染みやすく浸透力が高くあらゆる肌質に合い、髪と肌をフケやかゆみの原因となる乾燥から守り。肌の弾力と潤いを保つワックスエステルという成分が多く髪に馴染みやすい。
○ツバキ油: オレイン酸トリグリセリドが含まれており、シャンプー後の保護膜になりツヤと潤いを与え枝毛を防ぐ。毛穴汚れが溜まりにくくなる。
○オリーブオイル:人の皮脂とキューティクルに含まれているオレイン酸が含まれてるので髪への馴染みが良く潤いを保つ。ストレスと紫外線で活性酸素が増えるが抗酸化作用のあるビタミンEが含まれている
○メドウフォーム油: 皮膚に保水性の膜を形成し、皮膚の水分を保持するエリエモント作用がある
○擬似セラミド: 角質層まで浸透することはありませんが、肌の表面に留まって保湿する働きがあります。
○セラミド:上記記載
✅頭皮のコンディショニング
・グリチルリチン酸2K,ダイズエキス,センブリエキス,チョウジエキス,アルギニンなどは頭皮の炎症を鎮め、頭皮の血行を促進して,髪の毛の細胞に栄養を与える。また、抜け毛を減らし,頭皮の育毛環境を整える。
・洗い流すのでそこまで効果は得られないので、洗い流さない美容液タイプで頭皮のコンディショニングをする必要がある。
○グリチルリチン酸2k:慢性、急性の皮膚の炎症を抑え、ニキビや肌荒れのケアに効果がある
○ダイズエキス:ニキビ対策、コラーゲンの合成促進、セラミド合成促進による保湿
○センブリエキス:血流を促進し発毛促進効果や皮膚細胞の代謝改善効果がある
○チョウジエキス:セラミド合成促進による保湿バリア改善作用がある
○アルギニン:毛母細胞の老化を抑え血流を促進させ、肌を保湿する
✅パーマ・カラーの維持
・ヘマチンはパーマ・カラーを維持する成分で他の物質とくっつく力が強い
・ヘマチンはケラチン同士を繋げたり、パーマ効果を保ち、カラーの色素が外に出る隙間をなくしてカラーの退色を防ぐ