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つむぎの活動 ①自主上映

 すべての人が大切にされる社会をめざすソーシャルワーク。こころやからだの不調がある時に医療や福祉のケアを受けるだけでなく、ふつうに暮らし、まちの人と一緒に楽しみ、必要とされる場を持てるように。人と人がラベルを超えて「わたし」と「あなた」で出逢うきっかけを、暮らしの中に。
social work station つむぎ

 前回記事では「ソーシャルワークは個人と環境の相互に作用しあう接点に介入する」と書きました。今日は、活動の中身について書きたいと思います。

 つむぎでは、いろんなジャンルのドキュメンタリー映画の自主上映を開催する予定です。社会や自分のあり方について考えるきっかけをくれて、地平線を広げてくれる、そんな映画を、東村山で。

 どうしたら「ラベルを超えて人と人が出逢う」きっかけを作っていくことができるだろう、と考えて最初にとりかかったのが自主上映会の企画でした。

 最初に選んだ映画『プリズン・サークル』は、島根あさひ社会復帰促進センター(刑務所)で行われている「TC=治療共同体」というプログラムを撮影したドキュメンタリーです。映画の冒頭では、丸坊主の彼らが一列に並び、号令にあわせて行進をするシーンが映し出されます。それはいかにも「犯罪者」「受刑者」という出立ちですが、映画の中で彼らの複雑な家庭環境や、受けてきた過酷な暴力についての語りを聞くうちに、ひとりひとりが顔と名前を持った個別の「あなた」という存在として表れてきます。差別や排除は、決して遠くのどこかにあるものではなく、自分自身の中に存在していることを突きつけられると同時に、そこから脱していくためのヒントと希望も与えてくれる映画でした。※1

 刑務所という、決して明るくはないテーマの映画でしたが、当日は満員御礼、監督の坂上香さんも会場に駆けつけてくださり、お話を伺うこともできました。保護司の経験をお持ちだという東村山市長の渡部尚さんも来場され、これからどうやって社会の中に繋がりを紡いでいくのかを考える時となりました。

 偏見や差別といったスティグマが解消されるには、実際に当事者に会って交流することや、インタビューなどの映像に触れることが効果的と言われています。※2
 生きた語り、人の生き様と出逢う機会をくれる「映画」というツールは、「人と人がラベルを超えて出逢う」きっかけを作る、大きな可能性を秘めているのではないかと感じます。これからも、自主上映でしか観ることのできないドキュメンタリーを中心に、様々な映画を上映していきたいと思っています。

上映会の様子や監督のトークの内容なども、またnoteに掲載していきたいと思いますので、どうぞお楽しみに♬

取材許可までになんと6年かかったという渾身の作品。
監督がパンフレットにサインをしてくれました!
坂上香監督著『プリズン・サークル』岩波書店

書籍販売をしてくださった絵本屋「トロル」に
みなさんをご案内。東村山を楽しんでいただきました。


<参考>
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 地域精神保健・法制度研究部「スティグマについて」
https://www.ncnp.go.jp/nimh/chiiki/about/stigma.html

映画『プリズン・サークル』公式ホームページ
https://prison-circle.com

【現代の「罪と罰」映画『...

Posted by Takashi Watanabe on Monday, July 4, 2022

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