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「セラピストが手や口で何を語るか」治療で緊張感を与えないために意識すること

はじめに

フリーランスのアスレティックトレーナーとして活動する、徳田晴宣(トクダハルノブ)です。プロアスリートのケア&コンディショニングや都内の大学パフォーマンスセンター、静岡県の野球振興活動などに携わっています。

今回はセラピストとして体のケア&コンディショニングを行うときに心がけることについて書きます。

先日、PRI Japanの公式ユーチューブで講師を務める阿部さんが、

「臨床でセラピストが手や口で何を語るか、が大事。特に手は口ほどにものを言うと思っていて、自分が何か変えてやるぜと思って動かした手は患者やクライアントに緊張感を与えてしまう。」

とお話されていました。

私も同じようなことを考えながら普段の臨床を行っているため、とても共感できました。

ストレスや緊張感を与えない配慮

治療を受ける選手にストレスや緊張感をなるべく与えないことが重要です。治療行為そのものがパーソナルスペースを破ってストレスを感じやすい状況だからです。そのため筋肉をほぐすときの力加減や手の当て方、声のかけ方などに十分配慮します。

「これからお尻の筋肉を少しほぐしますね。もし痛みや嫌な感じがあったら言ってくださいね。」
「動きを確認するね。楽にしててね~。」
「今、筋肉をほぐしているけど、不快な感じはないかな?」

このような言葉をかけつつ、なるべくリラックスした状態で治療を受けてもらえるように努めます。

以前こちらの記事を書きました。

治療を受ける方の反応を確かめて、緊張感やストレスを感じていないかどうかを常に気に留めることが必要なのではないでしょうか。

セラピストが治療を行う理由は、痛みや不調を感じる部位の回復を促すためです。緊張感やストレスを感じさせてしまうと交感神経が優位になり、患部の回復を促しにくくなります。

阿部さんの話を聞いて、自分自身の治療技術を見直して、緊張感やストレスをなるべく与えないようにしたいと改めて感じました。

治療”される”側になって気づいたこと

私は2年ほど前より理学療法士の金子さんに定期的なケア&コンディショニングを依頼しています。

金子さんの丁寧な治療を通して、セラピストとして必要な配慮や技術を学ぶことができました。

・患者の反応や体の状態を確認しながら治療を進める
・適切な力加減で丁寧に筋肉をほぐす
・患者への声掛けを徹底する

特に筋肉をほぐすときの力加減手の当て方が非常に繊細で、リラックスした状態で治療を受けることができます。

治療を受ける方にストレスや緊張感を抱かせないことが治療効果を出す大きなポイントです。セラピストが変に力んだり、過剰な力で筋肉をほぐしたりしないように、丁寧な治療を心掛けることが必要だと感じます。

過去に聞いたプロアスリートの本音

これまで関わったプロアスリートからこのようなことを聞きました。

「チームのトレーナーがけっこう強めの圧でマッサージをする方で、すごく痛いんです。マッサージされると変に力が入ってしまって、体のバランスが崩れてしまうので、正直あまり受けたくないですね。」

これまでスポーツ現場や医療機関で活動してきて、似たようなことを話すアスリートにたくさん会いました。

体の回復力を阻害したり、競技力を低下させたりするような治療は提供するべきではありません。

先月に行われたプロ野球選手の自主トレにおいて、実際に治療を受けた選手が、

「あんまり強く押されていないのに、筋肉がしっかりほぐれる感じがわかります。今までゴリゴリしないとほぐれないイメージがあったのですが、決してそうではないのですね。」

と話してくれました。

臨床を行う上で大事にすることが治療を通して選手に伝わっており、とてもうれしかったです。

1人でも多くの選手により良いコンディショニング方法が伝わることを願っています。

おわりに

私はまだまだセラピストとして発展途上であり、治療技術をもっと磨かなければなりません。
今回、阿部さんがお話された内容は、治療効果をさらに高めるために必要なことだと痛感します。

確かな治療技術を身に付けて、結果の出せるセラピストを引き続き目指します。

それでは。

過去に書いた記事はこちら

静岡県の三島市もしくは都内のレンタルサロンを借りて、ケア&コンディショニングを行っています。
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