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アスレティックトレーナーに必要な”我慢強さ”

はじめに

フリーランスのアスレティックトレーナーとして活動する、徳田晴宣(トクダハルノブ)です。プロ野球選手のケア&コンディショニングや都内の大学パフォーマンスセンター、静岡県の野球振興活動などに携わっています。

今日はアスリートの競技復帰や一般の方々の社会復帰を後押しするアスレティックトレーナーに必要な”我慢強さ”について書きます。

私はこれまでスポーツ現場や医療機関で障害後の競技復帰や社会復帰をサポートしてきました。選手とともにリハビリテーションを進める過程において、アスレティックトレーナーの”我慢強さ”が本当に重要だと感じます。

これまでの私自身の経験だけではなく、他業種の方からのお話を交えながら、アスレティックトレーナーに必要な資質を考えていきます。

後退することもリハビリテーションの大事な過程

リハビリテーションを進めるうえで前に進むことばかりを考えるのではなく、時には後ろに下がることを想定しながらプログラムを考えなければなりません。

ケガをした部位が治る過程において、腫れが出たり、関節が動かしづらくなったり、痛みが出たりすることは時々あります。常に右肩上がりでリハビリテーションが進むのではなく、良化と悪化を積み重ねながら痛めたところの回復を徐々に促すことが重要です。

後退することも考慮しながら、選手のリハビリテーションに向き合う我慢強さや根気強さがアスレティックトレーナーに必要だと感じます。

プロ野球で長く活躍された方々が話した名指導者の資質とは?

私は隙間時間にYouTubeで野球関連の動画を観ます。特に「野球いっかん!」や「谷繁ベースボールチャンネル」、「フルタの方程式」が好きで、動画を通してプロ野球で長く活躍された方々の思考に触れています。

「野球いっかん!」で現在中日ドラゴンズでコーチを務める荒木雅博さんが、”落合監督から学んだことで今のコーチ業に生かしていること”について聞かれたとき、

「コーチが練習に飽きたらダメだ。2時間でも3時間でも同じようなノックを打ち続けるようになりなさい、とよく言われましたね。」

というお話をされていました。

プロ野球で長く活躍された宮本慎也さんも別の出演回で、色々なプロ野球チームのコーチとして渡り歩く石井琢朗さんのコーチとしての資質を聞かれたときに、

「練習に飽きないね。結構コーチって飽きる人いるから。同じ反復練習を見てあげなあかんわけじゃん。早出練習で若手の選手に付きっきりで練習させた。なかなかできないことだよね。」

とお答えしていました。

荒木コーチや宮本さんが語った”指導者に必要な資質”をトレーナー業に置き換えて考えてみると、まさに同じことが言えるのではないかと感じました。

違う職種と言えど、選手への指導に携わる者としてすごく重要な資質です。

単調なエクササイズを継続できる強み

自分自身のアスレティックトレーナーとしての能力を客観的に分析すると、単調なエクササイズを継続できる強みがあります。

これまで関わったアスリートから

「以前のトレーナーは一度エクササイズを教えたら、あとは自分でやるように、としか言わなくて、そのあと全然見てくれなかったんです。今、こうしてリハビリに付き合ってくれてありがたいです。」

「これだけねちっこくエクササイズをやってくれる人はなかなかいないよね。選手としてはうれしいし、すごく励まされるよ。」

と言われたことがありました。

ケガの内容や程度によっては競技復帰までのリハビリテーションが長期間に渡ることがあります。そのときの体の状態に合わせて適切な治療や運動プログラムを処方し、我慢強くリハビリテーションに向き合うことが重要です。

・正しい形で運動ができているか
・過去に教えたエクササイズで分からないことがないか
・体の機能を獲得するために必要な負荷を日々実施できているか
・選手自身が現状の課題や今後の方向性を理解して、リハビリテーションに取り組んでいるか

これらをしっかり確認し、選手ができるだけ早く復帰できるように後押ししなければなりません。
自主性の意味をはき違えて、アスレティックトレーナーとしてやるべき仕事を放棄しないよう心がけています。

おわりに

これまでの自分自身の経験に加えて、プロ野球球団の指導者として活躍される方々の言葉を交えながら書きました。

情熱と覚悟、信念を持って、他の誰よりも選手に寄り添えるアスレティックトレーナーでありたいです。
自分の強みをさらに磨いて、より良いリハビリテーションを提供できるように頑張りたいと思います。

それでは。

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