ドラクエ3 ZERO #2 ギアガ高地の謎 (二次創作小説)


↓前回


 ギアガ高地へ向けて進んでいたソウマ一行

 道は険しかったが、仲間達の助けもあり3日目には父が行方不明になった洞窟へ辿り着いていた

ソウマ「今のところ未知の魔物とは遭遇してないな、やっぱりこの洞窟になにかあるのか...」

ハーモス「ソウマくん、ちょっとここらでひと休みしないか? っていうかすげー体力だな 息一つ切らしてねぇ」

ソウマ「あっ そうですね 何が待ち受けてるか分からないし、準備も兼ねて休憩しましょう」

ルヴィ「ソーマあんた、強いわね その体力も筋肉も親父さんゆずりね 小さい頃から仕込まれただけあるわね」

ハーモス「俺も長いこと冒険者やってるけどよ、武闘家ってのは己の肉体で戦うだけと思ってたけど、ソウマくんは氷魔法も少し使えるとか器用だな そんで盾代わりにしてる奴なんて初めて見たぜ」

ソウマ「母から習ったんですよ 母は冒険者ではないけど生活に便利だからって祖父から教えてもらったとか言ってました」

ルヴィ「その程度だったら食料の保存とかに便利だからと氷作るくらいでしょ? それを盾代わりするとか、どこからそんな事思いつくのよ」

ソウマ「いやあ、なんとなく? ハハハ」

 幼き頃より父から武術を仕込まれていたソウマ 父が行方不明になり、ネクロゴンド兵士になるまでの間も自己流で鍛えており、兵士になってからも鍛錬をしていた ベテラン冒険者のハーモスも驚くほどの強さを身に付けていた


ソウマ「そろそろ行きましょうか」

ルヴィ「魔力も回復できたわ いつでも行けるわよ」

ハーモス「よし、行こうぜ」


 洞窟の内部へと進む一行 そこは暗くどこまで続いているかも分からないほど広大な空間だった

ルヴィ「山地と違って魔物は全くいないわね 洞窟にしてはちょっと暑いかしら」

ハーモス「松明の火が消えたら俺に言ってくれ 炎魔法で点火してやるよ」

ソウマ「未知の魔物っていうのは結局ただの噂だったのかな それに大穴なんて見当たらないし」

ルヴィ「ねぇ かなり進んだはずだけど、さっきから周囲が変わってないように思えるんだけど」

ソウマ「そうかな? 暗くてよく分からないけどこれだけ進んだんだし、そろそろ何か見つかってもよさそうだけど」

 かれこれ1時間は進んだはずのソウマ一行 しかし周囲の状況が同じに見えている ベテラン冒険者のハーモスは何かに気付いた様子

ハーモス「こいつはまさか お二人さんよ、もしかしたら俺達は無限行路にハマっちまったかもしれねぇな」

ソウマ「?????」

ルヴィ「えっ それじゃあこの洞窟は何者かの意思によってこの状況が作り出されてるっことなの?」

ハーモス「どうもそうらしい こんな時は入口へ戻るのが鉄則だ 俺に掴まれ、脱出呪文で戻るぜ」

ソウマ「無限行路っていうのは?」

ルヴィ「簡単に言えば幻術によって同じ所をグルグル回ってるみたいなもんね 要するにこの洞窟の奥に居る何者かにとって侵入者は都合が悪いってこと」


 ハーモスの脱出呪文で一旦洞窟の入口に戻ってきた一行 無限行路の対策案を練る


ソウマ「打開策はあるんですか?」

ハーモス「ああ、無限行路っていうのは洞窟全体に仕掛けられるもんじゃねぇ つまり別ルートで進めばいいんだ」

ソウマ「じゃあさっきは入口から真っ直ぐ進んだから...」

ルヴィ「右方向へ行けそうだったわね 壁に沿って歩けば間違いないわ」

ハーモス「そうだな、早速行くか 」

 再度洞窟へ入るソウマ一行 今度は周囲の状況を確認しながら進んでいく 先程のような無限行路にはハマっていないようだが、進むにつれ温度が上昇していく


ルヴィ「最初のルートより暑いわね 洞窟って普通は奥に行けば行くほど寒くなるのに」

ハーモス「確かにな この辺りは高地だから火山の影響かもしれねぇな にしても暑いな」

 先行していたソウマが2人に呼びかける

ソウマ「2人とも、こっちへ来てください」

ハーモス「なんかあったのか?」

ソウマ「えぇ この岩の隙間から向こうが見えるんですけど、大きな空間のようで なにか大きな生物らしき影が」

ルヴィ「角度が悪くてよく見えないわね でも確かに何か居るような」

ハーモス「気になるな だがよ、進むしかねぇ でもここは狭くて通れねぇな 別ルートを探すか」

ソウマ「2人とも、ちょっと下がっててください」

ルヴィ「えぇ... まさかと言うかやっぱりと言うか」

 自身の背丈ほどある岩を押し出すソウマ その馬鹿力に絶句する2人


ハーモス「その筋肉は伊達じゃねぇってか あばれざるもビックリだな」

ソウマ「ただ腕力ってわけじゃないですよ 闘気を腕に集中させて瞬間的に大きなパワーを生み出すんです」

ルヴィ「それにしたって馬鹿力よ どんな鍛錬積んだのよあんた」

ソウマ「ともかくこれで進めるのでさっきの生物らしき大きな影を調べましょう」


 先へ進んだ一行 広い空間があり、大きな影の正体を目にするのだった


ハーモス「なんだこりゃ? ドラゴンに見えるな」

ソウマ「確かに、よく出来た石像ですね」

ルヴィ「なんでこんな所にドラゴンの石像があるのかしら?」

ハーモス「ちょうど岩の上で寝てるような構図だな」


 そこにあったのは少し大きなドラゴンの石像だった ソウマ達はくまなく調べることにした


ルヴィ「うーん どう見ても石像ね」

ハーモス「だな、丸まって寝ている姿勢だな 翼は小さいな って、ソウマくん何してんだ?」


 ドラゴンの石像の胸の辺りに触れているソウマ

ソウマ「ちょうどこの辺り、生物なら体の中心に心臓があるわけですが、なんかほんのり暖かい気がするんです」

ルヴィ「ていうかこの辺り一帯が暑いし、気のせいなんじゃないの?」

ソウマ「そう言われるとそうかもしれない けど気になるなぁ」

ハーモス「まあここで止まってるわけにもいかねぇだろ 石像の後ろにはまだ奥への道があるみたいだぜ 進んでみようぜ」


 更に奥へと進む一行 そこで目にしたのはマグマ溜まり


ハーモス「この洞窟の暑さはこれが原因か これ以上は進めねぇな」

ルヴィ「調査もここまでかしらね 結局大穴なんて見当たらなかったわね」

ソウマ「親父はこの洞窟でドラゴンとの戦いの末に大穴に落下したって話だけど、一体どういう状況だったのだろう」

ハーモス「うーむ 共通してるのはドラゴンだな さっき見かけた石像もドラゴンだしな」

ソウマ「そうなるとあのドラゴンの石像はやっぱり気になりますね もう一度調べてみてもいいかな」

 ドラゴンの石像があった辺りへ戻る一行

ルヴィ「特に何もないわよね 今日はもう切り上げない? 私お腹空いちゃったよ〜」

ハーモス「そうするか? もう調べる事もなさそうだしな」

ソウマ「確かに、このままここに居ても何もできませんものね」


 ソウマ一行が戻ろうとした時、辺りが揺れ始め火山性の地震のような揺れが生じ始めた

ハーモス「地震か? マグマ溜まりもあったし、ここいらは火山地帯だったな」

ソウマ「えぇ、過去の城の調査報告にもありました 小規模な火山活動が数年に一度くらいで発生してるって でも噴火は記録になかったですね」

ルヴィ「こんな時に火山活動? タイミング悪いわね」

ハーモス「じゃあ脱出呪文で戻るか 2人とも俺に掴まれ」



 その時だった 大きく揺れて岩の上にあったドラゴンの石像が落下するほどであった


ハーモス「まいったな、こうも揺れてちゃ脱出呪文の詠唱も上手くできねぇな」

ルヴィ「えぇーっ まさか歩いて戻るの!? って、ソーマあんた何ボーッとしてんのよ」

ソウマ「2人とも、さっきの揺れで落下した石像が...」

 ドラゴンの石像を指差すソウマ 岩の上から落下してしまったが何か様子がおかしいようだ




次回予告

落下した石像がヒビ割れて出現したのは見た目そのままのドラゴン

目が覚めたのか、ソウマ達に気付くと有無を言わせず襲い掛かってきたのだった

止まぬ地震に襲いくるドラゴン

ソウマ達はこの危機を乗り越えることができるのか?

次回、#3 激闘 そして大穴



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