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価格設定と価格交渉
ハオー!トラノスケです!
以前書いた「イラストの相場と適正価格」に通ずるところがあるのですが、
今回は「価格設定と価格交渉」について記事にしたいと思います。
価格設定
最近snsやいろいろなコミュニティに入り浸っているせいか、、
駆け出しさん「こうこうこういう媒体のこういうイラストなんですが相場ってどれくらいなんですか?」
ベテランさん「わたしなら、その場合〇〇円で受けますね」
駆け出しさん「そうなんですね!わたしも○○円で提示してみます!」
いや、もちろん先輩の価格設定を聞くのは勉強になります。十二分に参考にするとよいでしょう。
でも、果たして貴方の経験値や実績でその価格でやっていけるのでしょうか。
これよく言われますが、イラストレーターはどうしてその価格になるのか自分でクライアントにわかりやすく説明できるようにしておかなければなりません。価格交渉のときに必要になります。
もちろん用途や媒体、期間や部数など全イラストレーターに共通する説明も必要なのですが、それだけだと誰に頼んでも一緒ですよね。
他にもイラストレーターにはいろいろな要素があると思います。
・洗練された技術
・圧倒的な知識
・自身の知名度による費用対効果
・素早いレスポンス
・経験による汲み取りの速さ
・唯一無二の世界観
・過去の大きな実績
・行き届いたアフターケア
・マーケティングに直結する成果物が作成できる
・リスクの回避力...etc
まだまだ沢山あると思います。
私もまだまだ発展途上なので僅かな要素しか持ち合わせていませんが、ベテランの先輩方はこれらを踏まえたうえで価格設定を行っていると思うのです。
先輩の「わたしは○○円」のわたしはの部分には十分注意しなければなりません。
鵜呑みにして同じ価格設定にすると説明もできない、付加価値もない人は仕事が永遠に来ないかもしれません。
「じゃあ駆け出しはどうしたらいいの?割に合わないくらい安く依頼を受けろって言うの?」
イラストレーターも商売ということを念頭において、ここからは価格交渉も踏まえてお話していきましょう。
価格交渉
「価格交渉苦手なんです」「価格交渉のやり方がわかりません」これもよく聞きますね。
自分とクライアントがお互いに希望の金額を言い合って無理に通そうとするのは価格交渉とは言いません。先方にも予算というものがあるので、それ以上は出したくても出せないのです。
そこで割りに合わないからと、いくらゴネても解決することはありません。
仕事はそこで断たれて、今後良いお付き合いを続けることは永遠に不可能でしょう。
これがまかり通るのは大御所のベテランイラストレーターくらいなもんで、駆け出しや中堅イラストレーターがこんなことを続けてたら廃業一直線だと思います。
お互いが納得できる状態を作り出しましょう。これが交渉です。
自分に負荷がかからないように予算に収まる条件を模索していきましょう。
例えば、これは古参のストックイラストレーターの多くがやっている事なのですが、制作したイラストを納品後ストックサイトに登録する。
この条件を満たした場合一気に価格が下がり交渉がうまくいきます。
普段ゼロからネタを探し、利益ゼロの状態からイラストを登録して行くわけですから、かなり価格を抑えられます。
もちろんオリジナリティを求めるクライアントには不可能な手段ですが、他にも価格を抑えられる手段はたくさんあると思います。
・描き込み量を減らす
・修正に制限を設ける
・打ち合わせはオンラインで済ませる
・納期を隙間で作業できるくらい確保してもらう
・次のお仕事や継続を約束してもらう
・次の予算と分割してもらう
・流用がある場合二次使用料のほうの価格を増やす
(流用の場合、別予算で組まれることがある)
...等いろいろ提案して価格交渉を行っていくのです。
ベテランの方たちは逆にイラストの価値を下げられなので安い予算には手を出さない傾向があったり、代理店を挟んでいると断ったりというのもよく見られます。こういった価格交渉をうまく行えば、駆け出しの人でも比較的低い予算であったとしても苦しい思いをせずにお仕事をこなしていけると思います。
以前よりはるかにイラストで稼ぐことの敷居が低くなり、誰でもイラストレーターを名乗れるような現状で、逆にこういった交渉や自分の強みを生かした方法を持たないと最初はかなりキツイと思います。
ある程度、経験値や実績を積んでコネクションが増え、予算に余裕のあるクライントと出会えるようになってしまえば、貴方も「わたしなら、その場合〇〇円で受けますね」と言えるようになるでしょう。
低価格化が騒がれるイラストレーターの市場ですが、以前と同じように予算を組んでくれる企業もたくさんあります。
ただ、そこへたどり着くには経験や実績が必要になるので最初の段階では「価格設定」や「価格交渉」の工夫は需要になると思います。
よくSNSなどで「新人さん!安い価格で仕事受けちゃだめですよー」というのが流れてきます。もちろん、自分が辛くなる価格設定は間違っています。
ですが、そこに理由付けや価値を見いだせる価格交渉が行われていれば、
「私達の仕事無くなるのでやめてね。自分の首絞めるよ」といつまでも言っている人達を横目に商売として成功させることができると思います。