大濠トロージャンズのウインターカップ2024を振り返る⑤
これまで
◉大濠試合振り返り(決勝戦 vs鳥取城北 ※3Q以降)
○3Q
最後に10点差にされてしまった城北ですが、前半の多くの時間を、ほぼイーブンで展開していったように、早く同点やワンポゼッション・ツーポゼッションくらいの点差にはしたいところです。
そこで出だしで城北は大濠の榎木くんに2人でプレッシャーをかけてきます。
しかし榎木くんは何とか繋いでターンオーバーは回避します。そしてここで大濠はいきなりレオンのスリーが決まり13点差に。これで前Qのラストから続き連続スリーとなりました。
続いての城北のオフェンスで、大濠は前半で存在感を見せられた豊村くんにボールを入れさせないよう、勝又くんが前を取りエリア内から追い出すディフェンスをしてきます。
しかし豊村くんは今度は外からスリーを決め、10点差に戻します。
続いて大濠は湧川くんのディープスリーを打ちますがこれは入らず。そのリバウンドを取ったアズカがそのままボールプッシュして、コーストtoコーストでレイアップにいくも、これはレオンがブロック。
城北のオフェンスは続きますが、ここで高田くんが新谷くんへの素晴らしいプレッシャーからスティールを誘い、そこから大濠の速攻。これを湧川くんが城北の新美くんに体を当てられながらもシュートを決め切ります。
そして続いてのディフェンスでもまたしても高田くんのスティールで大濠ボールに。そして湧川くんがスリーを打ちますが、これはエアーボールとなり、城北ボールになるかと思いましたが、このボールを榎木くんが外に出さずに残して、ボールがレオンに周ります。
そしてここでレオンが前Qのラストから数えると3本連続のスリーを決めて、3Q開始から2分半で15点差に広げます。ここで鳥取城北がタイムアウト。
このタイムアウト中にJSPORTSではレオンのお母さんが2回映されたのですが、顔がレオンに似すぎていて、一瞬で「レオンのお母さんだ」となっていました。笑
さてこれ以上は離されたくない城北は早速踏ん張りどころです。アズカのドライブからのキックアウトで新谷くんのスリーは入らず。しかしこのリバウンドをアズカがとってファールをもらいます。このフリースローは1/2。
続いて大濠は湧川くんが2人のディフェンスをかわしてノーマークのレイアップ これで16点差。
城北は新美くんのペネトレイトからのキックアウトで、蓑原くんのスリーが入らず。このリバウンドを勝又くんがしっかり取ります。
城北としては、タイムアウトでペネトレイトからのキックアウトをしよう(それまでは中にボールが入ってなかった。中から外という展開にしていこう)という指示がされたのだと思われますが、これを城北の選手はしっかり遂行して、チームとして良いシュートを2本打っていますが、これが入らず。でもそのリバウンドを取れて点数を繋げていけていれば、流れが繋がって、それがまた良いオフェンスに繋がっていったかもしれません。
その流れの繋がりを断ち切ったのが、勝又くんのリバウンドだったのではないでしょうか。
ここでJSPORTS解説の塚本さん「この16点差がボーダーですねぇ」と言われてて、私も同じ感想でした。
ここでどちらが点数を取るかが、この試合よ流れを大きく左右するのかなと思いました。
そして大濠はここで三たびレオンのスリーが決まります!!!2Qのラストからスリー4/4です。
ウインターカップの決勝戦でこれが出せるのは素晴らしいですね。
ここで城北は豊村くんのポストにボールをいれようとするも、勝又くんが体を張って前を取り簡単にボールを入れさせません。裏を狙ったパスは大きくなり、城北のターンオーバーとなります。
流れは完全に大濠。城北としてはここでタイムアウトをとって流れを切りたいけど、後半でもう1度とってるから、3Q残り5分で2回目は取りにくい状況です。つまりここは選手たちで乗り切るしかありません。
次の大濠のオフェンスは再びレオンへボールが。ここまでアズカはゴール下を空けないために、レオンをスリーポイントエリアまでは付いていかず、他の選手のカバーで守っていましたが、ここではさすがにアズカがスリーポイントエリアまでプレッシャーにきます。
するとここでレオンはドライブを仕掛けます。このプレーでファールをもらいます。フリースローを1本決め、ついに点差が20点に 残り5分半。
城北とすれば、できれば3Q終わりまでに一桁差に戻したい。しかしここで大濠は高田くんの得点で22点差になります。
ここまで湧川くん/レオンの得点が続き、それがやっと終わっても、次は高田くんのターンが待っているのです。
これぞ大濠無限地獄ターン。
続いても高田くんのスリーが決まり25点差となります。
この大会で何度も見ました。勝負どころと見ると一気に畳み掛ける。これが大濠の強さですね。
残り3分、城北は3Q終わりまでに10点台に戻したい。何とか流れを引き戻したいところです。
ここで大濠は少し疲れの見えていたレオンを交代して休ませます。大濠はサントスと本田くんを入れてきますが、ディフェンスの強度は変わらずでした。
残り1分半で城北の新谷くんのスリーが決まり 22点差。続いて城北はアズカがスリーを打ちますがこれは入らず。
大濠は見竹くんが得点して24点差に。最後は上手くリバウンドに入った新谷くんがそのままゴール下を決めて、65-43(3Qのみ21-9)の22点リードで最終Qへ。
大濠はディフェンスで圧力をかけることが出来ていて、これは片峯先生が1Q終わりのベンチタイムで言っていたことをしっかり選手が遂行している結果です。
○4Q
出だしで城北はペイント内のアズカへのナイスパスが入りバスカンを決めます。フリースローも入りこれで19点差となります。
大濠は榎木くんのペネトレイトから勝又くんへのパス。これを勝又くんが豊村くんを上手くかわしてシュートを決めます(これマジ上手かったです)。
大濠はいつもならここらへんからは、コントロールしながら時間を使いたいところなのですが、流れを奪われると城北が一気に追い上げてくるのでは?という雰囲気もあり、大濠も気を抜けません。
城北としては我慢して我慢してチャンスを伺うといった感じでした。
残り8分切ったあたりで城北 新谷くんのペネトレイトに勝又くんがファール。このフリースロー2本とも決め 17点差
残り7分で湧川くんのスリーでファールをもらいフリースロー、これを2本決めて 19点差に戻します。
ここからはお互い一進一退で、両チームともなかなかシュートが入らないが、ファールをもらってフリースローで繋ぐ展開。
そして残り4分切った場面で大濠の湧川くんにこの日30得点目のスリーが決まり、これで24点差となります。
これで完全に勝負あったなと思いました。
ウインターカップ決勝で30得点は凄すぎです。
このタイミングでベンチでは片峯先生が伊藤くんと大谷くん(ベンチの3年生)に行くから準備しろよという声かけをしたと思われます。
そして残り2:16で伊藤くんがコートイン。
伊藤くんは一般入学の選手です。大濠で一般入学の子がウインターカップでメンバーに入れるって本当にとんでもない事だと思います。
今年のチームでずっと言われていた課題だったレオンの控え問題でした。
今ではサントスくんが成長しましたが、そこをずっと支えていたのは伊藤くんでした。
ディフェンス/リバウンドなどの泥臭い部分や、クリアアウトなどのIQの部分でも、レオンのいない時間帯でチームを支える存在でした。
今年のチームで無くてはならない選手でした。
残り2分きったあたりで今度は湧川くんのドライブが決まり32得点目となります。
ここで大谷くんが交代で呼ばれます。
そして残り1:18で大谷くんと高田くんがコートに入り入ります。この時に大谷くんの目には涙が溢れていました。
大谷くんは倉敷南中学出身で、下級生の頃から試合に絡む活躍をしていました。
でも昔から怪我が多くて、3年生になってから出場時間が増えたのですが春先に怪我、復帰してインターハイには間に合うかと思われましたが、また大会前に怪我をしてしまいます。
何とかウインターカップには間に合いましたが、本来であれば得意なディフェンスを活かし、泥臭いプレーなどでハッスルする選手で、試合にも絡んでいける選手です。
この涙には優勝できるという嬉しさの涙と、自分の思うように活躍できなかった悔しさの涙も、苦しかった1年間がこれで終わってしまうという涙もあったのかなと思います。
この1年間は本当に苦しかったと思います。いつも明るくて元気印みたいな子なので、この涙にはぐっとくるものがありました。
そして湧川くんがボールを大きく上に上げて、試合終了の笛がなります。
77-57のスコアで大濠が勝利し3年ぶり4回目のウインターカップ優勝を果たしました。
優勝が決まった瞬間みんなの目には涙が溢れていました。
1年前のこの場では悔し涙で溢れたウインターカップ決勝戦、今年は嬉し涙で溢れていました。
これまで大会を通して、ずっとクールで冷静沈着で、まるで大人のようなバスケを見せてくれていた大濠の涙が溢れている姿に私たちもとても感動をもらいました。
○試合のポイント
これまでの中に何個もポイント書いたので割愛
大会を通した感想を次回書きます。
○大濠スタッツ
#13 湧川 32得点
#8 渡邉 16得点 14reb 3bs
#14 高田 16得点 8reb 3stl
#10 榎木 5得点 3stl
#4 勝又 4得点 9reb
#7 見竹 2得点 6reb 2stl
やはりここまでもかなり長くなってしまいましたので、大会を通した感想は次回書いて、ウインターカップの記事は最後にしようと思います。