大濠トロージャンズのウインターカップ2024を振り返る④
◉大濠試合振り返り(決勝 vs鳥取城北)
福大大濠 77(18-17.26-17.21-9.12-14)57 鳥取城北
○スタメンと見どころ
大濠 鳥取城北
PG 榎木 170 PG 新美 175
(蓑原 179)
SG 湧川 181 SG 内山 185
(田中 179)
SF 高田 190 SF 新谷 188
(見竹 187)
PF 勝又 188 PF 豊村 183
C 渡邉 206 C アズカ 200
※ポジションはマッチアップに合わせているので間違っていると思います
ウインターカップ男子決勝が行われる12/29はこの試合1試合しかありません。このウインターカップ2024、今年の高校バスケ、今年の学生バスケの全ての最後の試合です。
高体連に登録している全国の男子高校バスケ部は3,779校あるそうで、この試合はその頂点を決める試合です。
これまで敗れていった3,777校の想いが詰まった試合になればいいなと思います。
そして決勝の相手は鳥取城北。これはインターハイ準々決勝の再戦となりました。インターハイの時は前半リードされる苦しい展開で、後半追い上げて逆転はしましたが、試合の終盤はみんな足つっていて、この試合のダメージが準決勝に響いたことは間違いないと思います。
そして今大会の鳥取城北は國學院久我山/京都精華/延岡学園そして福岡第一という強豪校をなぎ倒して勝ってきており、鳥取城北を決勝戦に進出すると予想した人は少ないかもしれませんが、決勝に進出するに相応しいチームであると言えるでしょう。
鳥取城北のウインターカップ決勝戦は初めてで、中国地方のチームがウインターカップ決勝に進出するのも50年ぶりだそうです。
対する大濠は2年連続のウインターカップ決勝進出です。
大濠も簡単に決勝まで勝ち上がってきたわけではなく、こちらも日本航空/八王子/東山という優勝候補ばかりをなぎ倒してきました。
ちなみに片峯先生になって(2010年)から15年で7回目のウインターカップの決勝進出で、これまでの成績は1勝5敗です。
そしてこの試合は片峯コーチ(36歳)vs河上コーチ(36歳)ということで30代のコーチ同士の対決となりました。
※片峯先生は早生まれなので学年は片峯先生が1つ上だと思います
ウインターカップ決勝戦が30代のコーチ同士になったのは史上初の事ではないでしょうか?
○1Q
大濠は試合開始から高い位置からのオールコートマンツーマンで、これは今大会の試合開始からのディフェンスでは最も高い位置からのプレッシャーだと思います。
早くもディフェンスから主導権を握ろうとする大濠の意図を感じました。
すると榎木くんのプレッシャーでのスティールから湧川くんの速攻がバスカンになり、大濠が先行します。
続いて城北アズカはゴール下シュート入らず、大濠ボールへ。対して大濠のレオンはゴール下ねじ込みこれで大濠が8-0のランとなります。
すると城北初得点は豊村くんのミドルが決まります。
続いてアズカがレオンとの1on1からフェイダウェイを決めて8-4に。
ここで城北は大濠のディフェンスのプレッシャーを感じたのか蓑原くんが入ります。
すると大濠も櫻井くんを入れて今度は蓑原くんにもよりプレッシャーを与えるていきます。
4分半で湧川くんスリーが決まり12-4。
しかしすぐに城北も新美くんの得点で12-6。
そして蓑原くんのスリーが決まり12-9と3点差に。
しかし大濠もすぐに高田くんの得点で返し14-9と再び引き離しにかかります。
お互いが序盤の流れを掴むべく一進一退の攻防が続き、残り3分で豊村くんの得点で14-11と3点差。
続いてアズカがゴール下を打つも、ここはレオンがブロックで防ぎますが、そのボールをアズカが拾いゴール下を決めて14-13とついに1点差。
ここで大濠は焦らず、高田くんのドライブがファールを誘いフリースロー。高田くんの冷静で経験値を感じるプレーでした。これで新谷くんは2Fでベンチへ。
高田くんはフリースロー2本とも決めて16-13。続いて高田くんがスリーを打つも入らずアズカがリバウンド。
を取ると思ったら、ボールに回転がかかっていて、アズカがファンブルして大濠ボールへ。
このオフェンスで湧川くんがスクープシュートを決めて18-13と5点差に離します。こういう時に決めるのが湧川くんなのです。
しかし城北も残り1分でアズカがゴール下ねじ込みバスカンで18-15。フリースローは外れるもリバウンドをとった豊村くんからの内山くんの合わせで18-17の1点差。
これぞ鳥取城北のプレーという感じでした。
そのまま1Q終了します。
ここまでは序盤こそ城北が大濠のディフェンスのプレッシャーに押されたけど、徐々に落ち着き一進一退へ。
両チームの良さが出た1Qだったと思います。レオンvsアズカはここまではイーブンという感じでした。
大濠としては2Qに向けてディフェンスをどう修正してくるかが注目です。
1Q終わりのベンチタイムでは片峯先生がもっと積極的にいこうと鼓舞しています。
○2Q
このQも出だしは高田くんのミドルで先制。続いて湧川くんのパスフェイクからのドライブが決まります(あのハイライトで何回も見たあのプレーです)
これは一気に大濠のペースになったと思いました。
しかしここで鳥取城北がタイムアウト。Qが始まって1分足らずでのタイムアウトは早すぎると思われるかもですが、私は何と上手いタイミングでのタイムアウトだと思いました。
ここで止めないとここから大濠のギアが上がって、一気に畳み掛けられることを河上コーチは感じたのだと思います。
これは塚本さんがJSPORTSの解説の受け売りですが、ここでタイムアウトをとれたのは、1Qの大濠の8-0のランの時に城北が豊村くんの得点で止めたので、その時にタイムアウトをとらずに済んだ。なので、ここのタイミングでタイムアウトをとれた。あの時に1回使っていたら、ここではとれない(前半は2つしか取れないので)。
結果的にこのタイムアウトのタイミングは成功でした。
その後アズカがリバウンドからゴール下を決め、大濠の流れを止めます。
しかし大濠も流れは簡単には渡さず高田くんがこちらもオフェンスリバウンドを取りゴール下決めます。
この後は一進一退の展開が続きますが、残り6分を切ったあたりで城北の新谷くんのドライブでバスカンが決まり城北がついにリードを奪います。
ここで大濠がタイムアウトをとります(前半1回目)。
タイムアウト開けると城北はオールコートプレスを仕掛けてきます。これに大濠はターンオーバー。
そして再び新谷くんのドライブが決まり26-30に。
そして城北はディフェンスをゾーンに変えます。
大濠の1回目のタイムアウト開けにディフェンスを変えてくるのはやりますね。対策するためにもう1度タイムアウトは取りたくないので。
この時の流れは城北にあった(だから大濠はタイムアウトをとった)のに、ここで城北がディフェンスを変えて仕掛けるのは勇気のいることだと思うのですが、河上コーチの頭には「このままでは勝てない。ここで仕掛けてある程度のリードを奪って、こちらが先手を打てる展開にしたい」と思ったのかもしれません。
これぞウインターカップの決勝でも受け身にならず、勝負するべき時に勝負するという采配ですね。
ここではタイムアウトは取れないので、大濠は選手たちでの対応が求められました。
しかし大濠は慌てませんでした。ここでレオンと勝又くんのハイローが決まり得点します。
このディフェンスが変わった1度目のオフェンスで得点することはとても大きいです。
もし1本目で守られていたら「いけるぞ」という空気になっていたかもしれません。
そして続いてのオフェンスでも大濠は榎木くんのスリーが決まりこれで逆転となりました。
相手がディフェンスを変えて仕掛けてきたタイミングで、選手たちで対応し、連続得点し逆転する。これは素晴らしい。大濠の対応力の高さが垣間見えました。
大濠のゾーンアタックについては、今大会でも八王子とか色んなチームがゾーンディフェンスをしてきていたので、経験値はあることはありました。
対して今大会鳥取城北がゾーンディフェンスをしていたのかは知らないので、大濠が城北対策としてゾーンアタックを準備していたのかはわかりませんが、ここでゾーンを攻略できたのは、試合の流れ上とても大きかったですね。
ここで城北は前半2回目のタイムアウトをとります。
30代のHCらしくお互い仕掛け合う展開が見応えありまくって面白いですね。
そしてタイムアウト開けると今度は大濠がゾーンプレスに変えてきます。
相手が前半のタイムアウトを使い切ってから、オールコートプレスをするのは、福岡第一もよくやるやつですよね。
そのディフェンスで見竹くんがスティールして速攻にいくも、シュートは惜しくも入らず。
その後はお互いにリードチェンジを繰り返す中、大濠は湧川くんのスリーが決まりリードを奪います34-32。
ここで城北は新谷くんのドライブも惜しくも入らず。
すると大濠は再び湧川くんのスリーで37-32。続いて高田くんのスティールでそのまま速攻が決まり39-32となります。
ここで大濠が完全に流れを掴むも城北はもうタイムアウト残っていません。
今度は城北がこの状況を選手で対応しなければなりません。しかしここでアズカがトラベリングでターンオーバーとなり得点ならず。
大濠は湧川くんで攻めようとしますが、城北の田中くんのナイスディフェンスでオフェンスファールとなり、大濠ターンオーバーで城北ボールに。残り1分半。
城北としてはこの7点差を守る。もしくは最低でも一桁差で前半を終わりたいところ。
ここで城北は豊村くんが押しこんでシュートを決め切り城北が返します 39-34の5点差に。
続いて大濠はレオンがドリブルで仕掛けようとするもスティールされ、城北が速攻を出して新谷くんがスリーを打ちますが、これが入らず。
続いて大濠は湧川くんがドライブからファールをもらいフリースロー、これを2本とも決めて 41-34と再び7点差に。残り33秒。
ここで大濠は高田くんと櫻井くんを入れて、Qラストのディフェンスの強度を上げることと、まだチームファールが4つにいってないので(大濠がファールしても城北のフリースローにならない)、状況に応じてファールをしても後半に響かないために選手を交代。
ここで城北は24秒をしっかり使いながら内山くんがドライブするも、これを勝又くんがブロック。大濠ボールに。 残り10.2秒。
そして大濠前半ラストオフェンスとなり、ここでレオンのブザビスリーが決まり44-34の10点リードに広げて前半を終えます。
このスリーで二桁差に出来たことは良かったです。
大濠としては良い流れで後半に向かえます。
ここで決めるレオンはさすがとしか言えません。
○前半のスタッツ
・大濠
#13 湧川 21得点
#14 高田 10得点
#8 渡邉 6得点 8reb 2ast
・鳥取城北
#11 豊村 8得点
#28 アズカ 8得点 4reb
#8 新谷 7得点 4reb
ちょっと、ここまでで長くなりすぎたので、今回はここまでにします。
何だか見どころが多すぎて、、、