【回顧】2024 NHKマイルC
【レースポイント】
①中間緩むNHKマイルCらしい競馬で差しも決まりやすい競馬
②不利を受けた馬が複数おりチェック必要
③1,2着馬以外、G1としては低レベル戦
【レース概要】
2歳王者のジャンダルマンタル、2歳女王のアスコリピチェーノが出走し、例年より豪華メンバーとなった今年のNHKマイルC。結果は上記2頭のワンツー決着で順当な決着となった。
勝ち時計1分32秒4は馬場を考えるとそこまで速くない。勝ったジャンダルマンタルは底見せぬ走り、2着のアスコリピチェーノは不利があっての敗戦で上積みあるが、3着以下のレベルは例年通り高くない印象を受けた。
レースは中間2ハロンが12.0秒ー12.0秒と明確に緩んだことで、コーナーで外を回していた馬に大きな不利はなし。一方で馬群内で窮屈になった馬や、直線で不利を受けた馬が複数おり、やや消化不良の一戦となった。
【各馬解説】
1着:ジャンダルマンタル
番手外目。いつもより折り合いもスムーズで、追い出しを待つ余裕あり。直線はやめに抜け出すと能力通りの完勝。
好スタートからポジションを取り、直線は追い出しを待ち完勝。皐月賞で見せた基礎スピードの高さは本物で、適性通り1,600mへの距離短縮で持ち前を活かした勝利。
川田騎手にしては珍しくレース前からマイルでの絶対的な自信を口にしていたし、よほどこの距離短縮ローテは合っていたはず。持っている基礎スピードが速すぎるので、レース中にペースが落ちてしまうと折り合いを欠いてしまうので要注意。
秋は毎日王冠→天皇賞秋なのかな? 前者はマイラーでもこなせるロングスプリント戦になりやすいけど、後者は引き続き折り合いがカギになる。
(参考:皐月賞の回顧文)
2着:アスコリピチェーノ
番手後ろ。直線で他馬に挟まれて大きくブレーキを踏むロスあり。完全に一度減速したが、そこから再加速して2着とかなり強い競馬。不利がなければ勝ち負けになっていた可能性が高い。
不利は痛いけど、この不利は今の時代はしっかりとオッズに織り込まれるのであまり重視すべきではない。ダイワメジャー産駒にしては折り合いも良く、後半力勝負にもしっかりと対応できるので距離伸ばしてもいい。
以下、短評
3着:ロジリオン
やや出負けも、巻き返して中団前。直線は勝ち馬の後ろから末脚を伸ばすもラストはバテて3着。スムーズな競馬で能力は出し切った。
4着:ゴンバデカーブース
中団外目。4コーナーで早めにスピードにのせていき、ラストまで脚色良く4着好走。ラストの脚は良く上積みあるし、この内容なら距離は伸ばしていい。
5着:イフェイオン
3列目のイン。道中はやや折り合い欠くも許容。直線で前の馬にカットされ進路を変える不利あり(軽微)。直線は内からジワジワと脚を使って5着好走。不利はあったが馬場恩恵もあるので評価はフラット。トップスピード勝負よりも長く脚を使う競馬が合う。距離は1600mがギリギリ
6着:チャンネルトンネル
中団馬群内。直線はスムーズな進路取りも、トップスピードで負けて引き離される。ジワジワと脚を使って6着まで。上級条件だとトップスピード負けするが、操作性が良くなっており安定感ある。
7着:ディスペランツァ
やや出負け。後方。直線で前の馬が斜行し進路カットされる不利あり。そのまま流れ込んで7着敗戦。直線は右に左にとフラフラしているし、もう少し上積みありそう。
8着:ウォーターリヒト
1馬身出遅れ。コーナーは内から4頭分外を回るロスあり。スムーズな競馬で直線に向くと、長く脚を使って8着好走。現状の能力は出し切った。
9着:アルセナール
大きく出遅れ最後方。直線はスムーズに外にだすも、最後は出し切りの形で9着まで。脚を溜めたわりに伸びなかったし、いつも以上にラストは止まっていたので出し切りに近い。デビューから一貫してスタートが下手なのでアテにならないし、上がり最速ということで次も人気するなら軽視したい。
10着:エンヤラヴフェイス
好スタートを決め勝ち馬の後ろ。揉まれ弱い本馬としてはベストな位置取りで、能力を出し切っての10着。
11着:ユキノロイヤル
後方。やや折り合い欠く。直線は外にだすと、ジワジワと脚を使って流れ込み。上級条件ではテンの速さで負けてしまう。
12着:ノーブルロジャー
スタートでよれる。中団イン。3コーナーで前の馬が下がり、手綱を引いてポジションを下げる不利あり。ややチグハグな競馬で直線は流れ込むだけの12着。キャリアを重ねるごとに折り合い難になってアテにならないし、瞬発力勝負もあってない。
13着:ダノンマッキンリー
後方馬群内。いつも通り終始折り合い欠く。加減速がある競馬は合っていないし、相対的な脚が魅力なので東京以外の芝1400mが良い。芝1600mなら中京記念でワンチャンス。
14着:アレンジャー
1馬身出遅れ。後方。やや折り合い欠く。直線は外にだすと、ジワジワと脚を使って流れ込み。出遅れやすいし、折り合いも欠きやすいので難しい馬。
15着:マスクオールウィン
番手。折り合い欠き気味。残り400mからバテで力負け。気性的にも血統的にも芝の短い距離が良さそう。
16着:シュトラウス
1馬身出遅れ。最後方付近で折り合い重視の競馬も、いつも通り暴走。特に見せ場もなく16着敗戦。常に折り合いがカギになるので人気で買うとリスクが大きい。
17着:ボンドガール
番手イン。直線で他馬に挟まれて大きくブレーキを踏むロスあり。その後は鞍上が追っておらず、完全に参考外のレースでいい。
18着:キャプテンシー
逃げ。直線で他馬に挟まれて大きくブレーキを踏むロスあり。すでに手ごたえ劣勢だったが、不利がなければここまで負けておらず数字ほど悲観する内容ではない。
【次走以降の注目馬】
☆アスコリピチェーノ
距離延長で。ダイワメジャー産駒ということで少しでも人気落とすならむしろ買い。
☆アルセナール
次走も人気するなら軽視予定。クイーンカップのレベル疑問のものさし。
☆ダノンマッキンリー
距離短縮で。