ジャパンカップ 枠前展望
【日本馬編】
ジャパンCが行われる東京芝2400mは癖の少なく、各馬の能力が発揮しやすいコースと言えます。
近年の傾向を見ても、昨年は3,1,4人気で上位人気決着。
2,3年前はともに1,2,3人気馬がワンツースリー決着でした。
もう少し範囲を広げて近10年でみても、人気上位馬を買うのが最も良いという非常にわかりやすい結果になっています。
これは前走で
①天皇賞秋
②秋華賞、菊花賞
③凱旋門賞
で好走した馬が、能力を発揮しやすい舞台で行われるジャパンCに出走してくることで、順当に好走しているためと言えます。
今年の上位人気を見てみると、天皇賞秋で勝利したイクイノックス、および秋華賞で勝利したリバティアイランドが出走を予定。
今年も人気決着が想定されます。
特に今年はタイトルホルダーとパンサラッサという生粋の逃げ馬が出走。
2頭がともに出走した昨年の宝塚記念、および2021年の有馬記念はどちらもHペース。よって今年のジャパンカップもペースが流れると考えられますが、人気馬の2頭はどちらもHペース適性があるため、その点からも紛れが少ないと考えられます。
一方で穴馬にチャンスがあるのであれば、タフな条件で滅法強いタイプだと考えられるます。
中でもバテずに長く脚を使うタイプのディープボンドには追い風となるでしょう。
【海外馬編】
近10年、ジャパンCに出走した海外馬は0-0-0-27と1頭も馬券になっていません。
日本の強い馬が凱旋門賞に挑戦しても勝ち切れない競馬が続いていることからも、日本と海外では馬場が異なることが指摘されてきました。
しかし、近10年のジャパンCをもう一度精査すると、海外馬もそこまで大きく負けていないことがわかります。
具体的には勝ち馬から1.0秒以内で入線した馬をピックアップすると、実に27頭中12頭もの馬が該当していることがわかります。
競馬において1秒の差は展開次第ですぐにひっくりかえりますし、ただ単に「海外馬はスピード不足だから」と安易に消すのは早計です。
そこでジャパンCでも好走した馬の共通点を探ると、以下の2点が当てはまります。
①3歳馬
②短距離実績(血統)
①3歳馬 について
近10年でジャパンカップに出走した海外馬は27頭
そのうち3歳馬は5頭しかいませんが、内4頭が好走しています。
好走しなかったのは2022年のテュネスだけであり、そのテュネスはドイツでしか好走経験のないタフな馬だったことからも、3歳馬は好走傾向にあると言えます。
そもそも競走馬は草食動物であるため、肉食動物から逃げるための瞬発力は遺伝的に備わっています。
自然界において「よーし、2000m走ってライオンから逃げるぞ!」なんてことはもちろんあり得ません。ゆえに長距離走や、ダート競走のようにバテバテになりながら走るスタミナはレース経験を積んで鍛えていく必要があります。
反対に若駒の時における瞬発力は“遺伝的に”備わった資質のため、ほとんどのサラブレッドが持っている能力です。
例えば古馬になり宝塚記念→有馬記念→宝塚記念とグランプリレースを連覇したクロノジェネシスも、2~3歳時は上がり3ハロン32秒台の脚で走っていました。
(※アイビーS:32.5秒、桜花賞:32.9秒)
他にも、有馬記念を制したあるブラストワンピースも3歳時の新潟記念では上り3ハロン33.5秒の脚で差し切り勝ちをしていました。
上記の2頭は父バゴ、父ハービンジャーともに欧州で活躍した競走馬を父にもつため、将来的に瞬発力よりも長くしぶとい脚が使えるグランプリで好走したのはリーズナブルな結果と言えます。そんな2頭もイメージとは異なり、若いときは遺伝的に備わった瞬発力で勝負していたのです。
つまりジャパンCに出走してくる海外の3歳馬は、遺伝的な背景から瞬発力を持っており日本の馬場に対応できる可能性があります。
今年、海外から出走のイレジンはすでに6歳。
従って条件にはあてはまりません。
②短距離実績(血統)
昨年も0.6秒差の6着、一昨年は0.8秒差の5着に好走したグランドグローリーは母父Daylami(マイルG1勝ち馬)。さらに母母父Machiavellian(芝1200mG1勝ち馬)も短距離色が強く、母系はスピードある血統でした。
他にもジャパンは芝1400や芝1800mの好走歴があり、アイダホは母系がスプリント色が強く、どこかしらにスピード色の強い実績や血統を持っています。
今年、ジャパンカップに出走予定のイレジンは父Manduro。
Manduroは芝1600mのジャックルマロワ賞で2着、1着と実績を残した馬で、半姉には日本でもおなじみマンデラがいます(ワールドエースやヴェルトライゼンデの母)
母父Oasis Dreamは1000m~1200mで好走したスピード血統で、母母父Woodmanもヒシアケボノを輩出した短距離血統です。
イレジンの実績も一番スピードを感じたのが2走前のフォワ賞。
レース映像中の速報タイムは以下。
ラスト3Fのレースラップは11.47秒ー10.77秒ー11.3秒の瞬発力戦で、最後方から差してきたイレジンは少なくとも32秒台後半~33秒台前半の脚で差してきています。
もちろんこれはスローからの瞬発力戦なので一概に評価はできないが、前走のコンセイユドパリ賞もほぼ最後方から直線だけで差し切り勝ち。
3走前のガネー賞も最後方から差し切り勝ちと、明らかに他の欧州馬よりはスピードを見せた競馬ぶりになっています。
弱点としてはテンが遅く後方からになりそうなのが不安だが、今年はパンサラッサやタイトルホルダーが出走。Hペースの前崩れになれば一発合ってもいい条件が揃った印象。
何より昨年は東京競馬場に国際厩舎ができたことで散々注目を浴びていた海外馬ですが、今年は出走馬が1頭ということもあり注目度が低くなっています。
それでも2021年以前と比較すれば間違いなく負担が減った海外馬であることに変わりはなく、オッズ妙味を考えてもチャンスありと見ています。
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