書評:「ごく平凡な記憶力の私が1年で全米記憶力チャンピオンになれた理由」
ジョシュア・フォア 「ごく平凡な記憶力の私が1年で全米記憶力チャンピオンになれた理由」*という本をこの記事ではオススメします。
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https://www.amazon.co.jp/dp/4767811805
この本との出会いについて
まず、この本との出会いから話を始めましょう。私がこの本を初めて手に取ったのは、大学生の頃でした。記憶力を向上させたいという強い願望があり、日本語で書かれた記憶力に関する書籍を国会図書館であらかた読み尽くした後、アメリカのAmazonで高評価を得ている本を探し、この本にたどり着きました。(なお、アメリカのAmazonで人気のある本を探すのは、良書に出会うための一つの方法だとよく思います。日本より人口が多く、また教育が発展した米国の方が自己啓発系は良書が多いと感じます。)
この書籍は、Amazon上で、グローバルで9900件以上のレビューを獲得しており、多くの人々に注目されていたことから、読んでみることにしたのでした。(なぜか日本語版が発売されていることに気づかず、原著を読んでいました。)
3つの点でこの本はオススメです。
評価点1:メジャーシステムを紹介している
まず第一に、この本は非常に実用的です。暗記の手法について詳しく解説されており、記者が暗記術を学ぶ過程を追いながら、メジャーシステムなどの主要なテクニックが紹介されています。特に、数値とイメージを結びつけて覚えるメジャーシステムは、日本の書籍ではあまり見られない手法で、非常に有用だと感じました。こういった「覚えるために覚える」システムについて紹介が多くされているのは、記憶力チャンピオンシップに関する本ならではの点だと思います。ただ、この点のみであれば、ネルソン・デリㇲ氏の「全米記憶力チャンピオンが明かすどんなことも記憶できる技術」のほうがより「手法」にフォーカスしているので、より実用的かもしれません*。
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評価点2:熱意をもつことの重要性を再確認
次に、この本が面白い理由は、記憶力チャンピオンシップに参加している人々の熱意が強調されている点です。プロとして何かに打ち込むためには、それを心から楽しむことが重要であるというメッセージが伝わってきます。自己啓発に熱心な私たちにとって、能力を手に入れようとするあまり、かえってその目標から遠ざかってしまうということがあるかもしれません。この本を読むことで、何かを成し遂げるためには楽しみながら取り組むことが大切だということに気づかされます。
評価点3:記憶というものについて考えさせられる
最後に、この本が興味深い理由は、人間の記憶と人格形成に関する洞察が含まれている点です。著者は、記憶が人格や価値観に影響を与えている、という主張をところどころでしています。(私自身も、例えば、人を好きになる感情は、その人をどれだけ思い出すかによって形成されるのではないかと思っています)。記憶力を改善することで、自分自身の価値観や思考の癖を見つける手助けにもなるという点は、非常に興味深いものです。
ただ、この点はこの本を読んで考えさせられるというよりは、この本を読んで実際に記憶力を鍛えていくなかで私は考えさせられました。
このような理由から、私はこの本をおすすめします。ただし、この本を読んですぐは、私はテクニックを日常生活やビジネスで駆使するのに苦労しました。ほとんどの書籍では触れられていない(と思われる)、実践の上での重要なポイントについては別の記事で詳しく書いていますので、そちらも参考にしていただけると幸いです。
https://note.com/to_hikari/n/ndac2be15732a