投資初心者が知っておくべき、金融危機と急落相場の真実～過去から学ぶリスク管理と資産運用の基本～
私は三菱UFJモルガン・スタンレー証券のプライベートバンキング部門と、地場証券のディーリング部門での経験を経て、現在は福岡市で事業経営を行っています。また、自らもCFDトレードを活用し、日経225先物の売買を行いながら資産運用を実践しています。これまでの経験を活かし、投資に関する情報を初心者にもわかりやすく提供することを心がけています。
投資を始めたばかりの方にとって、ニュースで「急落」や「金融危機」という言葉を聞くと不安になるかもしれません。しかし、投資の世界ではリスクとリターンは切り離せない関係です。どれだけ慎重に資産運用を行っても、市場が急落するリスクは避けられませんし、金融危機が発生する可能性も常に存在します。では、我々はそのようなリスクにどう向き合えば良いのでしょうか？今回の記事では、過去の金融危機や急落相場に学び、投資初心者がリスク管理や資産運用にどのように取り組むべきかを解説します。
まだ記憶に新しい2024年8月頭の大暴落も僕は大きく損失を計上しましたが、1日で回復しました。
暴落に対する対処や心構えなどをこの記事から学んで頂けたら幸いです。
本記事は、1人でも多くの方に読んで頂きたいので完全無料記事となっております。是非、最後までお読みいただきご参考にしてください。
金融危機は予見できるのか？
「金融危機は予見できるのか？」という疑問を持つ方も多いでしょう。過去のリーマンショックやブラックマンデーといった大規模な金融危機を例に挙げるとそれらが事前に完全に予見され、回避されたケースはほとんどありません。リーマンショックの時も、多くの専門家や金融機関が予測できず世界経済は混乱に陥りました。
そもそも金融危機を完全に予見することは非常に難しいと言われています。金融当局や機関投資家もリスクを最小限に抑えるために日々努力を続けていますがすべてのリスクを事前に回避することは不可能です。実際、1980年代から現代に至るまで、金融危機やバブル崩壊は10年に1度ほどの頻度で発生しています。これは、我々がいかに注意深く行動しても、経済の不確実性を完全にコントロールすることができないことを示しています。
しかし、だからといって何もしないわけにはいきません。リーマンショック以降、銀行や金融機関はリスク管理を強化し、同じような危機が再発しないよう努力してきました。その結果、過去15年以上、リーマンショックと同程度の金融危機は発生していません。つまり、金融危機を完全に予見することは難しいものの、過去の経験から学び、同じ過ちを繰り返さないようにすることは可能です。
このように、金融危機が予見できないからといって、それに対する備えが無意味なわけではありません。我々は過去の経験を生かし、リスクを減らすための取り組みを続けることが重要なのです。
急落相場で機関投資家は何を？
次に、急落相場において機関投資家がどのように行動しているのかを見てみましょう。マーケットが急激に下落する局面では、機関投資家も慎重に行動する傾向があります。
例えば、日本株を扱うアクティブファンドのファンドマネージャーは、市場全体が急落する状況下では「様子見」をすることが多いです。個別企業の問題で株価が下がる場合は素早く動くことがありますが、経済全体の動向や市場の前提条件が変わる局面では、無理に売買を行うことは避け、慎重に見極める姿勢を取ります。
なぜなら、こうした局面では誤った判断による売買がかえって損失を拡大させるリスクがあるためです。特に、為替相場や金利動向の変化を見極めてから行動することが、長期的に見たリターンの最大化につながります。したがって、急落相場において機関投資家は短期的な動きに焦らず、冷静に状況を見守ることが多いのです。
一方、銀行や保険会社などの機関投資家（国内ではMUFG。海外ではGoldman SachsやBlackRock，Principal Financial Groupなどがその代表例）は、決算期に与える影響を強く意識しながら行動します。彼らは、株式の売却益が決算に及ぼす影響を慎重に管理し、必要に応じて先物を売り立てることでリスクをヘッジすることもあります。このように、機関投資家は急落相場においても、状況に応じた適切な対応を取りつつ、リスク管理を徹底しています。
投資初心者の方は、このような機関投資家の行動を参考にすることが重要です。市場が急落したからといって、すぐにパニック売りをするのではなく、冷静に状況を見極めることが大切です。市場が一時的に下落しても、長期的には回復することが多いので、短期的な動揺に惑わされず、しっかりと自分の投資戦略を守ることが成功の鍵です。
ブラックマンデーに学ぶ市場のリスク
急落相場や金融危機といったリスクに対する備えとして、過去のブラックマンデーの教訓にも注目してみましょう。ブラックマンデーは1987年に発生した大規模な株式市場の急落であり、多くの投資家に衝撃を与えました。この時、株式市場が急激に下落した要因の一つに「ポートフォリオインシュアランス」というリスクヘッジ手法がありました。
ポートフォリオインシュアランスとは、株価が下落するたびに先物を売ることでリスクを回避しようとする手法ですが、この手法が広く採用された結果、市場の流動性が低下し、急激な価格変動を引き起こしました。ブラックマンデー以降、この手法の問題点が指摘され、リスクヘッジとしての有効性が疑問視されるようになりました。
また、ブラックマンデーの後、ニューヨーク証券取引所では「サーキットブレーカー」という取引停止制度が導入されました。この制度は、市場が過度にパニック状態に陥った際、一時的に取引を停止し、冷静になる時間を確保するためのものです。このように、過去の経験から市場システムの改善が行われてきたことも、リスク管理の一環として非常に重要です。
投資初心者が取るべき行動とは？
最後に、投資初心者が急落相場や金融危機に直面した際にどのように行動すべきかについて考えてみましょう。まず大切なのは、パニックに陥らないことです。市場の急落は時に避けられないものですが、それが永遠に続くわけではありません。過去の経験からも、市場は一時的に急落しても、時間とともに回復することが多いです。
次に、自分の投資戦略を見直すことも重要です。市場が急落した際に、慌ててポジションを閉じるのではなく、長期的な視点で自分の投資方針を再確認し、冷静に対応することが求められます。特に、長期投資を考えている場合、市場の一時的な変動に惑わされることなく、継続的に投資を行う姿勢が重要です。
また、過去の金融危機や急落相場の教訓を学び、自分自身のリスク管理を強化することも大切です。分散投資やリスクヘッジの手法を活用し、適切な資産配分を維持することで、予期せぬ市場の変動に対する備えを強化することができます。
結論
金融危機や急落相場は、投資家にとって避けては通れない試練です。しかし過去の経験から学び、適切なリスク管理を行うことでそのリスクを最小限に抑えることができます。
投資初心者の方も焦らず冷静に対応し長期的な視点で資産運用を続けることで成功への道を切り開くことができるでしょう。
今後も市場の動向を注意深く見守りつつ、投資を通じて資産を増やしていくための努力を続けていきましょう^^
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