マーケットを徘徊する、アルゴという存在について
今では個人投資家の中でも、知名度が、上昇した「アルゴ(リズム)」の存在。皆さんは、どこまでご存知でしょうか?株式市場や先物オプション市場を、徘徊する彼等の実態を、本記事では説明したいと思います。
アルゴとは
金融商品取引業者(主に機関投資家やヘッジファンド)によって、プログラミングされた自動取引ツールの総称を、アルゴリズム(通称:アルゴ)と呼びます。アルゴは、以下の特徴を、持っています。
1.高速トレード
自動売買システムに基づく、高速トレードです。非常に反応速度が速いです。ちょっとした価格変動や、出来高、ニュースに対しても異常なレベルで早く動く存在です。私が、前記事で、アルゴのことをロボット兵に見立てたのは、こういった背景があります。まともに、真正面から戦っては、人間は、太刀打ちできません。策を講じる必要があります。
2.市場データに基づいていること
アルゴは、前項でも、書いていますが、価格変動や出来高、ニュースなどで反応します。しかしその多くは、個人投資家の動向に、ターゲティングされています。個人投資家をいかに損失させるか?で、彼等は収益を得ていると同然なのです。
3.市場価値の増加、流動性の担保
アルゴの存在は多く、先物市場におけるアルゴリズムの多さは、常に過半数を超えています。多い時には80%以上がアルゴリズムであるという、アメリカ側が出したデータで、公開されています。つまり、マーケットの取引高における、60~80%はアルゴリズムによって作られているといっても過言ではありません。
※最低が、60%です。
これは良い面と、悪い面を有しています。個人投資家は流動性の多い、先物市場を見て、トレードに魅力を感じ、参加します。また我々、証券ディーラーは、基本的には毎年利益を上げていることから、アルゴリズムも万全ではありませんし、個人投資家同士の良い戦いの場を提供している存在にもなっています。
4.市場安定性としての影響
アルゴ市場の過度な変動やフラッシュクラッシュを引き起こしている原因だと個人投資家から指摘があります。例えば、僅か数秒の間に200円、300円が動く様な場面です。これは最近では少なくなりましたが、依然として、起こっている実態があります。
建前上は、当局も捜査しているとしていますが、実際はどうなのかは分かりません。これは市場の安定性に対する、欠如となり得るので、将来的には無くなる可能性はありそうです。ただ、アルゴが登場するはるか前から、人間がスリル欲しさに、1度に何十億も投資して、一気に引き上げるという行為を行って問題になっていました。
ちなみに、これは、pump and dumpと言う行為で、不正行為に認定されました。
アルゴリズムの管理者
前述したように、アルゴリズムの管理者は、機関投資家やヘッジファンドといった運用組織になります。彼等は、高度なIT技術や、アルゴリズムシステムを有しており、自動化に、成功しています。もう20年くらいの歴史が、有ったと思います。
アルゴリズムの基本戦略
アルゴは、価格変動や、出来高、ニュースによって動きますが、その主となる戦略は、2つで、それが「市場メイキング手法」と「アービトラージ」です。ちなみに、アービトラージを活用したアルゴリズムは、我々も有しており、個々で使用しています。そのロジックは非公開ではありますが、そのうち何らかの方法で、残せたらいいなとは思っております。
アルゴリズムの見分け方
これを書いてしまうと、私の、私が、有料販売している記事での、立ち回りに、価値が少なくなってしまうので、全貌は伏せさせて頂きますが、見ているのは、先物の出来高と、オプションの出来高と、値動きの3つです。これをずっと見ていると、見えてくるものが、出てきます。
アルゴリズムとの向き合い方
個人投資家の多くは、短期的に、決済を目論んでしまう方が、多いです。取引において、リスクとリターンは、比例していると、これは名言としてありますが、実際には異なっており、リスクの方が高いです。
ただ保有時間を、長くすればするほど、リスクは徐々に下がっていきますので、あまり短期的に、決済することを、控えることが、先ずはアルゴ対策となります。他には、アルゴが買う前に買って、売る前に売る。ですね。
これも方法はありますが、人間どうしても睡眠が必要ですので、個人レベルでは難しく、どうしても限界があるというところです。(了)